ビデオドロームに蝕まれる喜び。


今回ご紹介する映画:『ヴィデオドローム(ビデオドローム)』
原題:『VIDEODROME』
製作:1982年カナダ
上映時間:1時間27分
オススメ度:★★★★☆(四つ星!)


予告編動画





『ヴィデオドローム(ビデオドローム)』のあらすじ

小さなテーブルTV局の社長であるマックスは、大手のテレビ局ではオンエアできない、放送の目玉となりうる刺激的で過激、かつ暴力的な映像を探していた。しかし、彼の手元に届く映像は、どれも決定打に欠くものであった。

ある日、会社のエンジニアが謎の映像をキャッチ。その映像とは「ヴィデオドローム」。ストーリーは存在せず、拷問などが繰り返される一種のスナッフフィルムのようであった。マックスはその生々しさと迫力に驚かされ、いつしか「ヴィデオドローム」の虜になる。

「ヴィデオドローム」は海外から放送されているよう偽装されていたが、実はアメリカ国内が発信源であることが判明。マックスは「ヴィデオドローム」が、まだ一般に知られていない事を察知し、誰よりも早く「ヴィデオドローム」の権利を手に入れようと行動にでるのであった。

しかし、マックスはまだ気づいていない。自分自身に「ヴィデオドローム」の影響が出始めていることを……。




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Hulu で、クローネンバーグ監督のカルト映画『ヴィデオドローム』が配信されていました。Hulu は期間限定配信が基本なので、『ヴィデオドローム』に興味があって、Hulu に加入している人は、ぜひチャレンジしてみてください。

さて、一年ほど前に一度鑑賞しておりましたが、迷わずに視聴してしまいました。いやぁ、なんともいえない魅力がありますな。

本作は、公開当時、あまりの難解さで製作費の半分も回収できなかったらしい。いわば大失敗作だった訳ですが、その後ビデオ化されるやいなや、カルト映画化し、今でも<新人類>を製造し続けている怪作でございます。

という事で、今回は『ヴィデオドローム(ビデオドローム)』の感想を書いていくんだぜ?




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『ヴィデオドローム(ビデオドローム)』のスタッフとキャスト

監督・脚本:デヴィッド・クローネンバーグ
製作:クロード・エロー
製作総指揮:ビクター・ソルニッキ、ピエール・デイヴィッド
音楽:ハワード・ショア
撮影:マーク・アーウィン
編集:ロナルド・サンダース

出演者
ジェームズ・ウッズ
デボラ・ハリー
ソーニャ・スミッツ
ピーター・ドゥヴォルスキー
レスリー・カールソン
ジャック・クレリー




VIDEODROME




『ヴィデオドローム(ビデオドローム)』の感想

他の人にはオススメできないけれど、かなり好きなタイプの映画でございます。物語そのものが気持ち悪く、そして気味が悪い。1980年代に、どうやって、こんな映像を作り上げたのか。『遊星からの物体X』といい、昔の映画からは、凄まじいエネルギーを感じます。

ビデオを観るとビデオに蝕まれるという、シンプルな(でも意味不明な)物語は、一度ハマってしまうと、なかなか抜け出す事ができませんね。極めて中毒性の高い作品といえます。

一方で、ハマらなければ、支離滅裂の内容に疲れるし、意味不明で面白いところが何ひとつない作品に映るという、好き嫌いがはっきり分かれる映画となっています。

個人的に思ったのは、何者かになりたいと思った人には、何かしら心にくるものがあるのかなって事。特別な者に憧れる年頃ってあるじゃないですか? それを大人になっても、密かにずっと持ち続けている人には、引っかかる何かがあるような、そんな気がします。




『ヴィデオドローム(ビデオドローム)』の良いところ

時代が古いので、作り物感は否めませんが、それがかえって、グロテスクさというか、気持ち悪さを演出しております。脈打つテレビや、マックスの体に現れる裂け目、生命体のようなビデオカセットなど、嫌悪感を抱くような造詣が、すごく良い。クローネンバーグ監督の趣味全開となっておりますぜ。クローネンバーグ監督の全てが詰まっているといっても過言ではない。そんな映画でございます。

物語はシンプルで、ストーリーそのものは難解ではないんですよね。難解なのは、この物語に理屈をつけようとした時に発生します。とにかく理屈抜きで、やりたい事や面白そうな事をやり通した、そんな映画な訳です。だから「どうやったら、脳腫瘍からくる映像(幻覚)を撮影する事ができるのか」などの理由や理屈は存在しない。それっぽい説明があるだけで、その潔さが素晴らしい。だからこそ、説明しようとすると、かなり無理が生じる訳ですな。理由とか理屈とか、そんなもの抜きにして鑑賞する事ができれば、本作の虜になってしまいます。




『ヴィデオドローム(ビデオドローム)』の悪いところ

整合性はあるのか?と問われれば、「ナッシング!」と叫ばずにはいられない『ヴィデオドローム』。理屈付けとか、そんなこまけぇーこたぁいいんだよ!というくらい清々しい作品なので、整合性を大切にする方には、全くオススメできないし、そもそも理解できないというカルト映画。良い点でもあり、悪い点でもありますな。

またグロテスクといっても、ゴア描写ではない点も注意を要する部分です。拳銃と腕が一体化したり、つまり体の一部が無機質に変化する、またはその逆の現象を描写しています。そういったグロテスクさが許容できないと、本作は観る事ができません。かなりの嫌悪感を伴う映像の連続なので、結構覚悟した方が良いです。この点も良い点ではあるんですけどね。苦手な人が多いのではないでしょうか。




『ヴィデオドローム(ビデオドローム)』のまとめ

とにかくついてこれる人だけついてきて!というような映画。この映画は嫌いであっても仕方がありません。他の方の評価とか感想を読んでいると、0点か100点かのどちらかしかないような作品ですからね。好きな人だけ鑑賞すればいいという作品の典型例です。

カルト映画なのですが、ちゃんと物語はあるし、盛り上がりもある。きちんと映画として成立している点が、クローネンバーグ監督の手腕、凄さといったところでしょうね。改めて、すごい監督であります。





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『ヴィデオドローム(ビデオドローム)』ネタバレあり感想

映像クリエイターが、映像やテレビを批判するかのような物語が、そもそも奇妙奇天烈ですな。何も考えないで、受動的に映像を見ていると、悪影響があるかもよ?みたいな感じでしょうか。

どこから幻覚で、どこまてが現実だったのか。ラストまでわからない終わり方で、そのエンディングが、本作に相応しい。クローネンバーグ監督のセンスが爆発してますな。

暴力的で、色気満載で、大人なのに、何か見てはいけないものを見てしまった感があり、そこが中毒者を生み続ける原因なのかもしれません。

「ビデオドローム」を使って世界征服?みたいな事を企んでいるボスは、なぜか、体内から徐々に破壊されていくし、体内に空間ができたり、テレビに鞭を打ったりなど、観客の想像の遥か斜め上をいくスタイル。これを楽しめないと、本作だけでなく、クローネンバーグ作品は楽しめないですね。

マックスの体にできる穴が明らかに女性のもので、そこに銃やビデオテープを入れるシーンは、直接的な描写ではないのに、妙な色っぽさがあって、改めて、クローネンバーグ監督、変態なんだなぁって思いましたよ。




『ヴィデオドローム(ビデオドローム)』のレビューや評価

カルトだね、好きな人は好きなんだろね

バックグラウンドにあるこの映画のアイデアとなっている、メディアによる洗脳への警鐘だったり、ジョニーデップのトランセンデンスにも続いているような、デジタルデータ(アナログテレビだけど)への人間の意識や精神の変換?みたいなアイデアは挑戦的でおもしろい


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