映画好きな四十郎のおっさん999でございます。
本記事作成当時、Huluで、クローネンバーグ監督のカルト映画『ヴィデオドローム』が配信されていました。
Huluで視聴する1年ほど前に、1回鑑賞したことがありました。
それでも、Huluで見かけた時、迷わず視聴したことで、自分が『ヴィデオドローム』をとても気に入っていることに、改めて気づきました。
本作は難しい映画ではありますが、なんともいえない魅力がありますね。
Huluは期間限定配信が基本であるため、2023年6月時点では、『ヴィデオドローム』の配信はありません。残念。
本作は、公開当時、あまりの難解さで製作費の半分も回収できなかったらしいです。
いわば大失敗作だった訳ですが、その後ビデオ化されるやいなや、カルト映画となり、今でも<新人類>を製造し続けている怪作でございます。
製作:1982年カナダ
日本公開日:1985年6月22日
上映時間:1時間27分
オススメ度:★★★★☆(四つ星!)
小さなテーブルTV局の社長であるマックスは、大手のテレビ局ではオンエアできない、放送の目玉となりうる刺激的で過激、かつ暴力的な映像を探していた。
しかし、彼の手元に届く映像は、どれも決定打に欠くものであった。
ある日、会社のエンジニアが謎の映像をキャッチ。
その映像とは<ヴィデオドローム>。
ストーリーは存在せず、拷問などが繰り返される一種のスナッフフィルムのようであった。
マックスはその生々しさと迫力に驚かされ、いつしか<ヴィデオドローム>の虜になる。
<ヴィデオドローム>は海外から放送されているよう偽装されていたが、実はアメリカ国内が発信源であることが判明。
マックスは<ヴィデオドローム>が、まだ一般に知られていない事を察知し、誰よりも早く<ヴィデオドローム>の権利を手に入れようと行動にでるのであった。
しかし、マックスはまだ気づいていない。
自分自身に「ヴィデオドローム」の影響が出始めていることを……。

会員の方は、見放題にて鑑賞することができます。
配信期限がありますので、視聴の際は注意してください。
本ページの情報は2023年6月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。
製作:クロード・エロー
製作総指揮:ビクター・ソルニッキ、ピエール・デイヴィッド
音楽:ハワード・ショア
撮影:マーク・アーウィン
編集:ロナルド・サンダース
出演者:ジェームズ・ウッズ、デボラ・ハリー、ソーニャ・スミッツ、ピーター・ドゥヴォルスキー、レスリー・カールソン、ジャック・クレリー
物語そのものが気持ち悪く、そして気味が悪い。
1980年代に、どうやって、こんな映像を作り上げたのか。
『遊星からの物体X』といい、昔の映画からは、凄まじいエネルギーを感じます。
ビデオを観るとビデオに蝕まれるという、シンプルな(でも意味不明な)物語は、一度ハマってしまうと、なかなか抜け出す事ができませんね。
極めて中毒性の高い作品といえます。
一方で、ハマらなければ、支離滅裂の内容に疲れるし、意味不明で面白いところが何ひとつない作品に映るという、好き嫌いがはっきり分かれる映画となっています。
個人的に思ったのは、何者かになりたいと思った人には、何かしら心にくるものがあるのかなって事。
特別な者に憧れる年頃ってあるじゃないですか?
それを大人になっても、密かにずっと持ち続けている人には、引っかかる何かがあるような、そんな気がします。
脈打つテレビや、マックスの体に現れる裂け目、生命体のようなビデオカセットなど、嫌悪感を抱くような造詣が、すごく良い。
クローネンバーグ監督の趣味全開となっておりますぜ。
クローネンバーグ監督の全てが詰まっているといっても過言ではない。
そんな映画でございます。
物語はシンプルで、ストーリーそのものは難解ではないんですよね。
難解なのは、この物語に理屈をつけようとした時に発生します。
とにかく理屈抜きで、やりたい事や面白そうな事をやり通した、そんな映画な訳です。
だから「どうやったら、脳腫瘍からくる映像(幻覚)を撮影する事ができるのか」などの理由や理屈は存在しない。
それっぽい説明があるだけで、その潔さが素晴らしい。
だからこそ、説明しようとすると、かなり無理が生じる訳ですな。
理由とか理屈とか、そんなもの抜きにして鑑賞する事ができれば、本作の虜になってしまいます。
理屈付けとか、そんなこまけぇーこたぁいいんだよ!というくらい清々しい作品なので、整合性を大切にする方には、全くオススメできないし、そもそも理解できないというカルト映画。
良い点でもあり、悪い点でもありますな。
また、グロテスクといっても、ゴア描写ではない点も注意を要する部分です。
拳銃と腕が一体化したり、つまり体の一部が無機質に変化する、またはその逆の現象を描写しています。
そういったグロテスクさが許容できないと、本作は観る事ができません。
かなりの嫌悪感を伴う映像の連続なので、結構覚悟した方が良いです。
この点も良い点ではあるんですけどね。
苦手な人が多いのではないでしょうか。
Filmarks
映画.com
この映画は嫌いであっても仕方がありません。
他の方の評価とか感想を読んでいると、0点か100点かのどちらかしかないような作品ですからね。
好きな人だけ鑑賞すればいいという作品の典型例です。
カルト映画なのですが、ちゃんと物語はあるし、盛り上がりもある。
きちんと映画として成立している点が、クローネンバーグ監督の手腕、凄さといったところでしょうね。
改めて、すごい監督であります。
という事で、ここまでは『ヴィデオドローム(ビデオドローム)』のネタバレなし感想でした。
ここまでお読み頂きまして、ありがとうございました!
この下にネタバレあり感想を書いております。
本作を鑑賞していらっしゃる方で興味のある方はお読みくださいませ。
まだ本作を観ていないという方は、まずは本作をご覧になってから、ネタバレあり感想をお読み頂けると幸いです。
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何も考えないで、受動的に映像を見ていると、悪影響があるかもよ?みたいな感じでしょうか。
どこから幻覚で、どこまてが現実だったのか。
ラストまでわからない終わり方で、そのエンディングが、本作に相応しい。
クローネンバーグ監督のセンスが爆発してますな。
暴力的で、色気満載で、大人なのに、何か見てはいけないものを見てしまった感があり、そこが中毒者を生み続ける原因なのかもしれません。
<ビデオドローム>を使って世界征服?みたいな事を企んでいるボスは、なぜか、体内から徐々に破壊されていくし、体内に空間ができたり、テレビに鞭を打ったりなど、観客の想像の遥か斜め上をいくスタイル。
これを楽しめないと、本作だけでなく、クローネンバーグ作品は楽しめないですね。
マックスの体にできる穴が明らかに女性のもので、そこに銃やビデオテープを入れるシーンは、直接的な描写ではないのに、妙な色っぽさがあって、改めて、クローネンバーグ監督、変態なんだなぁって思いましたよ。
という事で、『ヴィデオドローム(ビデオドローム)』のネタバレあり感想でした。
そんな訳で、今日はこの辺で。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
映画好きな四十郎のおっさんでした。
それでは、しーゆー!
DVD・Blu-ray
本記事作成当時、Huluで、クローネンバーグ監督のカルト映画『ヴィデオドローム』が配信されていました。
Huluで視聴する1年ほど前に、1回鑑賞したことがありました。
それでも、Huluで見かけた時、迷わず視聴したことで、自分が『ヴィデオドローム』をとても気に入っていることに、改めて気づきました。
本作は難しい映画ではありますが、なんともいえない魅力がありますね。
Huluは期間限定配信が基本であるため、2023年6月時点では、『ヴィデオドローム』の配信はありません。残念。
本作は、公開当時、あまりの難解さで製作費の半分も回収できなかったらしいです。
いわば大失敗作だった訳ですが、その後ビデオ化されるやいなや、カルト映画となり、今でも<新人類>を製造し続けている怪作でございます。
『ヴィデオドローム(ビデオドローム)』について
原題:『VIDEODROME』製作:1982年カナダ
日本公開日:1985年6月22日
上映時間:1時間27分
オススメ度:★★★★☆(四つ星!)
予告編動画
『テアトル・クラシックスACT.3 ビデオドローム 4K ディレクターズカット版』予告
簡単なあらすじ
ビデオドロームに蝕まれる喜び。小さなテーブルTV局の社長であるマックスは、大手のテレビ局ではオンエアできない、放送の目玉となりうる刺激的で過激、かつ暴力的な映像を探していた。
しかし、彼の手元に届く映像は、どれも決定打に欠くものであった。
ある日、会社のエンジニアが謎の映像をキャッチ。
その映像とは<ヴィデオドローム>。
ストーリーは存在せず、拷問などが繰り返される一種のスナッフフィルムのようであった。
マックスはその生々しさと迫力に驚かされ、いつしか<ヴィデオドローム>の虜になる。
<ヴィデオドローム>は海外から放送されているよう偽装されていたが、実はアメリカ国内が発信源であることが判明。
マックスは<ヴィデオドローム>が、まだ一般に知られていない事を察知し、誰よりも早く<ヴィデオドローム>の権利を手に入れようと行動にでるのであった。
しかし、マックスはまだ気づいていない。
自分自身に「ヴィデオドローム」の影響が出始めていることを……。
本作を視聴できる動画配信サービス
U-NEXT『ヴィデオドローム(ビデオドローム)』会員の方は、見放題にて鑑賞することができます。
配信期限がありますので、視聴の際は注意してください。
本ページの情報は2023年6月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。
スタッフ・キャスト
監督・脚本:デヴィッド・クローネンバーグ製作:クロード・エロー
製作総指揮:ビクター・ソルニッキ、ピエール・デイヴィッド
音楽:ハワード・ショア
撮影:マーク・アーウィン
編集:ロナルド・サンダース
出演者:ジェームズ・ウッズ、デボラ・ハリー、ソーニャ・スミッツ、ピーター・ドゥヴォルスキー、レスリー・カールソン、ジャック・クレリー
おっさんのネタバレなし感想
全体的な感想
他の人にはオススメできないけれど、かなり好きなタイプの映画でございます。物語そのものが気持ち悪く、そして気味が悪い。
1980年代に、どうやって、こんな映像を作り上げたのか。
『遊星からの物体X』といい、昔の映画からは、凄まじいエネルギーを感じます。
ビデオを観るとビデオに蝕まれるという、シンプルな(でも意味不明な)物語は、一度ハマってしまうと、なかなか抜け出す事ができませんね。
極めて中毒性の高い作品といえます。
一方で、ハマらなければ、支離滅裂の内容に疲れるし、意味不明で面白いところが何ひとつない作品に映るという、好き嫌いがはっきり分かれる映画となっています。
個人的に思ったのは、何者かになりたいと思った人には、何かしら心にくるものがあるのかなって事。
特別な者に憧れる年頃ってあるじゃないですか?
それを大人になっても、密かにずっと持ち続けている人には、引っかかる何かがあるような、そんな気がします。
『ヴィデオドローム(ビデオドローム)』の良いところ
時代が古いので、作り物感は否めませんが、それがかえって、グロテスクさというか、気持ち悪さを演出しております。脈打つテレビや、マックスの体に現れる裂け目、生命体のようなビデオカセットなど、嫌悪感を抱くような造詣が、すごく良い。
クローネンバーグ監督の趣味全開となっておりますぜ。
クローネンバーグ監督の全てが詰まっているといっても過言ではない。
そんな映画でございます。
物語はシンプルで、ストーリーそのものは難解ではないんですよね。
難解なのは、この物語に理屈をつけようとした時に発生します。
とにかく理屈抜きで、やりたい事や面白そうな事をやり通した、そんな映画な訳です。
だから「どうやったら、脳腫瘍からくる映像(幻覚)を撮影する事ができるのか」などの理由や理屈は存在しない。
それっぽい説明があるだけで、その潔さが素晴らしい。
だからこそ、説明しようとすると、かなり無理が生じる訳ですな。
理由とか理屈とか、そんなもの抜きにして鑑賞する事ができれば、本作の虜になってしまいます。
『ヴィデオドローム(ビデオドローム)』の悪いところ
整合性はあるのか?と問われれば、「ナッシング!」と叫ばずにはいられない『ヴィデオドローム』。理屈付けとか、そんなこまけぇーこたぁいいんだよ!というくらい清々しい作品なので、整合性を大切にする方には、全くオススメできないし、そもそも理解できないというカルト映画。
良い点でもあり、悪い点でもありますな。
また、グロテスクといっても、ゴア描写ではない点も注意を要する部分です。
拳銃と腕が一体化したり、つまり体の一部が無機質に変化する、またはその逆の現象を描写しています。
そういったグロテスクさが許容できないと、本作は観る事ができません。
かなりの嫌悪感を伴う映像の連続なので、結構覚悟した方が良いです。
この点も良い点ではあるんですけどね。
苦手な人が多いのではないでしょうか。
口コミレビューや評価
下記サイトで『ヴィデオドローム(ビデオドローム)』レビューや評価をチェック!Filmarks
映画.com
今回のネタバレなし感想のまとめ
とにかくついてこれる人だけついてきて!というような映画。この映画は嫌いであっても仕方がありません。
他の方の評価とか感想を読んでいると、0点か100点かのどちらかしかないような作品ですからね。
好きな人だけ鑑賞すればいいという作品の典型例です。
カルト映画なのですが、ちゃんと物語はあるし、盛り上がりもある。
きちんと映画として成立している点が、クローネンバーグ監督の手腕、凄さといったところでしょうね。
改めて、すごい監督であります。
という事で、ここまでは『ヴィデオドローム(ビデオドローム)』のネタバレなし感想でした。
ここまでお読み頂きまして、ありがとうございました!
この下にネタバレあり感想を書いております。
本作を鑑賞していらっしゃる方で興味のある方はお読みくださいませ。
まだ本作を観ていないという方は、まずは本作をご覧になってから、ネタバレあり感想をお読み頂けると幸いです。
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ネタバレあり感想
映像クリエイターが、映像やテレビを批判するかのような物語が、そもそも奇妙奇天烈です。何も考えないで、受動的に映像を見ていると、悪影響があるかもよ?みたいな感じでしょうか。
どこから幻覚で、どこまてが現実だったのか。
ラストまでわからない終わり方で、そのエンディングが、本作に相応しい。
クローネンバーグ監督のセンスが爆発してますな。
暴力的で、色気満載で、大人なのに、何か見てはいけないものを見てしまった感があり、そこが中毒者を生み続ける原因なのかもしれません。
<ビデオドローム>を使って世界征服?みたいな事を企んでいるボスは、なぜか、体内から徐々に破壊されていくし、体内に空間ができたり、テレビに鞭を打ったりなど、観客の想像の遥か斜め上をいくスタイル。
これを楽しめないと、本作だけでなく、クローネンバーグ作品は楽しめないですね。
マックスの体にできる穴が明らかに女性のもので、そこに銃やビデオテープを入れるシーンは、直接的な描写ではないのに、妙な色っぽさがあって、改めて、クローネンバーグ監督、変態なんだなぁって思いましたよ。
という事で、『ヴィデオドローム(ビデオドローム)』のネタバレあり感想でした。
そんな訳で、今日はこの辺で。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
映画好きな四十郎のおっさんでした。
それでは、しーゆー!
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