映画好きな四十郎のおっさん999でございます。

今回の記事は、2017年5月20日に公開した記事を再編集したものとなっております。ご了承ください。



かなり昔に予告編を観て、気になりながらも観ていなかった作品『首吊り気球』。

調べてみると、なんとDVD化されていないんですね。

『首吊り気球』は、「伊藤潤二 恐怖collection」と銘打って、伊藤潤二さんの漫画作品を3つ映像化し、それらを収録したオムニバス作品集。

DVD化されていないため、もう鑑賞できないのか……と思っていたら、VHSの映像をYouTubeでアップされていました。

こういう時、YouTubeなどの動画サイトはありがたいです。本来はダメな鑑賞方法なんですけどね。




というわけで、今回は『首吊り気球』のネタバレなし&ネタバレあり感想を書いていきたいと思います。

ちなみに、本作はオムニバス形式となっておりますので、『首吊り気球』だけでなく、他の2作品の感想も書いております。




『首吊り気球』について

製作:2000年日本

日本公開日:???

上映時間:1時間30分

オススメ度:★★☆☆☆(二つ星)




本編動画





『首吊り気球』の簡単なあらすじ

人気アイドルの自殺が報じられた後、街に奇妙な噂が流れ始める。

そのアイドルの顔をした気球が空を飛んでいるというのだ。

最初はバカバカしい噂話だとされていたが、やがて他の人間の頭を持つ気球が出現。

同じ顔をした人々を襲撃し始め、街はパニックに陥る。





本作を視聴できる動画配信サービス

2023年9月時点で、『首吊り気球』を配信しているVODサービスを発見することはできませんでした……。

まぁ、DVD化されていないですからね、仕方がありませんね。




スタッフ・キャスト

監督:小田一生、清水崇、三宅隆太

出演者:橘実里、初音映莉子、根津甚八、石川伸一郎、馬渕英里何、北原雅樹







『首吊り気球』がNetflixでアニメ化

実写映像版『首吊り気球』は、DVD化されていないのですが、この度、『首吊り気球』のアニメ化が決定。

単体でのアニメ化ではなく、『伊藤潤二 マニアック』というオムニバス作品の1エピソードとしてのアニメ化となります。

『伊藤潤二 マニアック』はNetflixで視聴できる作品で、『首吊り気球』以外にも、『富江・写真』『双一の愛玩動物』など、様々な作品がアニメ映像化されております。

Netflixの会員の方は、ぜひとも、伊藤潤二さんの世界を堪能してみてください。




おっさんのネタバレなし感想

『悪魔の定理』の感想

監督に清水崇さんを起用した、定番のスリラーになっています。

伊藤潤二さんというと、『富江』などのグロテスクな作品が非常に多いのですが、『うずまき』などの心理的な、あるいは不気味な雰囲気を尊重したホラーも数多く発表されています。

『悪魔の定理』も雰囲気スリラーといった感じの作品で、普通に面白かったです。




全くの説明がないまま、いきなりラストに着地するという、一体全体なんなのか……という、今の作品では考えられないような構成。

続きが気になるよう、上手に作られています。




ただ、何が怖いのか、不気味なのかが、人によっては、全くわからないかもしれません。

雰囲気映画が好きな人なら、このエピソードは、それなりに楽しめるのですが、そうでなければ、実に退屈な作品となるかもしれません。




『屋根裏の長い髪』の感想

定番のホラー。

特にグロテスクな描写はありませんが、なかなか良くできた作品でございました。

丁寧に観客のストレスを増幅させ、最後に発散させるというホラーのお手本のような作品でしたね。

マイナス点としては、ラスト直前までが、非常に陰鬱で疲れます。

全てはラストのためなんで仕方がないですが、それでも、くじけてしまいそうになりました。




『首吊り気球』の感想

表題となっている『首吊り気球』ですが、これは、かなりのキワモノでした。

完全なるホラーコメディーで、あらすじも何もありません。

ただ人面気球が襲ってくるという、ただそれだけの作品。

なんとも楽しいリズムの作品でした。




人間気球が、説明ナッシング状態で、唐突に現れて、ひたすら人々に襲い掛かるという状況が、何とも言えない魅力を発している本作。

映画として、とんでもないラストに到達する潔さが良かったですね。

おそらく原作の漫画がそうなので、どうしようもなかったのかもしれないですが、清々しいまでに、キワモノでした。

最後まで、人面気球の正体をはじめ、変に説明をしないという選択は正解。

奇妙な世界観を堪能できるように作られておりました。

ただ、考察するには情報が少なすぎると思うので、考察好きの方は本作よりも、原作漫画を読んだ方が良いかもしれません。




私は、本作は普通のB級ホラー作品と思っていたのですが、実際は、ホラーコメディー作品。

なので、ホラーをがっつり楽しみたい人には、ほんと、不向きって感じですね。

主人公たちを演じている俳優さんたちの演技も、お世辞でも上手とはいえず、せっかくの映像作品が台無し状態で、その点は残念でした。




『首吊り気球』その後を描く『首吊り気球 再来』

『首吊り気球』の続編となる『首吊り気球 再来』という作品が存在します。

『首吊り気球 再来』は、2015年の年末に発売された『Nemuki+2016年1月号』に掲載されました。

がっつり本編……ではなく、数ページの短編作品として発表されたようです。

単行本には収録されておらず、ファンブックで読むことができるようです。

気になった方はチェックしてみては、いかがでしょうか?






口コミレビューや評価

下記サイトで『首吊り気球』レビューや評価をチェック!

Filmarks

allcinema




今回のネタバレなし感想のまとめ

表題となっている『首吊り気球』以外は、普通のホラー作品で、それなりに楽しめました。

『首吊り気球』は大爆笑なコメディー作品。

今の技術で、もう一回映像化して欲しい作品ですね。

どんなヘンテコムービーになるのか、観てみたい。




という事で、ここまでは『首吊り気球』のネタバレなし感想でした。

ここまでお読み頂きまして、ありがとうございました!




この下にネタバレあり感想を書いております。

本作を鑑賞していらっしゃる方で興味のある方はお読みくださいませ。

まだ本作を観ていないという方は、まずは本作をご覧になってから、ネタバレあり感想をお読み頂けると幸いです。




伊藤潤二さんの漫画






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ネタバレあり感想

『悪魔の定理』は、保健室に置かれた書物に、なにか秘密がありそうなんですけどね。

その定理を「聞く」と死神に魅入られるという事でしょうか。

かなり気味の悪いエピソード。

長編でも十分にできるポテンシャルがあるアイデアであるにも関わらず、短編ホラーで映像化するという点が好印象でございます。




『屋根裏の長い髪』は、主人公の友達にも、その友達の彼氏にも腹がたつ。

もっとラストに、グロテスクに襲われていたのなら、もっとスカッとしたのですが、ちょっと不完全燃焼です。




『首吊り気球』は、気球を壊すと、その顔の人物が絶命するという、もうどうしようもないモンスター。

人類が滅亡するしかないですね。

さすが伊藤潤二さん、というエピソード。

救いがなさすぎて、もう笑うしかありませんね。

CG未発達時代だからこその、なんともいえない気持ち悪さがあって、ホラーコメディー映画として見ると、そこそこの満足感があります。




という事で、『首吊り気球』のネタバレあり感想でした。

そんな訳で、今日はこの辺で。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

映画好きな四十郎のおっさんでした。

それでは、しーゆー!




伊藤潤二さんの漫画