恐怖は<スプリット―分裂―>する。



今回ご紹介する映画:『スプリット』
原題:『SPLIT』
製作:2017年アメリカ
上映時間:1時間57分
オススメ度:★★★★★(五つ星!)




予告編動画




『スプリット』のあらすじ

高校生のケイシーは学校のクラスに馴染めず、問題を起こしては居残りをさせられている問題児。クラスメートのクレアの誕生日パーティーに誘われるものの、彼女はやはり1人で過ごす。

帰り、ケイシーはバスで帰ると言ったが、クレアの父親が「家まで送ろう」と言って、クレアとマルシアの二人と一緒に帰る事に。

先に車に乗り込む3人だったが、後から車に入ってきたのはクレアの父親ではなく、見ず知らずの男だった。




スポンサーリンク




早々にシャマラン監督より、続編のアナウンスがあった『スプリット』。公開日翌日に、早速、映画館へ足を運びましたよ。

前作の『ヴィジット』は個人的に大好きな作品で、本作は一体どんな物語を見せてくれるのか、すごく楽しみにしておりました。

という事で、今回は『スプリット』の感想を書いていくんだぜ?

ちなみに、「スプリット」という言葉の意味は「分かれる」「分裂する」など、ひとつのものがふたつ以上のものに分かれる、という意味合いだそうです。




今回利用した映画館

TOHOシネマズなんば・別館



『スプリット』のスタッフとキャスト

監督・製作・脚本:M・ナイト・シャマラン
製作:ジェイソン・ブラム、マルク・ビエンストク
音楽:ウェスト・ディラン・ソードソン
撮影:マイク・ギオウラキス
編集:ルーク・フランコ・シアロキ

出演者
男:ジェームズ・マカヴォイ
ケイシー:アニヤ・テイラー=ジョイ
フレッチャー:ベティ・バックリー
マルシア:ジェシカ・スーラ
クレア:ヘイリー・ルー・リチャードソン
ジャイ:M・ナイト・シャマラン




split_2


『スプリット』の感想

やってくれましたよ、シャマラン監督。いやぁ、すごい。素晴らしい!

前作もそうですが、本作も、非常にクセの強い映画となっています。そのため、点数をつけるとするならば、100点満点か0点のどちらかしかないってくらい、風変わりです。この映画に50点という中間の点数をつける人は、たぶん、途中寝ていたんじゃないでしょうか。とにかく万人受けしない映画となっています。

個人的には大満足の映画。他の方にはオススメしない、というか出来ない怪作ではありますが、わたしは大好きですね。




『スプリット』の良いところ

ジェームズ・マカヴォイの怪演が光る
今回の作品は、とにかくマカヴォイの演技がすごい。いくつもの人格を演じているわけですが、誰にでもわかるよう、それぞれのキャラクターに特徴を付けて、さらにお芝居が被らないように演技をしています。彼を起用した時点で、ほぼ、このシナリオは勝ったとも言えます。それくらい、素晴らしい。いい俳優です。

また、アニャ・テイラー=ジョイの表情も印象的でした。お芝居はぎこちなく感じるものの、彼女の目力や顔の演技は、観客を引き込むのに十分ですね。

この二人の演技が光っているため、他の女子高生二人も、逆に光っております。二人は普通のお芝居をしているのですが、それがマカヴォイ、アニャと上手いこと対比になっています。



映画のジャンルが<スプリット>する
最近の映画では、時々、作品のジャンルがコロコロ変化する事があります。個人的には大好きな『貞子3D』、最近だと『へんげ』なんかがそうでしたね。本作も映画のジャンルが行ったり来たりしておりまして、とてもワクワク・ハラハラできました。

最初はソリッドシチュエーションタイプのスリラー、途中からミステリー、サスペンス、ホラーを経て、ラストにもう一段階の変化をもたせています。シャマラン監督は職人気質のクリエイターですが『エアベンダー」『アフターアース』を経験して、エンタメを勉強したのではないかな?そして、ジェイソン・ブラムとコンビを組んで、今までの経験が本作で結実した、そんな感じを受けました。

シャマラン監督作品であるにも関わらず、とてもサービス精神溢れる映画に仕上がっており、見応え十分。わたしね、もう一回、映画館へ足を運んでもいいくらい、はまってしまいました。



多重人格に対するシャマラン的解釈
本作のアイデアそのものは、実はそれほど真新しいものではないんですね。しかし、意外な組み合わせを足し算し、さらに、脚本家の独特の解釈を持って、解を料理しているため、「なるほど、そうきたか」と唸るような作品になっております。まさか、そんな落とし方をするとは。さすがシャマラン監督!

不気味な雰囲気はそのままで、その空気感の中で映画のジャンルを変容させるストーリー。これは普通の監督ではできないです。最近だと『ダークレイン』で似たような衝撃を受けました。あれもトータルのアイデアがエグかったですが、本作も負けず劣らずというところです。




『スプリット』の悪いところ

風変わりすぎて受け入れできない人が多数
シャマラン監督作品の宿命なんですが、多数の人に受け入れられるような映画ではないですね、正直。シャマラン監督作品が好きであれば、おそらくすごく楽しめる映画なんですが、シャマラン作品を受け付けない人には、不向きどころか、退屈な映画でございます。そういう方はスルーするか、DVDを待った方が賢明ですよ。


オチがわからない恐れあり
これはネタバレにつながるため、詳しく書けませんけど、オチ、わかる人って、どれくらいいますかね?シャマラン作品を追いかけていたら、「えぇ??!!」ってなりますけどね。わたしは、声を出してしまった。ごめんなさい。反射で立ち上がりそうになりましたよ。えぇ。今回のオチは、それくらい強烈でした。



『スプリット』のまとめ

これは、個人的には大当たりな映画でした。期待を大きく上回る作品に仕上がっていて、大満足の一言。シャマラン監督に拍手を送りたい。

わたしとしては、パーフェクトな作品。続編も期待しております。

それにしても、今年は洋画の快進撃がすごいですなぁ。邦画も頑張って欲しいどすぇ。




この記事がイイネ!と思ったら下のブログランキングボタンをクリックして頂けると嬉しいです☆

人気ブログランキングへ



【関連記事】

『ヴィジット』の感想 M・ナイト・シャマラン監督はやっぱりスリラーだよね!


『フッテージ』の感想 イーサンホーク主演、『エミリーローズ』の監督が描く不思議なホラー映画






↓ここからネタバレあり。注意!↓





『スプリット』ネタバレあり感想

ラストに<彼>が登場
今回、日本での公開前に、すでに次回作である『GLASS』が本作と『アンブレイカブル』の続編である事が、シャマラン監督のツイッターで判明していました。しかし、ラストに見たことのあるカメラワークだなぁと思っていたら。。。

とある女性が「そういえば、15年前にもいたわねぇ、車椅子の悪党。なんて名前だったかしら?」とテレビニュースを見ながら呟きます。すると、隣に座っていた男性が「ミスター・ガラス」と答えると「あぁ、そういう名前だったわ」そう言って女性は立ち上がり、隣に座っていた男性が登場します。名札に「ダン」と書かれている。彼は何かがわかったような表情を浮かべ、席を立つ。

そう。あの『アンブレイカブル』の主人公であるダンが登場するんです。もちろん、ブルース・ウィリスがダンを演じています。まさか、本作に登場するなんて夢にも思わなかったので、びっくりを通り越して呆然としてしまいました。



<ビースト>とは一体なんなのか
24番めの人格とされる<ビースト>。強靭な肉体を持ち、驚異的な身体能力を有する彼は、結局のところ、なんなのか。新しい人格なのか、それとも主人格の性格が反転し、全ての人格の能力が統合された姿なのか。本作では、<ビースト>に関して、明確な説明がないんですよね。これがユニーク。日本でも、この種の作品はありまして、わたしが思いつくのが『十三番目の人格<ペルソナ>』という貴志祐介さんの作品です。この作品では13番目に登場する人格が悪魔のような人格で、その人格の覚醒を阻止するというのがストーリーでした。『スプリット』も今まで現れていなかった人格が最終的なテーマになるんですが、それについての説明を敢えて劇中でしなかった事により、とてもミステリアスな作品に仕上がりました。

人によっては、この部分、マイナスポイントになるかもしれないのですが、わたしとしては、変に理屈をつけて説明されるよりも、曖昧なままで終わらせてくれたので、とても良かったですね。不気味なまま映画が終わるというのは、なんともシャマラン映画らしい。次回作で<ビースト>について、なにか言及されるのでしょうか。



人格たちの対立構造が面白い

本作で珍しいなぁと感じたのは、人格たちが、ある思想が原因で内部対立している点です。ふたりの人格とその他の人格が、<ビースト>の存在の有無を巡り、内部で対立しているんですね。「存在している派」と「存在しない派」に分かれていて、「存在している派」がちょっと肩身の狭い思いをしているという発想は、なんとも新鮮でした。



『スプリット』のレビューや評価

この映画自体は、、正直凡作でした。
でも主演の女の子が超可愛い。

この監督はこのくらいで丁度良いのではないかと感じた。

けっこう面白かったです。マカヴォイさん、お疲れさまでした、といったところでしょうか。
最後まで「ここはどこ?」と思わせる構成や、続編作る気満々のラストシーンも良かったです。


YAHOO!JAPAN映画『スプリット』