宿命を信じるか?


今回ご紹介する映画:『プリディスティネーション』
原題:『PREDESTINATION』
製作:2014年オーストラリア
上映時間:1時間37分
オススメ度:★★★★★(五つ星!)



予告編動画





『プリディスティネーション』のあらすじ

1970年、ニューヨーク。とあるバーを訪れた青年ジョン(セーラ・スヌーク)は、バーテンダー(イーサン・ホーク)に自身が歩んだ人生を語る。それは女性として生まれて孤児院で育ち、付き合っていた流れ者との子を宿すも彼に去られ、さらに赤ん坊を何者かに誘拐されたという壮絶なものだった。それを機に男性として生きることを選んだジョンに、バーテンダーは未来からやって来た時空警察のエージェントだと明かす。驚く彼を自分の後継者に選んだバーテンダーは、装備を託すとともに宿敵である爆弾魔との対決に臨んでいく。(シネマトゥデイ



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『デイブレイカー』という映画を以前鑑賞した事があります。その作品は、それほど面白くなくて、同じ監督が手掛けた本作はあまり興味がなくて、未鑑賞でございました。

父親が「変わった映画やで」と言っていたので、さて、どんな作品なのか気になり、視聴してみました。

HuluやAmazonでは見放題配信していなかったのですが、dTVで動画が配信されていました。やったね!

という事で、今回は『プリディスティネーション』の感想を書いていくんだぜ?

なお、今回は吹き替えではなく、字幕版を鑑賞しました。




『プリディスティネーション』のスタッフとキャスト

監督・脚本・音楽・製作:ピーター・スピエリッグ
監督・脚本・製作:マイケル・スピエリッグ
原作:ロバート・A・ハインライン『輪廻の蛇』
製作総指揮:ゲイリー・ハミルトン
撮影:ベン・ノット
美術:マシュー・パットランド
衣装:ウェンディ・コーク
特殊メイク:スティーヴ・ボイル
ヘアメイク:テス・ナトリ

出演者
イーサン・ホーク
サラ スヌーク(セーラ・スヌーク)
ノア・テイラー
クリストファー・カービイ
クリス・ソマーズ




predestination



『プリディスティネーション』の感想

正直なところ、それほど期待してはいなかったのですが、とても面白かったです。観る人を選ぶ、非常に難解というか、開き直りすぎて清々しい映画で、人にオススメできるようなタイプの作品ではありません。けれど、風変わりな映画が好きな人であれば、鑑賞をすすめる事ができる、クセのある映画でございました。

ちなみにタイトルである「プリディスティネーション」の意味は運命や宿命。運命予定説という意味でも用いられる言葉のようです。




『プリディスティネーション』の良いところ

タイムトラベルものに必ず付いて回るのがタイムパラドクスです。簡単にいうと、過去に戻って自分の命を奪った場合、命を奪った未来の自分はどうなるのか?ってやつですね。通常であれば、ここに苦心する訳ですが、この作品は、その矛盾そのものをテーマにしているんですね。原作は未読なので小説はどういうものかわからないのですが、この作品は、その矛盾に対して開き直ったという点がすごいです。

ストーリーは単純なのですが、パラドクスをテーマにしているため、かなり複雑なものになっていて、風変わりな映画を大好物とするタイプの映画好きにはたまらない作品に仕上がっています。久しぶりに声をあげてしまいました。予想をさらに裏切る展開に、ラストでニヤリとしてしまう。

俳優さんも素晴らしく、イーサン・ホークはもちろん、サラ・スヌークさんも素晴らしく良かった。男性と女性、ふたつの性を演じて、さらに独特の存在感を本作では示しています。『ジェサベル』というホラー映画に出演されていた女優さんですね。今後の活躍に期待が持てる、良い女優さんでした。

舞台となる世界も、変に近未来として作り変えるのではなく、ゼロ地点とされるタイムマシン発明の年を1981年に設定してみたり、素直に作られている点も好印象。通常なら、自分のいろをつけたがる訳ですが、そういったものを排除したからこそ、本作はクセのある、面白い映画になり得たのだと思います。




『プリディスティネーション』の悪いところ

タイムパラドクスに対して、説明とは整合性とか、辻褄合わせとか、そういったものは一切ないので、この点に重きを置くタイプの人は、はっきり言って楽しめないのではないでしょうか。そういうものであると素直に受け入れると、すごく楽しめる映画なんですけどね。この一点が本作の評価を分ける鍵となっています。



『プリディスティネーション』のまとめ

まさか、こんな映画だとは夢にも思いませんでした。てっきり時空警察が爆弾魔を追いかけるSFアクションだと思い込んでおりました。実際に鑑賞してみると、哲学的でもあり、どちらかというと、SFドラマですね。派手なシーンや大きな山場こそありませんが、ストーリーと役者さんの演技、スタイリッシュな映像で、観客を飽きさせない、一級品の映画でございました。




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↓ここからネタバレあり。注意!↓





『プリディスティネーション』ネタバレあり感想

爆弾魔の正体とか、ジェーンの人生を壊した男の正体とか、途中で読めてしまう訳ですが、まさか、イーサン・ホーク演じるバーテンダーが元ジェーンだったとは!前半のバーにおける会話が全て伏線だったことに脱帽しました。すごい!

考え始めると、本当に自分の体を呑み込む蛇のごとく、思考の輪から抜け出せなくなりますので、難しく考えてしまう人は、要注意の映画ですね。

いやぁ、映画館で観たかった!!悔しい!!!




『プリディスティネーション』のレビューや評価

SF物ですが実に主人公の内面をとらえてます

何とも引き込まれるストーリー構成。


YAHOO!JAPAN映画『プリディスティネーション』