映画好きな四十郎のおっさん999でございます。
今回の記事は、2016年4月8日に公開した記事を再編集したものとなっております。
2016年4月に劇場公開したホラー映画『のぞきめ』。
当時、映画館へ足を運んで、本作を鑑賞しました。
今回は、三津田信三さんの著作である『のぞきめ』を映像化したホラー映画『のぞきめ』のネタバレあり感想を書いていきたいと思います。
本作の主演を務めるのは、元AKB48の板野友美さんで、共演には『仮面ライダーウィザード』の白石隼也さん。
監督は、『トリハダ』シリーズ、『植物図鑑』の三木康一郎さん。
原作者となる三津田信三さんは、2010年に本格ミステリー大賞(小説部門)を受賞した推理作家さんとなっております。
『リング』の貞子や『呪怨』の伽椰子、『デスフォレスト』のヨシエちゃんのように死に至らしめるようなものではありません。
この点が非常にユニークで、呪われた人々は、発狂して自ら命を落としています。
ただ、このあたりの設定は、はっきりしておらず、最初の犠牲者の喉には、泥が詰まっているという件があるので、本当は直接、手をくだしているようにも思えます。
ラストも、主人公を土の中に引きずり込んでいるため、この「のぞきめ」が、一体なにをしたかったのか、よくわからないままでした。
ひたすら見つめるだけということに特化していれば、とても面白いし、全員が全員、発狂するわけもなく、見つめてるだけだから良いじゃんっていう開きなおり人間が登場し、そこからストーリーが分岐したかもしれません。
中途半端に設定を作ってしまったがために、いろんな矛盾を消化できない、邦画の悪い癖が出てきてしまったように思えます。
そもそも、「のぞきめ」の存在に理由をつけてしまった時点で、ダメダメです。
理由もイマイチで、『リング』の貞子のように、設定がしっかりしていればいいのだけど、「のぞきめ」になった六部が少女一人だけという点についての説明もないし、必然もない。
ここをもう少し、しっかりと構成していれば、もっと面白い作品はになったはずで、とても残念です。
ある程度、きちんと明かされるのであれば、理由があったほうが良い。
けれど、劇中で、あまり明かしたくないというのであれば、最初から最後までホラーに振り切らないといけない。
前半の調査で「のぞきめ」について、いくつかの事実がわかる点は、本作の良いところ。
しかし、理由を明かしたくないという脚本であれば、さっさと調査を切り上げて、ガッツリとホラー映画にシフトしないと、本作のような仕上がりになってしまいます。
ミステリーとしても中途半端、ホラー映画としても中途半端で、本作は消化不良感が否めません。
ラストに板野友美さん演じる女性が犠牲になる必然もないし、「のぞきめ」になった彼女が、なぜ渡されなかった婚約指輪のことを知っているのかという点も納得できません。
グダグダ設定のおかげで、かなり損をした映画でした。
いや、これでよく撮影が無事終了したなぁって思いましたよ。
『クロユリ団地』の前田敦子さんの方が、よっぽど素晴らしい演技してました。
彼女も『クロユリ団地』では、正直、酷い演技だと思いましたけど、良い役を貰ったなぁって感じまして、おそらく、このまま努力すれば、良い女優さんになれると思うんですよね。
前田敦子さんは『クロユリ団地』で後半の狂い始めるところからの気合いが半端ない。
※現在、前田敦子さんは、素敵な女優さんになりました。
それに比べ、今回の板野友美さんには気合が全くない。
そんな状態なので、共演の『仮面ライダーウィザード』こと白石隼也さんが頑張ることにより、板野友美さんが浮いちゃう感じになっています。
とても残念……というか、必然なのか……。
特に後半の白石隼也さんが隔離された病室で発狂して暴れまわっているところに、板野友美さんが部屋に入ろうとするシーンは、酷いです。
あれほど温度差のあるシーン、商業映画では、見たことないです。
全国の映画館で上映するような作品で、これはない。
脚本が悪かったのと、本作製作時点で主演女優に才能がなかったという2点が、『のぞきめ』に致命傷を与えてしまった感じですね。
しかし、明らかに尺稼ぎというところもあって、これだったら、60分ほどの映画に仕上げて、もう一本、60分のホラー映画を製作して、二本同時上映にすれば良かったんじゃないかな?
そうすれば、『のぞきめ』の映画としてのクオリティーも上がったと思うんですよね。
原作のあらすじなどを読んでいると、虚構怪談とでも良いましょうか、短いからこそ、意味のあるもののようで、明らかに長編映画には向かない題材なんですね。
であれば、映画も中編ほどの長さにしてシェイプアップすれば良かったのにって思います。
映画なんてどうでもよくて、板野友美さんの経歴に磨きをかけるためだけに製作されたという側面もあるので、仕方がないとも思いますが。
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まぁ、映画ですしね、プロのメイクさんもいるだろうし、そもそも製作にホリプロが絡んでいるのだから、主演の女優さんについては、変な感じには仕上げないだろうと。
きちんと演技が上手という評価を貰えるよう、板野友美さんには頑張って欲しいのですが……どうなんでしょうかね。
個人的には、板野友美さんの棒演技が許容できる人なら、まぁ鑑賞しても良いかなといえる作品です。
脚本も素晴らしいとはいえないですが、B級ホラー映画を見慣れている人には面白く感じる程度には楽しめます。
B級映画を見慣れていない人には、ちと辛いかな。
オススメ!って言えなくて残念。
B級映画とZ級映画を反復横とびしているかのようなクオリティーの作品ということで、お察しください……というところかな?
という事で、今回は『のぞきめ』のネタバレあり感想でした。
そんな訳で、今日はこの辺で。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
映画好きな四十郎のおっさんでした。
それでは、しーゆー!
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今回の記事は、2016年4月8日に公開した記事を再編集したものとなっております。
2016年4月に劇場公開したホラー映画『のぞきめ』。
当時、映画館へ足を運んで、本作を鑑賞しました。
今回は、三津田信三さんの著作である『のぞきめ』を映像化したホラー映画『のぞきめ』のネタバレあり感想を書いていきたいと思います。
本作の主演を務めるのは、元AKB48の板野友美さんで、共演には『仮面ライダーウィザード』の白石隼也さん。
監督は、『トリハダ』シリーズ、『植物図鑑』の三木康一郎さん。
原作者となる三津田信三さんは、2010年に本格ミステリー大賞(小説部門)を受賞した推理作家さんとなっております。
ネタバレなし感想
ネタバレなし感想では、予告編動画や簡単なあらすじなどもご紹介しております。ネタバレあり感想
「のぞきめ」について
この「のぞきめ」という妖怪は、他のホラー映画に登場するような怪異とは違い、呪いの対象者を見つめるだけという妖怪です。『リング』の貞子や『呪怨』の伽椰子、『デスフォレスト』のヨシエちゃんのように死に至らしめるようなものではありません。
この点が非常にユニークで、呪われた人々は、発狂して自ら命を落としています。
ただ、このあたりの設定は、はっきりしておらず、最初の犠牲者の喉には、泥が詰まっているという件があるので、本当は直接、手をくだしているようにも思えます。
ラストも、主人公を土の中に引きずり込んでいるため、この「のぞきめ」が、一体なにをしたかったのか、よくわからないままでした。
ひたすら見つめるだけということに特化していれば、とても面白いし、全員が全員、発狂するわけもなく、見つめてるだけだから良いじゃんっていう開きなおり人間が登場し、そこからストーリーが分岐したかもしれません。
中途半端に設定を作ってしまったがために、いろんな矛盾を消化できない、邦画の悪い癖が出てきてしまったように思えます。
そもそも、「のぞきめ」の存在に理由をつけてしまった時点で、ダメダメです。
理由もイマイチで、『リング』の貞子のように、設定がしっかりしていればいいのだけど、「のぞきめ」になった六部が少女一人だけという点についての説明もないし、必然もない。
ここをもう少し、しっかりと構成していれば、もっと面白い作品はになったはずで、とても残念です。
ある程度、きちんと明かされるのであれば、理由があったほうが良い。
けれど、劇中で、あまり明かしたくないというのであれば、最初から最後までホラーに振り切らないといけない。
前半の調査で「のぞきめ」について、いくつかの事実がわかる点は、本作の良いところ。
しかし、理由を明かしたくないという脚本であれば、さっさと調査を切り上げて、ガッツリとホラー映画にシフトしないと、本作のような仕上がりになってしまいます。
ミステリーとしても中途半端、ホラー映画としても中途半端で、本作は消化不良感が否めません。
ラストに板野友美さん演じる女性が犠牲になる必然もないし、「のぞきめ」になった彼女が、なぜ渡されなかった婚約指輪のことを知っているのかという点も納得できません。
グダグダ設定のおかげで、かなり損をした映画でした。
主演女優の酷さとウィザードの奮闘
ネタバレなし感想でも書きましたけど、主演女優の板野友美さんのお芝居が、一番のホラーです。いや、これでよく撮影が無事終了したなぁって思いましたよ。
『クロユリ団地』の前田敦子さんの方が、よっぽど素晴らしい演技してました。
彼女も『クロユリ団地』では、正直、酷い演技だと思いましたけど、良い役を貰ったなぁって感じまして、おそらく、このまま努力すれば、良い女優さんになれると思うんですよね。
前田敦子さんは『クロユリ団地』で後半の狂い始めるところからの気合いが半端ない。
※現在、前田敦子さんは、素敵な女優さんになりました。
それに比べ、今回の板野友美さんには気合が全くない。
そんな状態なので、共演の『仮面ライダーウィザード』こと白石隼也さんが頑張ることにより、板野友美さんが浮いちゃう感じになっています。
とても残念……というか、必然なのか……。
特に後半の白石隼也さんが隔離された病室で発狂して暴れまわっているところに、板野友美さんが部屋に入ろうとするシーンは、酷いです。
あれほど温度差のあるシーン、商業映画では、見たことないです。
全国の映画館で上映するような作品で、これはない。
脚本が悪かったのと、本作製作時点で主演女優に才能がなかったという2点が、『のぞきめ』に致命傷を与えてしまった感じですね。
角川Jホラーにしても良かったのでは?
今回の『のぞきめ』は、上映時間が短い作品で、この点は評価できます。しかし、明らかに尺稼ぎというところもあって、これだったら、60分ほどの映画に仕上げて、もう一本、60分のホラー映画を製作して、二本同時上映にすれば良かったんじゃないかな?
そうすれば、『のぞきめ』の映画としてのクオリティーも上がったと思うんですよね。
原作のあらすじなどを読んでいると、虚構怪談とでも良いましょうか、短いからこそ、意味のあるもののようで、明らかに長編映画には向かない題材なんですね。
であれば、映画も中編ほどの長さにしてシェイプアップすれば良かったのにって思います。
映画なんてどうでもよくて、板野友美さんの経歴に磨きをかけるためだけに製作されたという側面もあるので、仕方がないとも思いますが。
口コミレビューや評価
下記サイトで『のぞきめ』レビューや評価をチェック!Filmarks
映画.com
Movie Walker
今回のネタバレあり感想のまとめ
ということで、この映画で高い評価をされている方は、板野友美さんの可愛さだけに評価を与えている印象です。まぁ、映画ですしね、プロのメイクさんもいるだろうし、そもそも製作にホリプロが絡んでいるのだから、主演の女優さんについては、変な感じには仕上げないだろうと。
きちんと演技が上手という評価を貰えるよう、板野友美さんには頑張って欲しいのですが……どうなんでしょうかね。
個人的には、板野友美さんの棒演技が許容できる人なら、まぁ鑑賞しても良いかなといえる作品です。
脚本も素晴らしいとはいえないですが、B級ホラー映画を見慣れている人には面白く感じる程度には楽しめます。
B級映画を見慣れていない人には、ちと辛いかな。
オススメ!って言えなくて残念。
B級映画とZ級映画を反復横とびしているかのようなクオリティーの作品ということで、お察しください……というところかな?
という事で、今回は『のぞきめ』のネタバレあり感想でした。
そんな訳で、今日はこの辺で。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
映画好きな四十郎のおっさんでした。
それでは、しーゆー!
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