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今月は、見たことのないタイトルの本を読みました。『忌錄』という作品です。電子書籍でしか出ていない作品のようで、どうりで見たことがないわけだ。

という事で、今回は『忌錄』という本の感想を書いていくんだぜ?



『忌録:document X』とは

その忌まわしさゆえに存在を葬られ、封印された事件。神隠し、呪詛、幽霊屋敷、心霊ビデオ・・・。本書では、著者が2006年から2012年までの間に収集した、それらの記録を公開する。


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みさき

ある女の子が神隠しに遭遇。そのまま行方知れずになるというもの。ありふれた話ではありますが、この事件の関係者の証言を掲載して、読みやすく工夫されています。実際に、女の子が失踪した古墳についての取材メモも掲載されていて、実話怪談が好きなら、なかなか読み応えがあります。

怖いとか不気味とか、そういう印象はない一方で、結局のところ、一体なんだったのかという腑に落ちない不快感を味わう事ができる一編。

実話怪談にしては、ドラマティックな展開となっているため、100%実話ではないと思うものの、どこまでが本当で、どこから脚色なのかは、わかりません。



光子菩薩

この作品も実話怪談として見た時、あまり信憑性のないものになっているんですが、一種のホラー小説のような不気味さが香る、そんな一作となっています。

通行人の眼球を抜いて回ったという通り魔事件の話で、その事件の犯人が「光子菩薩」なる存在を警察に示唆。その後、警察官が次々に「光子菩薩」の餌食になったため、国をあげての研究が始まったとされるエピソード。

あまりにも現実離れした話なのですが、最後に自己責任で閲覧可能な「光子菩薩」が掲載されており、その資料が妙な説得力を持っています。

お話として、十分面白いものでした。



忌避(仮)

個人的に、本作で一番好きな一編。沖縄にある家にまつわる話で、かなり不気味。『残穢』を読んだ事のある人ならば、このエピソードの怖さは、わかって頂けるかと。

沖縄に関するスーパーナチュラルの話が興味深く、なかなかに面白い話に仕上がっています。

劇的な展開があるんで、実話怪談とは思えないですが、言い換えれば、これは、現実にあって欲しくない話です。

個人的には、かなり怖く、いやぁな感触が残るエピソードでした。



綾のーと。

女子大生のブログを掲載しているんですが、じょじょに、彼女の日常がナニカに侵食されていく様子が垣間見える、本作で唯一、実話怪談として読む事ができるエピソード。

コメント欄も掲載してあるんですが、管理人である彼女が許可しなければ公開されない仕様になっていて、公開されないコメントが、かなり気持ち悪く、そして不気味です。

怪奇現象以外にも彼女を蝕んでいたものがあったとするなら、それは一体何だったのか。想像膨らむ一編となっています。




という事で、収録されているのは4編と少ないですが、ホラー短編集として読む事ができるので、その類の作品が好きなら、一度チャレンジしてみてくださいまし。わたしは、なかなか楽しむ事ができました。




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