マーマーマーマー♪
今回ご紹介する映画:『不思議惑星キン・ザ・ザ』
原題:『KIN-DZA-DZA』
製作:1986年ソビエト連邦
日本公開日:1991年1月12日
上映時間:2時間15分
オススメ度:★★★★☆(四つ星!)
予告編動画
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カルト映画として、知る人ぞ知る映画『不思議惑星キン・ザ・ザ』。実は大阪の九条にあるシネ・ヌーヴォという単館系映画館でソ連映画特集があったんですね。で、そこで本作も上映されておりました。残念ながらスケジュールが合わなくて鑑賞できなくて、残念な気持ちを抱いていた訳ですが、そういえば、大阪の日本橋にある道楽というショップにDVDが一時積まれていた事を思い出しました。カルト映画コーナーにピラミッド型に積んでましたんよ。で、もしかしてDVDのレンタルがあるんじゃないか?って思い至りまして、TSUTAYA discusで調べると、なんと!ありましたよ!!という事で、早速、借りてきましたぜ。
本作は、1986年製作のソビエト連邦のディストピアコメディー映画です。ロシア人の間ではカルト的な人気を誇ったユニークな映画で、ソ連において、驚異的な観客を動員を記録したらしいです。また、監督自身によるアニメ版が製作、2013年に公開されたそうで、こちらは舞台や登場人物など、一部設定に変更があるという事で、見てみたいのですが、日本では未公開で、今のところ、鑑賞する術がないみたい。無念。
という事で、今回は、奇天烈な事で有名な『不思議惑星キン・ザ・ザ』の感想を書いていくんだぜ?
ちなみに、本作に登場するバイオリン弾きのゲデバン役の俳優さんは、現在、映画監督になっていて、なんと『アンフレンデッド』を製作したそうです。いやぁ、ビックリだね、色々と。


脚本:レヴァン・ガブリアゼ
音楽:ギヤ・カンチェリ
撮影:バーヴェル・レヴェシェフ
美術:アレクサンドル・サムレキン・テオドル・テジク
出演者:スタニスラフ・リュブシン、エフゲニー・レオーノフ、ユーリー・ヤコヴレフ、レヴァン・ガブリアゼ

確かに雑な設定、不思議な世界観、なんともいえない気の抜けたような音楽、意外と雰囲気のある飛行物体のデザインなどなど、普通のエンタメ映画とは一線を画す、味わい深い空気を味わう事ができました。
かなりの映画好きにはオススメできますが、そうでなければ、鑑賞をオススメはしませんです。
わたしのイメージでは、最初から謎の惑星に辿りついて、ストーリーが存在しないという感じだったのですが、そうではありませんでした。ちゃんと物語がある上で、シュールな音楽と世界観、小道具を揃えている、イメージと異なる良作でございました。いやぁ、カルト映画とは思えない、普通に楽しめる映画でしたね。
1986年ですから、がっつりCGではないので、飛行物体や乗り物の存在感がしっかりしており、妙なリアリティーを含んだ映像となっています。
そして、最初は馴染んでいなかった主人公二人が、じょじょに、キン・ザ・ザ星雲のプリュク色に染まっていくという過程は興味深い。本作は当時の社会風刺が込められているように見受けられるのですが、それが嫌味にならず、ちゃんと映画として成立させながらも、メッセージ性を失わずに完成させている点が、本当に凄い。というか、凄まじいですな。
だから、何だ?と言われると困りますが、本作に登場する人物たちは、とにかく自己中心的。主人公であるマシコフは物語が進むにつれて、人として成長していきますが、他は成長せず。結構、イライラしますよ。でも、それさえも実は伏線だったりするんで、なかなか秀逸な作品です。
「差別がなくなったら、目標がなくなるじゃないか」というセリフが、印象深いですね。
物語進行を見てみると、確かにカルト映画と言えるものですね。ストーリーが進んでは二歩下がる的なもの。見る人を選びますな。
意味不明ではないけれど、よくわからないカオスさを堪能できる作品ですな。
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↓ここからネタバレあり。注意!↓
エンディングはもしかして救われないようなものになるんじゃないかと不安に思っていたのですが、夢オチみたいなラストで、逆に安心しました。最後に記憶がなくなっているはずの二人が、あのポーズをして「ヴァイオリン弾き」「おじさん」とつぶやくシーンは、よくわかりませんが、謎感動が生まれます。
内容はシンプルであるにも関わらず、全体的に曖昧に描いているため、解説を欲する人が多く存在する怪作。けれど、素直な気持ちで鑑賞してみて、見終わった後に心に生まれたものを大切にしたい、そんな不思議な作品です。
YAHOO!JAPAN映画『不思議惑星キン・ザ・ザ』
今回ご紹介する映画:『不思議惑星キン・ザ・ザ』
原題:『KIN-DZA-DZA』
製作:1986年ソビエト連邦
日本公開日:1991年1月12日
上映時間:2時間15分
オススメ度:★★★★☆(四つ星!)
予告編動画
『不思議惑星キン・ザ・ザ』のあらすじ
妻に頼まれ買い物に出かけたマシコフは、途中「宇宙人がいます」とヴァイオリン弾きの学生であるゲデバンに声をかけられる。ゲデバンについていくと、裸足でホームレスのような姿をした男性がいる。話かけても、内容がチンプンカンプン。ただ、空間転移装置を使うとワープできるという。その場で空間転移装置を押すマシコフ。すると、マシコフとゲデバンは砂漠の真ん中に移動してしまう。どうやら、地球ではない場所に移動してしまったらしい。途方に暮れる二人の前に、見た事のない飛行物体が現れる。スポンサーリンク
カルト映画として、知る人ぞ知る映画『不思議惑星キン・ザ・ザ』。実は大阪の九条にあるシネ・ヌーヴォという単館系映画館でソ連映画特集があったんですね。で、そこで本作も上映されておりました。残念ながらスケジュールが合わなくて鑑賞できなくて、残念な気持ちを抱いていた訳ですが、そういえば、大阪の日本橋にある道楽というショップにDVDが一時積まれていた事を思い出しました。カルト映画コーナーにピラミッド型に積んでましたんよ。で、もしかしてDVDのレンタルがあるんじゃないか?って思い至りまして、TSUTAYA discusで調べると、なんと!ありましたよ!!という事で、早速、借りてきましたぜ。
本作は、1986年製作のソビエト連邦のディストピアコメディー映画です。ロシア人の間ではカルト的な人気を誇ったユニークな映画で、ソ連において、驚異的な観客を動員を記録したらしいです。また、監督自身によるアニメ版が製作、2013年に公開されたそうで、こちらは舞台や登場人物など、一部設定に変更があるという事で、見てみたいのですが、日本では未公開で、今のところ、鑑賞する術がないみたい。無念。
という事で、今回は、奇天烈な事で有名な『不思議惑星キン・ザ・ザ』の感想を書いていくんだぜ?
ちなみに、本作に登場するバイオリン弾きのゲデバン役の俳優さんは、現在、映画監督になっていて、なんと『アンフレンデッド』を製作したそうです。いやぁ、ビックリだね、色々と。
今回利用したDVDレンタルサービス
TSUTAYA DISCAS ツタヤ・ディスカス
『不思議惑星キン・ザ・ザ』のスタッフとキャスト
監督・脚本:ゲオルギー・ダネリヤ脚本:レヴァン・ガブリアゼ
音楽:ギヤ・カンチェリ
撮影:バーヴェル・レヴェシェフ
美術:アレクサンドル・サムレキン・テオドル・テジク
出演者:スタニスラフ・リュブシン、エフゲニー・レオーノフ、ユーリー・ヤコヴレフ、レヴァン・ガブリアゼ

『不思議惑星キン・ザ・ザ』の感想
カルト映画と聞いていたので、かなり身構えて鑑賞したんですが、正直言って、ふとぅー。ふとぅーに面白かったです。確かに雑な設定、不思議な世界観、なんともいえない気の抜けたような音楽、意外と雰囲気のある飛行物体のデザインなどなど、普通のエンタメ映画とは一線を画す、味わい深い空気を味わう事ができました。
かなりの映画好きにはオススメできますが、そうでなければ、鑑賞をオススメはしませんです。
『不思議惑星キン・ザ・ザ』の良いところ
ひたすら不思議な映像
不思議な作品というのは、出だしから不可思議である事も多い訳ですが、本作が凄いのは、最初は普通に始まるというところですね。わたしのイメージでは、最初から謎の惑星に辿りついて、ストーリーが存在しないという感じだったのですが、そうではありませんでした。ちゃんと物語がある上で、シュールな音楽と世界観、小道具を揃えている、イメージと異なる良作でございました。いやぁ、カルト映画とは思えない、普通に楽しめる映画でしたね。
1986年ですから、がっつりCGではないので、飛行物体や乗り物の存在感がしっかりしており、妙なリアリティーを含んだ映像となっています。
そして、最初は馴染んでいなかった主人公二人が、じょじょに、キン・ザ・ザ星雲のプリュク色に染まっていくという過程は興味深い。本作は当時の社会風刺が込められているように見受けられるのですが、それが嫌味にならず、ちゃんと映画として成立させながらも、メッセージ性を失わずに完成させている点が、本当に凄い。というか、凄まじいですな。
曖昧すぎる世界観
一応の解説は劇中にあるんですが、それにしても、プリュクの世界観が独特すぎるんですよねぇ。最初は言葉がわからないのに、テレパシーで地球人二人の心を読む事ができるため、途中からロシア語全開で会話し始めるキャラクターたち。しまいには、劇中に登場するすべての人物たちがロシア語で話しはじめます。マッチがすごい重宝がられているというより、完全に違法な物資という謎に、物質を真っ二つにしてしまう恐怖のスティック。もうツッコミどころが満載すぎて、突っ込んだら負けの状態。有無を言わさず、観客を映画の世界に引きずり込んでしまう潔さ。おっさんは、嫌いじゃないぜ?『不思議惑星キン・ザ・ザ』の悪いところ
差別がテーマ?
色んなメッセージが込められていると思うのですが、一番わかりやすいのは、人種差別ですね。本作では、チャトル人とパッツ人という二つの人種に分かれていて、チャトル人が惑星を支配しております。そして、パッツ人はチャトル人に支配されていて、チャトル人に対し、とある挨拶をしないといけないんですね。もし、その挨拶をしないと、過酷な罰がくだされる。さらに、チャトル人の中にも、エツィロップと呼ばれる公務員?のような存在がいて、彼らは住人から好き勝手に金を巻き上げ、恫喝し、人々を支配しています。この構図は、当時のソ連を元に作られたものではないかな? けど、悲しいかな、今を生きるわたしも、心のざわつきが抑えきれません。なんか学生時代を思い出しますね。みんな同じはずだけど、一部の特急階級組が威張るという構図。今も昔も変わりません。だから、何だ?と言われると困りますが、本作に登場する人物たちは、とにかく自己中心的。主人公であるマシコフは物語が進むにつれて、人として成長していきますが、他は成長せず。結構、イライラしますよ。でも、それさえも実は伏線だったりするんで、なかなか秀逸な作品です。
「差別がなくなったら、目標がなくなるじゃないか」というセリフが、印象深いですね。
盛り上がりがない
物語の展開そのものは、実は同じ。ひたすら同じ事の繰り返しなんですね。ストーリーとしての盛り上がりは、ほぼなく、物語が進んでいるとは思えないため、人によっては退屈に感じる方もいらっしゃると思います。わたしは、映画の世界観が好きになってしまったので、キャラクターのやり取りや大道具、小道具などで楽しむ事ができ、退屈であるとは感じませんでしたけどね。物語進行を見てみると、確かにカルト映画と言えるものですね。ストーリーが進んでは二歩下がる的なもの。見る人を選びますな。
『不思議惑星キン・ザ・ザ』のまとめ
まさか、普通にラストまで鑑賞できる映画だとは思いませんでした。これは良い映画だ!意味不明ではないけれど、よくわからないカオスさを堪能できる作品ですな。
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『不思議惑星キン・ザ・ザ』ネタバレあり感想
もう終わりかなぁと思っていたら、最後に短く二転三転する展開にビックリしました。エンディングはもしかして救われないようなものになるんじゃないかと不安に思っていたのですが、夢オチみたいなラストで、逆に安心しました。最後に記憶がなくなっているはずの二人が、あのポーズをして「ヴァイオリン弾き」「おじさん」とつぶやくシーンは、よくわかりませんが、謎感動が生まれます。
内容はシンプルであるにも関わらず、全体的に曖昧に描いているため、解説を欲する人が多く存在する怪作。けれど、素直な気持ちで鑑賞してみて、見終わった後に心に生まれたものを大切にしたい、そんな不思議な作品です。
『不思議惑星キン・ザ・ザ』のレビューや評価
淡々と進むのと内容を読み取るのがムツカシ
特撮技術云々を超越しているので、30年たった今でも全く色褪せることのない変な魅力があります。ブリュク星人の二人もとても味があって良かった。
なんとも不思議な映画で、いまだにこの映画の面白さがよくわかっていない。
だけど面白いのは本当なのだ。
YAHOO!JAPAN映画『不思議惑星キン・ザ・ザ』