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映画好きな四十郎のおっさん999でございます。

今回の記事は、2017年7月15日に公開した記事を再編集したものとなっております。




カルト映画として、知る人ぞ知る映画『不思議惑星キン・ザ・ザ』。

昔、大阪の九条にある「シネ・ヌーヴォ」という単館系映画館で、ソ連映画特集があったんですね。

で、そこで本作も上映されておりました。

残念ながら、その時は、スケジュールが合わなくて鑑賞できなくて、残念な気持ちを抱いていたところ……。

そういえば、大阪の日本橋にある「道楽」というショップにDVDが一時積まれていた事を思い出しました。(「道楽」は2019年で閉店。現在は、中古レコード・CD専門店「DOURAKU RECORDS(道楽レコード)」としてお店を大阪日本橋の別のところでオープンしているようです)




当時は、「道楽」で、カルト映画コーナーにピラミッド型に、本作のDVDが積まれていたんですよね。

その光景を思い出して、もしかしてDVDのレンタルがあるんじゃないか?って思い至りました。

試しに、TSUTAYA discusで調べると……。

なんと!ありましたよ!!という事で、早速、借りてきました。




本作は、1986年製作のソビエト連邦のディストピアコメディー映画です。

ロシア人の間ではカルト的な人気を誇ったユニークな映画で、ソ連において、驚異的な観客を動員を記録したらしいです。



また、監督自身によるアニメ版が製作、2013年に公開されたそうで、こちらは舞台や登場人物など、一部設定に変更があるという事で、見てみたいのですが、日本では未公開で、今のところ、鑑賞する術がないみたい。無念……。

と、本記事作成当時は思っていたのですが、時は流れ、2021年に邦題『クー! キン・ザ・ザ』として、日本にて公開されました。

現在はDVDやブルーレイで販売されておりますので、興味のある方はチェックしてみてください。



という事で、今回は、奇天烈な事で有名な『不思議惑星キン・ザ・ザ』のネタバレなし&ネタバレあり感想を書いていきたいと思います。



ちなみに、本作に登場するバイオリン弾きのゲデバン役の俳優さんは、現在、映画監督になっていて、なんと『アンフレンデッド』を製作したそうです。

いやぁ、ビックリですね、色々と。




『不思議惑星キン・ザ・ザ』について

原題:『KIN-DZA-DZA』

製作:1986年ソビエト連邦

日本公開日:1991年1月12日/2016年8月20日(デジタル・リマスター版)/2021年5月14日(アニメ版同時上映)

上映時間:2時間15分(135分)

オススメ度:★★★★☆(四つ星!)




予告編動画





簡単なあらすじ

マーマーマーマー♪



妻に頼まれ買い物に出かけたマシコフは、途中「宇宙人がいます」とヴァイオリン弾きの学生であるゲデバンに声をかけられる。

ゲデバンについていくと、裸足でホームレスのような姿をした男性がいる。

話かけても、内容がチンプンカンプン。

ただ、空間転移装置を使うとワープできるという。

その場で空間転移装置を押すマシコフ。

すると、マシコフとゲデバンは砂漠の真ん中に移動してしまう。

どうやら、地球ではない場所に移動してしまったらしい。

途方に暮れる二人の前に、見た事のない飛行物体が現れる。




本作を視聴できる動画配信サービス

U-NEXT『不思議惑星キン・ザ・ザ』

会員の方は、見放題にて鑑賞することができます。

配信期限がありますので、視聴の際は注意してください。

本ページの情報は2024年2月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。




hulu

会員の方は、本作を見放題にて鑑賞することができます。

配信期限がありますので、視聴の際は注意してください。

紹介している作品は、2024年2月時点の情報です。

現在は配信終了している場合や、動画レンタル・動画購入対象作品に変更している場合もありますので、詳細はHuluの公式ホームページにてご確認ください。




Amazonプライムビデオ『不思議惑星キン・ザ・ザ』

プライム会員の方は、見放題にて鑑賞することができます。

会員でない方は、動画レンタルor動画購入にて、鑑賞することができます。

配信期限がありますので、視聴の際は注意してください。

2024年2月時点の情報です。最新情報につきましては、Amazonにてご確認ください。




music.jp

会員の方は、動画レンタルにて鑑賞することができます。

配信期限がありますので、視聴の際は注意してください。

2024年2月時点の情報です。最新情報につきましては、music.jpにてご確認ください。




スタッフ・キャスト

監督・脚本:ゲオルギー・ダネリヤ

脚本:レヴァン・ガブリアゼ

音楽:ギヤ・カンチェリ

撮影:バーヴェル・レヴェシェフ

美術:アレクサンドル・サムレキン・テオドル・テジク

出演者:スタニスラフ・リュブシン、エフゲニー・レオーノフ、ユーリー・ヤコヴレフ、レヴァン・ガブリアゼ







おっさんのネタバレなし感想

全体的な感想

カルト映画と聞いていたので、かなり身構えて鑑賞したんですが、正直言って、普通に面白かったです。

確かに雑な設定、不思議な世界観、なんともいえない気の抜けたような音楽、意外と雰囲気のある飛行物体のデザインなどなど、普通のエンタメ映画とは一線を画す、味わい深い空気を味わう事ができました。

かなりの映画好きにはオススメできますが、そうでなければ、鑑賞をオススメはしませんです。




ひたすら不思議な映像

不思議な作品というのは、出だしから不可思議である事も多い訳ですが、本作が凄いのは、最初は普通に始まるというところですね。

わたしのイメージでは、最初から謎の惑星に辿りついて、ストーリーが存在しないという感じだったのですが、そうではありませんでした。

ちゃんと物語がある上で、シュールな音楽と世界観、小道具を揃えている、イメージと異なる良作でございました。

いやぁ、カルト映画とは思えない、普通に楽しめる映画でしたね。



1986年ですから、がっつりCGではないので、飛行物体や乗り物の存在感がしっかりしており、妙なリアリティーを含んだ映像となっています。

そして、最初は馴染んでいなかった主人公二人が、じょじょに、キン・ザ・ザ星雲のプリュク色に染まっていくという過程は興味深い。

本作は、当時の社会風刺が込められているように見受けられるのですが、それが嫌味にならず、ちゃんと映画として成立させながらも、メッセージ性を失わずに完成させている点が、本当に凄い。

というか、凄まじいですな。




曖昧すぎる世界観

一応の解説は劇中にあるんですが、それにしても、プリュクの世界観が独特すぎるんですよねぇ。

最初は言葉がわからないのに、テレパシーで地球人二人の心を読む事ができるため、途中からロシア語全開で会話し始めるキャラクターたち。

しまいには、劇中に登場するすべての人物たちがロシア語で話しはじめます。

マッチがすごい重宝がられているというより、完全に違法な物資という謎に、物質を真っ二つにしてしまう恐怖のスティック。

もうツッコミどころが満載すぎて、突っ込んだら負けの状態。

有無を言わさず、観客を映画の世界に引きずり込んでしまう潔さは、とても良かったです。




差別がテーマ?

色んなメッセージが込められていると思うのですが、一番わかりやすいのは、人種差別ですね。

本作では、チャトル人とパッツ人という二つの人種に分かれていて、チャトル人が惑星を支配しております。

そして、パッツ人はチャトル人に支配されていて、チャトル人に対し、とある挨拶をしないといけないんですね。

もし、その挨拶をしないと、過酷な罰がくだされる。

さらに、チャトル人の中にも、エツィロップと呼ばれる公務員?のような存在がいて、彼らは住人から好き勝手に金を巻き上げ、恫喝し、人々を支配しています。




この構図は、当時のソ連を元に作られたものではないかな?

けど、悲しいかな、今を生きるわたしも、心のざわつきが抑えきれません。

なんか学生時代を思い出しますね。

みんな同じはずだけど、一部の特権階級組が威張るという構図。

今も昔も変わりません。




だから、何だ?と言われると困りますが、本作に登場する人物たちは、とにかく自己中心的。

主人公であるマシコフは物語が進むにつれて、人として成長していきますが、他は成長せず、結構、イライラしてしまう。

でも、それさえも実は伏線だったりするんで、なかなか秀逸な作品です。

「差別がなくなったら、目標がなくなるじゃないか」というセリフが、印象深いですね。




盛り上がりがない

物語の展開そのものは、実は同じ。

ひたすら同じ事の繰り返しなんですね。

ストーリーとしての盛り上がりは、ほぼなく、物語が進んでいるとは思えないため、人によっては退屈に感じる方もいらっしゃると思います。

わたしは、映画の世界観が好きになってしまったので、キャラクターのやり取りや大道具、小道具などで楽しむ事ができ、退屈であるとは感じませんでしたけどね。

物語進行を見てみると、確かにカルト映画と言えるものですね。

ストーリーは、進んでは二歩下がる的なもの。

やっぱり見る人を選ぶ映画ではあります。




口コミレビューや評価

下記サイトで『不思議惑星キン・ザ・ザ』レビューや評価をチェック!

Filmarks

映画.com



今回のネタバレなし感想のまとめ

まさか、普通にラストまで鑑賞できる映画だとは思いませんでした。

これは良い映画!

意味不明ではないけれど、よくわからないカオスさを堪能できる作品です。




という事で、ここまでは『不思議惑星キン・ザ・ザ』のネタバレなし感想でした。

ここまでお読み頂きまして、ありがとうございました!




この下にネタバレあり感想を書いております。

本作を鑑賞していらっしゃる方で興味のある方はお読みくださいませ。

まだ本作を観ていないという方は、まずは本作をご覧になってから、ネタバレあり感想をお読み頂けると幸いです。




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ネタバレあり感想

もう終わりかなぁと思っていたら、最後に短く二転三転する展開にビックリしました。

エンディングはもしかして救われないようなものになるんじゃないかと不安に思っていたのですが、夢オチみたいなラストで、逆に安心しました。

最後に記憶がなくなっているはずの二人が、あのポーズをして「ヴァイオリン弾き」「おじさん」とつぶやくシーンは、よくわかりませんが、謎感動が生まれます。




内容はシンプルであるにも関わらず、全体的に曖昧に描いているため、解説を欲する人が多く存在する怪作。

けれど、素直な気持ちで鑑賞してみて、見終わった後に心に生まれたものを大切にしたい、そんな不思議な作品です。




という事で、『不思議惑星キン・ザ・ザ』のネタバレあり感想でした。

そんな訳で、今日はこの辺で。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

映画好きな四十郎のおっさんでした。

それでは、しーゆー!




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