見破れるか。


今回ご紹介する映画:『インサイド・マン』
原題:『INSIDE MAN』
製作:2006年アメリカ
上映時間:2時間8分
オススメ度:★★★★★(五つ星!)



予告編動画





『インサイド・マン』のあらすじ

マンハッタンの銀行で強盗事件が発生し、犯人グループのリーダー、ダルトン(クライブ・オーウェン)は人質を取って銀行に立てこもってしまう。現場に急行した捜査官フレイジャー(デンゼル・ワシントン)は事件発生から7時間経っても行動を起こさない犯人たちに対し、時間稼ぎをしているのではないかとの疑問を抱き始める。(シネマトゥデイ



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映画館で公開していた当時、気になっていたのだけれど、結局、鑑賞していなかった『インサイド・マン』。デンゼル・ワシントンとジョディ・フォスターが共演した話題のサスペンス作品。『インサイド・マン2』の話もあったようですが、現在まで製作されていないですね。あらすじを読んだ段階で続編ができるような作品ではないだろうと考えていたのですが、鑑賞した後だと、余計、続編なんてできる訳ないなぁって印象を受けました。それくらい、本作、完成度が高いです。

というわけで、今回は『インサイド・マン』の感想を書いていくんだぜ?




今回利用した動画配信サービス





『インサイド・マン』のスタッフとキャスト

監督:スパイク・リー
脚本:ラッセル・ゲーウィツ
製作:ブライアン・グレイザー
製作総指揮:ジョン・キリク
撮影監督:マシュー・リバティック
編集:バリー・アレグザンダー・ブラウン
音楽:テレンス・ブランチャード

出演者
デンゼル・ワシントン
ジョディ・フォスター
クライブ・オーウェン
クリストファー・プラマー
ウィレム・デフォー
キウェテル・イジョフォー




insideman



『インサイド・マン』の感想

クライブ・オーウェン演じる謎の男が意味深な言葉を観客に投げかけるところから、本作はスタートするのですが、このクライブ・オーウェンが非常に格好良くて、最初からノックアウト。以降、スパイク・リー監督の絶妙な演出、俳優陣の演技、完成度の高いシナリオに、完全にハマってしまいました。とにかく全てが素晴らしい!!

軽快なクライム・サスペンスですが、伏線が散りばめられているような作風ではなく(伏線はあるんですが、そこを追求するとドツボにハマってしまうのです)、どのような着地点を見せてくれるのか、その経過を含めて、登場人物たちの駆け引きを楽しむ作品でございます。ですので、どちらかというと、客観的に鑑賞した方が良い映画ですね。わたしは主観的に映画を楽しむタイプですが、すぐに客観的な鑑賞方法にシフトしたおかげで、本作を楽しむ事ができました。

ジャンルにこだわらない映画好きであれば、割りと楽しめる作品ではないかと思います。オススメですぜ!




『インサイド・マン』の良いところ

登場するキャラクター全員にクセがあって、見ごたえがとてもありました。みんな、何かを企んでいる風なので、誰が何を仕掛けるのか、予想不可能の展開に、ワクワクしっぱなしでございました。「インサイドマン」というのは内通者の事ですが、誰が内通者なのか。そもそも内通者なんているのか?デンゼル・ワシントン演じる刑事を煙に巻く犯人は、どこまで計算しているのか。予想のほんの少しだけ上をいく、絶妙なバランスのシナリオがすごく良かったですね。

犯人は警察に付け入る隙を与えずに、着々と自分の計画を遂行していく訳ですが、この犯人は本当に人質を無傷で解放するのかどうか、現実、銀行に立てこもってる時点で悪い連中な訳で、犯人の心情がわからない部分が、本作では良い感じのミスリードにつながっていて素晴らしい。クライブ・オーウェンの何を考えているのか、乏しい表情のお芝居が冴え渡る作品。犯人役にクライブ・オーウェンを起用した時点で、この映画の大部分は大成功した訳で、このキャスティングを導いた方の功績は多大です。

どんでん返し系の映画が好きな方にはオススメの作品。どんでん返しはありませんが、それに近い爽快感を味わう事ができます。




『インサイド・マン』の悪いところ

一回だけだと、よくわからない部分がある点。この部分は好き嫌いが分かれるのではないでしょうか。確かに、ラストに簡単な解説があれば言う事なしだったのですが、実際、それをしてしまうと蛇足感があるかもしれないため、細かな部分を観客のイマジネーションに委ねるという手法に切り替えたのかもしれません。わたしは、この大胆な判断に拍手を送りたいのですが、説明が欲しい人や整合性を重んじる人にとっては、リアリティーの欠けたドラマと見るかもしれません。

あと、個人的に思ったのは、ジョディー・フォスターの役所。いったい、どういう役割を担って現れたのかが、ちょっと不明瞭です。銀行家の大富豪の黒い歴史を警察だけでなく彼女にも託す事により、銀行家にとっての脅威を作り出す事に成功しているので、それが狙いだったのかしら?劇中では一応彼女の役割が明かされているのですが、イマイチ納得できないというか、しっくりこなかったんですよねぇ。




『インサイド・マン』のまとめ

よくわからない映画といえば、よくわからない作品。けれど、なんともいえない爽快感があって、個人的には大好きです。

整合性とか、そんなものノーサンキューって人にはオススメの映画でございますよ。






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『インサイド・マン』ネタバレあり感想

本作のラストが、本当に秀逸。逮捕されてしまうのか?ってハラハラドキドキしながら見ていたのですが、刑事の目的は別にありました。それを知っている犯人は、顔を隠し、わざと刑事と肩をぶつかる。何も言わずに立ち去るけれど、観客は「何かを渡したのでは?」と思う。そして、映画のラスト。ポケットからダイヤが登場して、刑事は全てを悟るという。この流れが本当に格好良いです。

音楽含め、全てがクールな作品。色んなテーマが内包されていながらも、ちゃんとエンタメしているという、完成度の高い洋画でございました。




『インサイド・マン』のレビューや評価

誰の視点で見て良いんだかわからなく見づらい。
開始からしばらくして、あーやっぱりなと感じた。
想像通りあっちこっち視点が動きまくって話に集中できず。
BGMがやたら流れてるのも緊張感を失わせてる。

最初の段階から、「こいつらただの銀行強盗じゃない、悪者じゃないな」っていうのが分かってしまうところがこの映画の難点。

強盗団・捜査官・交渉人による頭脳合戦が展開されるのだが、一つの疑問が解決されると、またもう一つの疑問が浮かび上がり、難解なパズルを解いているような感覚に陥ってしまう。


YAHOO!JAPAN映画『インサイド・マン