映画好きな四十郎のおっさん999でございます。

今回の記事は、2016年5月29日に公開した記事を再編集したものとなっております。




『グリーン・インフェルノ』は、1980年に製作された、ルッジェロ・デオダート監督によるモキュメンタリー映画『食人族』のオマージュ的作品。

手掛けるのは『ホステル』『アフターショック』のイーライ・ロス。

人間を食べる風習が残る、アマゾンの奥地で、活動家の若者たちに襲いかかる人喰い族たちの恐怖を描きます。

イーライ・ロス監督らしさが残りながらも、『食人族』に代表されるジャンル映画への敬意が随所に払われている、食人をモチーフにしながらも、比較的、見やすい映画に仕上がっています。




今回は、そんなイーライ・ロス監督の食人系ホラー映画『グリーン・インフェルノ』のネタバレあり感想を書いていきたいと思います。

まだ本作を鑑賞していない方は、今回の感想はスルーして頂けると嬉しいです。







ネタバレなし感想





『グリーン・インフェルノ』ちょっと詳しいあらすじ

大学に通うジャスティンは大学の抗議を通して「女性が過酷な状態に置かれる野蛮な部族」の存在を知り、国連で弁護士を生業にしている父親に「なんとかならないか」と訴えかけている。

それを知った慈善活動をしている学生グループのメンバーから、集会の誘いを受けるジャスティン。

気乗りはしなかったが、そのグループのリーダーがカリスマ性を持つ好みの男性アレハンドロと知り、その集会に参加することにする。




ある企業団体が資源を狙って、ペルーにある未開のジャングルを破壊しており、その場所に昔から住んでいる先住民のヤハ族が危機に瀕していると、アレハンドロはメンバーに訴える。

アレハンドロは、ある計画を練っていた。

それは、現地に乗り込み携帯カメラで一部始終を撮影し、それをインターネットで中継して注目を集めるというものだった。

世論を味方につければ、巨大企業にも勝てるとアレハンドロは語るのだった。




ジャスティンは彼の熱意に心を打たれ、メンバーとともに現地へ赴く事を決意する。

ルームメイトで親友のケイシーから止められるものの、気持ちは変わらないジャスティン。

そして、ジャスティンと仲間たちはセスナ機で現地へと足を運ぶのであった。




現地に到着し、活動を始めるメンバーたち。

銃を装備している警備員たちも現れ、緊張感が高まる。

そんな中、アレハンドロは、なんとジャスティンが国連職員の娘である事を明らかにし、彼女の身に何かがあるとただではすまないこと、またそれを盾に企業を糾弾する。

やがて警備員たちは銃を構えることをやめ、学生たちは強制送還される。

中継された動画はネットでも話題になり、盛り上がる一行。

しかし、ジャスティンだけはアレハンドロの行動が許せなかった。

彼は最初からジャスティンを利用する前提で今回の活動を計画していたのだ。

ジャスティンの中では、アレハンドロという人物への疑念がふつふつと湧き上がってくる。




彼らが喜んでいるのもつかの間、突然、セスナ機がトラブルを起こし、アマゾンの密林の中へ不時着する。

セスナ機から投げ出され命を落としたり、着陸の衝撃で命を落とした者がいる中、奇跡的に助かった数人のメンバー。

ふいに人の姿を捉えたメンバーの一人が声をかける。



「やめろ!」



アレハンドロが叫ぶと同時に、毒矢で襲撃されるジャスティンたち。

彼らこそ、自分たちが命がけで守った先住民のヤハ族だった。

ヤハ族の毒矢に気絶させられ捕らえられてしまうジャスティンたち。

気がついたメンバーたちは、木で作られた牢屋に入れられ、仲間の一人が生きたまま解体される。

解体された仲間は、調理され、ヤハ族たちが美味しそうに頬張る。

信じられない光景を目の当たりにしたジャスティンたちは、果たして、この「グリーン・インフェルノ」から生きて帰ることができるのか?




ネタバレあり感想

ただ食べられるだけではないホラー映画

ネタバレなし感想でも書いたのですが、この『グリーン・インフェルノ』には、さまざまなホラー映画の恐怖が描写されています。

メインの生きたまま解体されるのはもちろん、他には、自殺したメンバーの体内にマリファナを仕込み、そのメンバーをヤハ族に食べさせた際、マリファナの影響で、極度の空腹感に襲われたヤハ族がメンバーの一人を生きたまま貪るシーンは、まんまゾンビ映画でした。

このシーン以前に、ちゃんと食材を調理している文明的な部分を垣間見ているだけに、余計、人間をそのまま生で食べようと襲い掛かってくるこのシーンは、ゾッとしますね。




また、メンバーのひとりが拷問にかけられるシーンがあるんですが、これもすごい。

体に何かを塗りたくっていて、てっきり生きたまま焼くのかな?なんて思っていたのですが、なんのその。なんと生きたまま蟻に襲わせるという拷問でした。

生きたまま、蟻が体内に侵入する恐怖と、体を貪っていく痛みと恐怖。

こんなところで、イーライ・ロス節が飛び出してくるとは、思ってもみませんでした。




単純なスプラッターだけでなく、手を替え品を替え、さまざまな恐怖を描いていくのは、さすがイーライ・ロス監督といったところですね。



ラストがイマイチで残念

ストーリーは意外と面白いのに、残念なのがラストです。

登場人物の中で、一番ゲスなキャラクターであるアレハンドロ。

彼は最初からヤハ族が人喰い族であることも知っているし、どうも最初からジャスティンをメンバーに入れるつもりだった様子。

劇中では否定しているのですが、すこぶる怪しい。




また、彼の活動は金のためであり、慈善活動にはこれっぽっちも興味がない人間です。

そんな彼の計画で多くの命がなくなったにも関わらず、自分が生き残ることだけを考えている、どうしようもない人物なんです。

ここまで嫌な奴に仕上げているんだから、どんな最期を遂げるのだろうと思っていたのですが、なんと彼は生き残ります。

食べられることなく、生き延びるんですね。

なんじゃそりゃ?




どうも続編『Beyond The Green Inferno』の企画があるようで、今回のようなラストになったようです。

だけど、そもそも続編を製作するような性質の映画でもないし、アレハンドロに対し、かなりのフラストレーションが溜まっている観客にしてみれば、アレハンドロを無傷で生かした事が理解に苦しみます。

そこは、食べられて、THE ENDでしょう?




このラストが、個人的にはイマイチで、なんとも不満が残り、スカッとしない映画になってしまいました。

まぁ、食人映画は後味が悪いものだと開き直ったら、良いのかもしれませんけどね。

もうちょいアレハンドロに対して、なにかがあれば、まだ納得できたのですが、ほぼ無傷で、さらにヤハ族を支配しているかのようなエンディングは、私は許容できませんでした。




口コミレビューや評価

下記サイトで『グリーン・インフェルノ』レビューや評価をチェック!

Filmarks

映画.com

Movie Walker




今回のネタバレあり感想のまとめ

食べられる恐怖だけでなく、文化の違いから何をされるのか、全く検討もつかない恐怖というのもあり、単純なスプラッター映画ではない『グリーン・インフェルノ』。

確かにグロい映画ではありますが、ホラー映画好きからすると、許容範囲内の描写でした。

そのため、見やすい食人映画とも言えます。




グロ描写に耐性があって、ホラー映画が好きなら、オススメの一本。

ただし、ネットでの評価や評判が高いからといって、期待して鑑賞すると、失敗しちゃいますよ。




という事で、今回は『グリーン・インフェルノ』のネタバレあり感想でした。

そんな訳で、今日はこの辺で。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

映画好きな四十郎のおっさんでした。

それでは、しーゆー!




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