全ての恐怖には始まりがある。

今回ご紹介する映画:『13日の金曜日』 / 原題:『FRIDAY THE 13TH』 / 製作:1980年アメリカ / 上映時間:1時間35分
オススメ度:★★★★☆(四つ星!)



『エルム街の悪夢』と並び、1980年代のB級ホラー映画業界を引っ張ってきた人気シリーズ。その第一弾を、今回は改めて鑑賞しました。意外と知られていませんが、シリーズ第一作である本作には、ホッケーマスクでおなじみのジェイソンさんは登場しません。ジェイソンさんが登場するのは、第二作以降となります。

ちなみにジェイソンさんは、シリーズで一度もチェーンソーを使った事がないんですよ。本作の後に製作されたパロディー映画やゲームでチェーンソーを使うホッケーマスクマンが登場する事により、「ジェイソンさん=チェーンソー」という構図が広まりました。なぜ、こんな事になったのかというと、おそらく同じ頃に製作された『悪魔のいけにえ』とゴチャ混ぜになったからではないかという指摘があるそうです。

さて、本作は、実はホラーというよりは、ミステリー寄りの作品。ただ純粋なミステリーではないところが、本作独特の点であると同時に、魅力のひとつでもありますね。

2009年には、『トランスフォーマー』『ザ・ロック』などでお馴染みのマイケル・ベイが製作に参加したリメイク作品が作られました。そこそこヒットしたみたいですが、このリメイク作品には続編は製作されませんでした。

2015年には、新作として、改めてリブート企画が進行している事が明かされましたが、今のところ、新しい動きはありませんね。

本作のタイトルにもなっている「13日の金曜日」は、英語圏やフランス、ドイツなどで信じられている迷信で、意味は「不吉な日」だそうです。いわゆる都市伝説みたいなものでしょうかね。由来は「キリストが磔にされた日だから」とされていますが、これは間違っているらしく、結局のところ、由来は、よくわかってないんだとか。「13」という忌み数と関係があるらしいですよ。

と、いろいろ書いていたら、長くなってしまいました。そんな訳で、今回は『13日の金曜日』の感想を書いていくんだぜ?



予告編動画




『13日の金曜日』のあらすじ

ニュージャージー州ブレアーズタウンにほど近いキャンプ場、クリスタルレイク。この場所は、過去に忌まわしい事件が発生し長い間、閉鎖されていた。

時は流れ、1980年6月13日の金曜日。キャンプ場の所有者が営業を再開すべく、キャンプ場に必要な指導員候補の若者たちを、クリスタルレイクのキャンプ場に集めていた。過去の凄惨な事件の事を知らない若者たちは、日常では味わえないキャンプ場の空気を楽しみながら、準備を進める。

しかし、彼らは気づかなかった。その様子を見守る怪しげな人物が、すぐそばにいる事を……



『13日の金曜日』のスタッフとキャスト

監督:ショーン・S・カニンガム
出演者:ベッツィ・パルマー、エイドリアン・キング、ケビン・ベーコン、他




friday_the13th



『13日の金曜日』の感想

2作目以降のシリーズとは一線を画するタイプの作品。観ている人のイマジネーションによって、恐怖を構築・表現していくスタイルのホラー映画でした。というのも、命を奪うシーンは、それほど表現されていないんですよね。そのため、観客の想像力を用いて「一体、どんな事があったんだろう??」という種類の恐怖を煽っていく作品でございました。

個人的には、ジェイソンさんが登場して、バッタバッタと若者たちをなぎ倒していくものよりは、この1作目の方が、数倍面白かったです。



『13日の金曜日』の良いところ

雰囲気ホラーでもなく、かといって視覚的ホラーでもない、かなり独特な空気感を醸し出している良作です。この雰囲気は、すごく良いですな。

テンポも早いし、不気味で、ラストまで、一気に見せるパワーがありました。

殺人をおこなっているのは、人なのか、それとも違うのか。正体不明な感じが良いですね。劇中で、ちゃんと、それらのヒントはあるんですが、人の中に何かが入り込んでいる可能性もあるんで、そこを想像しながら映画を楽しめます。製作陣の解答はちゃんと提示されているんですが、個人的には、観客による様々な解釈ができるんじゃないかな?って感じました。この点は、わたしだけかもしれないですけどね。なんか曖昧なままっていう印象がありました。

 

『13日の金曜日』の悪いところ

まず、ジェイソンさんは登場しないので、ジェイソンさんを期待している人は、覚悟してください。

また、スプラッターシーン多くありませんし、そもそもスプラッターといえるほどのシーンではありません。このあたりを期待しちゃうと、がっかりしますぜ。はっきりと殺人しているシーンも多くありませんからね。ゴア描写は期待しないでください。

あと、色々と粗さが目立つ脚本ではあります。細かい設定や描写を気にする人には、オススメできません。



『13日の金曜日』のまとめ

映画としては非常に面白いのですが、割と癖のある映画ですね。個人的には、すごく好きなんですが、思い切り、映画の趣味を反映してしまうリトマス試験紙のような作品。

けど、ホラー映画好きであれば、チェックしてみても、損はありません。話のネタにもなりますしね。





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↓ここからネタバレあり。注意!↓





『13日の金曜日』ネタバレあり感想

まぁ、信じられないオチでビックリですけどね。本作を最初に観たのは、すごく小さい時で、ほぼ覚えていませんでした。伏線も何もない状態で、いきなり登場したオバ様が殺人鬼というオチが壮絶。今やると、確実に袋叩きにあいますな。

本当の最後、主人公がぼんやりした状態で「ジェイソンはあの湖にいる」とつぶやくところは、彼女が新しい殺人鬼になるのでは?という余韻を残す感じになっていて、良かった。犯人はもちろん悪いですけど、息子を亡くしたママンの気持ちもわかるような。。。なんともいえない切ないものですね。

けど、続編では、もっと斜め上をいく展開。まさか不死身のジェイソンくんが蘇るとは、誰が想像しただろうか?どういう経緯で、そんな展開になったんだろう??



『13日の金曜日』のレビューや評価

本作を見て抱いた印象は、謎解きのない“雪山の山荘”。(連続殺人が起こっていることに登場人物が気付かないのもミステリと違うところか)
その後のスタンダードとなった作品だけに、今観るとスプラッター映画の基本要素ばかりを集めて作ったようにしか見えないというのが面白い。ご飯と味噌汁と漬け物だけという感じでなんとなく食い足りないというのが正直な感想である。

当時は怖いだけですっかり忘れていたのだけど、スプラッタホラーって言うよりはスクリームのようなサスペンスホラーだったんだ。
連続殺人鬼もジェイソンじゃないし。
解説でも言っているように、カーペンターのハロウィンをかなり研究したんだろうなと思う。そしてトム・サビーニ、VFXがまったく発達していない時代に凄い!

ホラー物はゾンビぐらいしか観てなかったので、物語や殺害シーン等全てが新鮮に見えてむっちゃ怖かったです。
悪魔でも妖怪でも魔法でもなく、恐怖は身近な所にもあるんだという事を教えられた感じです。
最後犯人が”アレ”されて手をあわあわする所なんかむっちゃ不気味でトラウマもんです。
「今後の彼」の事を抜きにしても、1つの作品として傑作だと思います。


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