ダイアリー・オブ・ザ・デッド プレミアム・エディション [DVD]
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ダイアリー・オブ・ザ・デッド(原題:DIARY OF THE DEAD)

ダイアリー・オブ・ザ・デッド予告編動画


<あらすじ>
ジェイソン(ジョシュア・クローズ)は、ペンシルバニアの山中で夜中に仲間たちと卒業制作のホラー映画を撮影していた。
そこで各地で死者がよみがえっているというニュースをラジオで聞きつけた彼らは、急きょ寮へと駆けつける。
そして恋人デブラ(ミシェル・モーガン)を無事に発見したジェイソンは、仲間たちとトレーラーで一路家路を目指すが……。
by シネマトゥデイ


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ジョージ・A・ロメロ監督の「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」がNetflixで配信されていました。

以前、観た事があったんですが、このブログで感想を書くため、改めて鑑賞しました。

今回は「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」の感想を<ネタバレあり>で書きます。未見の方は、この感想を読まないようお願い致します。


<ネタバレなし感想> ダイアリー・オブ・ザ・デッド ゾンビがテーマではないホラー
http://ossan.ossan999.com/archives/diaryofthedead.html


「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」はゾンビを題材にした人間ドラマ

ジョージ・A・ロメロ監督はゾンビを生み出した監督です。しかし、ジョージ・A・ロメロ監督が生み出すゾンビ映画は、その後、映画「ゾンビ」に感化された映画フリークたちによって製作されたゾンビ映画とは一線を画しています。

なぜなら、ジョージ・A・ロメロ監督のゾンビ映画は、戦争や紛争などの世界事情を別方向から表現しているからです。

そのため、ゾンビ映画ではあるものの、ゾンビの描写がメインではなく、ゾンビが蔓延る世界に翻弄される人類を描いています。

本作「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」では、POV(ポイント・オブ・ビュー)方式を採用する事で、他作品よりも掘り下げて、状況に混乱する人間を描く事に成功しています。

ですので、昨今の「派手」なゾンビ映画、ゾンビの残虐性をメインに重点を置いた映画を期待すると楽しむどころか、退屈な映画な映画だと感じる事でしょうね。

その点を注意して、鑑賞するか否か、決断して頂きたいです。


「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」は比較的マイルドな作品

ゾンビ映画といえば、人がゾンビに食べられたり、資源を奪い合ったり、いくらでも残酷な場面を作りだす事ができるジャンルです。

特にZ級のゾンビ映画は、スプラッターを売りにした作品もあったりするくらいなので、そういう映画から見ると、「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」は、かなりマイルドに製作されています。

例えば、自殺しようとしたメアリーを助けるため、病院に向かった一行を、病院内で襲うゾンビ。病院内にいた人間の内臓を食べたりしていますが、他の作品と比べると、臓物の登場もあっさりしています。

POV方式なので、すぐにカメラをゾンビからはずし、どうするか考えるという、生き残るための動作が、結果的に刺激的なシーンの演出がないという事につながっています。

このあたりが許容できるかにより、本作の評価が分かれます。

また物語途中で、主人公たちは州兵たちと出会います。しかし、彼らはすでに「元」州兵であり、主人公たちが持っている食料や武器を奪い去っていきます。

このあたりも人間の残虐性を描写するのに、持ってこいの場面だったのですが、カメラを切る事により、この場面では何が行われていたのか、わからないようになっています。

女性にも性的な意味で手を出していないので、他のゾンビ映画に比べると、人間ドラマの「心」の部分を描写する事に重点を置かれている事がわかります。


世間VS報道の図式とも見る事ができる「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」

どんな異常な状況下でもカメラを回し撮影し続けるジェイソン。

一行の中でも、ジェイソンはかなり浮いてしまい、みんなから批判されます。

ジェイソンは「この映像が、この状況を生き抜くヒントになる」と信じ、撮影を続けます。さらにジェイソンは、目の前で友人が襲われているのに助けなかったりするなど、異常ともとれる行動を続けます。

これは「報道の正義」を信じて、どんな状況でも困っている人を助けず記録する人と、そんな人を批判する世間の構図を表しているともとれます。

「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」は、観終わった後、色々な事を考えさせられる、とても珍しいゾンビ映画となっています。

それにしても、最後に「ゾンビ狩り」を楽しむ人間の動画が登場し、「救う価値があるのか、人間は」という投げかけで終わる本作。でも、それは本作のテーマとずれています。本作で描かれているのは、人間の残虐性ではなく、情報や報道のあり方の問題提起ですから。

そこだけが残念でした。


おじさんたちが格好良い「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」

物語途中でアーチェリーを手に入れ、飲んだくれおじさんから強キャラおじさんにレベルアップするアンドリュー教授。

また車を修理するのに助けてくれた耳の悪いおじさん。

この二人のおじさんがかなり格好良いです。

主人公たちを途中助けてくれる黒人の元州兵さんもクールですが、このおじさん二人の存在感が半端ありません。

耳の悪いおじさんの自己紹介シーンは、この映画の中でも屈指の名シーンです。

迫りくるゾンビたちにダイナマイトを投げつけ撃退し、ゾンビたちを映していたカメラがおじさんの方に向くと、おじさんがホワイトボードで「よろしく」。かなりユニークです。

アンドリュー教授は従軍経験があるらしく、リーダーとして一行を引っ張る事はしませんが、大ピンチの時に颯爽と助けてくれる、格好良いおじさんです。

耳の悪いおじさんは、鎌でゾンビを攻撃したりするなど、とにかく主人公たちより年齢の高い二人が、すごく頑張っています。


「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」のまとめ

巷では評判が悪かった本作。

確かに普通のゾンビ映画を期待すると、かなり痛い目に遭うと思います。

しかし、普通のゾンビ映画ではないからこその面白さやテーマが描かれている。

「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」は、ゾンビ映画の中でも、一際、人を選ぶ映画に仕上がっています。

個人的には好きな映画でした。人にはオススメできないですけれど。

ちなみに続編に「サバイバル・オブ・ザ・デッド」があります。


「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」amazon でのレビュー

映像の方も原点回帰してしまったようで、食いちぎられるシーンはあるものの、“ゾンビ”以降得意としていた、内臓飛び出すグロい人食いシーンありません。まあ、昨今他の映画がとんでもなくグロいのが多いので、そういうのを期待する向きは他のをどうぞという、巨匠の余裕の表れなのかもしれません。
全部大学生の素人監督が作ったという設定なので,ある意味リアリティ100点なのだが,それをそのまま納得してよいかはちょっと疑問に残った.「ドキュメンタリー・タッチ」か「ドラマ」にするかは,やはりどちらかに統一すべきだったろう.
ジャーナリズムが一線を越えてしまう瞬間を垣間見たようで、とてもおもしろかった。
「情報と人間」という風刺を意識したテーマは否定しないまでも、それ以前に登場人物の構築やストーリーがてんでなっていない。セミプロ撮影で写される「リアリズム」と、初めて異常な状況に直面した人間の行動としての有り得なさとのズレが最後まで心地悪かった。
ドキュメンタリー形式のゾンビ映画ならRECの方が遥かに面白くて怖いですよ〜


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