<クリムゾンピーク>に気をつけなさい――

今回ご紹介する映画:『クリムゾン・ピーク』(原題「CRIMSON PEAK」)
オススメ度:★★★★☆(四つ星!)


予告編動画




『クリムゾン・ピーク』のあらすじ

10歳の頃、亡くなった母親の幽霊を見て以来、亡霊を時々目撃するようになったイーディス。作家に憧れ、恋よりも仕事をしたいと思いながらも、女性だからと軽んじる男性陣に歯がゆい思いをしていた。

そんな折、遠い異国の地から不思議な雰囲気を纏う紳士トーマスと出会い、イーディスは彼に心を奪われていく。イーディスは、自分の父親が亡くなった事を機にトーマスと結婚。トーマスが所有する雪山の豪邸へ引っ越す事になる。

しかし、イーディスは知らなかった。その地が、赤年度の影響で雪が赤く染まる事から<クリムゾン・ピーク>と呼ばれていることを。

その名を聞いた時、イーディスは思い出す。10歳の時、自分の目の前に現れた母親の幽霊が忠告してくれていた事を。この<クリムゾン・ピーク>には、一体、どのような謎が秘められているのだろうか?




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映画館で上映されていた時に気になっていたものの、タイミングが合わず、鑑賞する事ができなかった映画『クリムゾン・ピーク』。ギレルモ・デル・トロ監督が制作に携わっている事は知っていたのですが、監督・脚本を手掛けていたのは知りませんでした。

本作はデル・トロ監督のオリジナルだそうで、小説が出ているんですが、これは原作本ではなくノベライズになりますので、注意が必要です。

という事で、今回は『クリムゾン・ピーク』の感想を書いていくんだぜ?




『クリムゾン・ピーク』のスタッフとキャスト

スタッフ
監督・脚本・製作:ギレルモ・デル・トロ
脚本:マシュー・ロビンス
製作:トーマス・タル、ジョン・ジャシュニ、カラム・グリーン
製作総指揮:ジリアン・シェア
撮影:ダン・ローストセン
プロダクションデザイン:トム・サンダース
編集:ベルナ・ビラプラーナ
衣装:ケイト・ホーリー
音楽:フェルナンド・ベラスケス

キャスト
イーディス・カッシング:ミア・ワシコウスカ
ルシール・シャープ:ジェシカ・チャステイン
トーマス・シャープ:トム・ヒドルストン
アラン・マクマイケル:チャーリー・ハナム
カーター・カッシング:ジム・ビーヴァー



クリムゾン・ピーク (字幕版)
using あまらく



『クリムゾン・ピーク』の感想

前知識ナッシング状態で観賞したんですが、いやはや、自分の思っていた内容とは全く異なる展開でビックリしましたね。これは、王道を行く作品ではありますが、あまりにも王道すぎて、逆に一癖ある映画となっています。

個人的には、すごく面白かったし好きなんですが、ではオススメできるかというと、ちょっと難しい。というもの、ゴシックホラーの雰囲気を纏ったラブロマンスなんですよね。ですから、ゴシック系の作品が許容できるかどうかが、まず最初の難関となっております。最近だと『ウーマン・イン・ブラック』が定番のゴシックホラーでしたが、こういった王道が好きであれば、本作は楽しめます。

また、本作に登場するゴーストは、想いや感情、土地などに囚われてしまっている悲しき存在として描かれています。そのため幽霊が積極的に人を襲うなどの描写はなく、ゴーストハウス的なストーリーを期待すると、肩透かしに合うので注意が必要になります。

デル・トロ監督の幽霊観が色濃くでていて、それは東洋のものと似ています。本作では、あくまで現象なんですね。西洋のホラーというのは、人に危害を加える悪しきものという捉え方が多いです。おそらく神話や妖精の延長線上に幽霊が存在するからなんでしょう。けれど、東洋の場合はルールを破れば人に仇なす事はあっても、基本は存在するだけですからね。そういう意味でも、好みが分かれてしまう作品です。



『クリムゾン・ピーク』の良いところ

ストーリー展開はスピーディーで、とても見やすいです。これは前半と後半でストーリー構成が変わるから、前半と後半の物語展開が早く感じるからでしょう。

幽霊の造形はCGで描写されているんですが、これが非常に不気味で、なんだか悲しい存在なんですね。あまり見た事のない姿で登場するので、結構良かったです。

世界観も素晴らしく、中世を舞台にしているものの、どこか幻想的な物に仕上がっていて、どんどん、その世界に引きずり込まれていきます。後半に登場するトーマスの城は、とても良く作られており、その城に行ってみたいと渇望するほどの美しさ。またミア・ワシコウスカやトム・ヒドルストン、ジェシカ・チャステインが、これでもかというくらい、綺麗です。ミア・ワシコウスカやジェシカ・チャステインはすごくチャーミングだし、トムヒは、もう恐ろしいほどに格好良い。この人は、不思議な雰囲気もあるし、なんか腹が立ってきますね。

幽霊の存在が、ある種のギミックに留めて、本筋はサスペンスに仕上げている点も良かったです。

雰囲気を楽しめれば、かなり面白い映画なんですが、その雰囲気を受け入れる事ができなければ、あまり面白くないかな。



『クリムゾン・ピーク』の悪いところ

定番のゴーストストーリーを期待すると、絶対にガッカリします。これは断言できる。また物語の中心は、あくまでラブロマンスなので、「そういうのは、いらないんだよ!」ってなっちゃうと、全く楽しめない映画ですね。

デル・トロ監督の中では、割とライトな感じに製作されていて、意外と突っ込みどころが存在します。スルーできれば映画を楽しめるのですが、一回つまずくと、楽しめないかもしれないです。



『クリムゾン・ピーク』のまとめ

色々書きましたけれど、やっぱり一癖、二癖はある映画です。物語に入り込めるかが、本作を楽しめるかどうかの鍵になりますね。

でも、映画を楽しめなくても、美しい、可愛い、かっこいい出演者たちを愛でるために観賞するのも、いいんじゃないでしょうか。この映画は、ミア・ワシコウスカやトム・ヒドルストンのプロモーション映画にもなっています。

個人的には大好き。Blu-rayが欲しいですなぁ。





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『クリムゾン・ピーク』ネタバレあり感想

この映画は、なんとも不思議な映画で、「クリムゾンピーク」の話がイーディスの体験談なのか、それとも創作なのか、ラストで曖昧にしています。イーディスが作家志望である事、10歳の幼いイーディスの元に現れた母親が、なぜ未来で訪れるであろう「クリムゾンピーク」の事を警告したのか。このあたりを考えると、実は劇中のストーリーの半分は、イーディスの創作なのではないか?って深読みする事ができます。もしくは全てが創作なのかもしれません。

最後の最後に、さらりとこういう展開にするのは、すごくしびれますね。素直に観賞して楽しむ事もできるし、深読みしたい人には色んな見方ができるよう仕組む。さすが、デル・トロ監督といったところでしょう。

一番怖いのは生きている人だよねっていう展開もありがちでありながら、幽霊との対比ができていて、より人がおぞましい存在として描写されていました。



『クリムゾン・ピーク』のレビューや評価

デル・トロ ということで期待していたが、作品のキモである “怖さ” が弱い。
この手のジャンルなら、「ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館」のほうが出来がいい。

でも本当の化け物は生きた人間だったということですかね。
そんな話じゃない!?
結構好きです。

ゴシック系の雰囲気が素晴らしいですね。
衣装、美術品どれも良いです。
ストーリーは、最初からあっさり騙される主人公が見事なまでに愚かすぎてポカーン。
だけどそうじゃなきゃ話が進まないから仕方ないけどw
それにしても狂った気持ち悪い話。
こういうの嫌いじゃないなw
そして切ない。切なすぎる。
総合的によかったと思います。


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