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今回ご紹介する映画「テケテケ」
オススメ度:B級映画が好きならオススメ
        
予告編動画

<あらすじ>
ある日、可奈(大島優子)のクラスメートの綾花が下半身のない死体で見つかる。学校でも下半身のない女性が相手の足を奪う“テケテケ”の話題で持ち切りで、可奈も一度は襲われるが奇跡的に逃げ切ることができた。彼女が図書館で調べものをしていると、大学で心理学を専攻し都市伝説の卒論を書いている理絵(山崎真実)と話が弾み……。by シネマトゥデイ

クリスマスイブもクリスマスもホラー映画三昧だった、おっさんです。悲しくなんてないんだからね!

dTVでホラー映画「テケテケ」が配信されていたので鑑賞しました。監督は「ノロイ」「シロメ」の白石晃士氏。今回白石さんは脚本を担当していません。

主演は元AKB48の大島優子さん。この映画は当時、同時公開していた、「テケテケ2」という続編もあります。こちらの感想は改めて記事で書きたいと思います。


「テケテケ」というのは、下半身のない女性の妖怪です。両手で移動し、速度もかなり早い。人間が全力で走っても、ほとんどの場合、捕まってしまう事が多い。

私は小学生の頃に、漫画「地獄先生ぬ~べ~」で初めて見ました。その後、ドラマ版「学校の怪談」で「テケテケ」の話を観て、ジュブナイルホラーの傑作映画「学校の怪談」で可愛らしい「テケテケ」を観ました。

「ぬ~べ~」で結構詳しく「テケテケ」について書かれていまして、そのあと、小学生や中学生の間でも、「花子さん」と同じくらい有名な怪異にレベルアップしたように思います。

「テケテケ」の話を聞くと、3日後に「テケテケ」が現れて殺されてしまう、または話の内容を3日以内に忘れないと「テケテケ」が現れて殺されてしまう、という話です。小学生だった私は当時、話を忘れる事ができなくて、1週間ほど、びくびくしていました。今となっては良い思い出です。

近年では、「口裂け女」の特徴と融合してしまったり、別の怪異「カシマさん」と一緒になってしまったりしています。ちょっとややこしい怪異ですね。

今回は映画「テケテケ」の感想をネタバレなしで書いていきたいと思います。


この映画の世界では「テケテケ」という妖怪はマイナーなようで、高校生3人のうち2人は知っていましたけれど、あくまで噂話程度しか知らない様子。高校生が3人もいれば、一人くらいパソコンを持っていて、ちょっとくらい知ってそうなものですが……。このあたりの設定にすごく違和感を覚えました。

「テケテケ」そのものは、序盤から登場します。ですので、後はどのように主人公たちを襲うのか、そこに注目していたのですが、この作品は「リング」と同じようにミステリーテイストに仕上げたかったようです。

つまり「テケテケ」にまつわる謎の真相を解かなければ死んでしまうという訳です。

「リング」の場合は気持ち悪いビデオテープを観ただけで、その後、幽霊がはっきりと現れる訳ではありません。怪異があっても、基本的に気のせいで済んでしまう。けれど、それは本当に気のせいなのか?? この不安が雰囲気ホラーにつながっているので良いんですが、この「テケテケ」では、この手法が通じません。

なぜなら「テケテケ」の出現条件が決まっているからです。ですから、いつ「テケテケ」が現れて襲撃されるのか、そういうハラハラ感がありません。

また「3日」という時間制限があるんですが、事前に「テケテケ」を知っているならいいのですが、後半でこの事実が判明します。観客としては、取って付けたような設定で「?」となると思います。それだったら、主人公一人で「テケテケ」を調べていく過程でその事実を掴むという流れの方が、より不安を掻き立てるのではと思います。

その後も一般的に知られている「テケテケ」とは、どんどん離れていく設定で話が進んでしまい、なんともテンションが上がらないまま、クライマックスになってしまいました。


全体的に、完全に消化不良な映画。ただ脚本が悪いとしか言いようがありません。もう少し、話を練った方が良かったと思います。

シンプルに5~6人の高校生グループが「テケテケ」に襲われるというスプラッターホラーの方が、よっぽど面白かったですよ。

映像面や「テケテケ」の造形は、B級ホラー映画の定番を踏襲してて良かったので、脚本の粗ささえなければ、そこそこ面白い映画になったはず。

今回、脚本が残念なことになったのは、そもそも「テケテケ」という題材を選んでしまった事だと思います。「テケテケ」は先に書いた通り、「口裂け女」のようにランダムに登場するのではなく、また「花子さん」のように条件を満たせば絶対に登場する訳ではなく、出現条件が曖昧なため、物語の盛り上げに欠けます。ですから長編作品には向いていないと思うんですよね。話を広げようとするならば、ミステリー風にするか、スプラッターにするか。そのどちらになると思いますが、今回は着地点を別の怪異に設定してしまったため、失敗したのではないかと思います。

どちらにしても、とても惜しい映画でした。



ところで「テケテケ」で検索すると、「テケテケ屋」という三ノ宮のライブハウスと、「てけてけ」という池袋にある居酒屋さんがヒットしてきました。こんな名前付けていると「テケテケ」目的で、うっかり足を運んでしまいそうです。

ユニークな店名だなー。お店の方は、きっと「テケテケ」なんて妖怪の事、知らないでしょうけれどね。