映画好きな四十郎のおっさん999でございます。
今回は、2016年4月29日に公開した映画『追憶の森』のネタバレあり感想を書いていきたいと思います。
まだ本作を鑑賞していない方は、今回の記事はスルーしてください。
「理想の死に場所」を求め、日本・富士山麓の青木ヶ原樹海を訪れる。
歩道からはずれ、樹海の中へ入っていたアーサーは、ある岩場に座り込み、睡眠薬を一粒ずつ飲んでいく。
そんなアーサーの前に「助けてくれ」と力なく森の中をさまよう男が現れる。
どうするか悩んだ挙句、彼を助ける事にしたアーサーは、水を持って、その男の元へ。
水を与えたアーサーに男は「タクミ」と名乗り、森から脱出したいと伝える。
アーサーは自分の来た道をタクミに教え、自分のいた場所に戻ろうとするが、ふらふらしているタクミは、なぜか、アーサーと同じ方向に歩いていた。
いつしかアーサーも森の中で迷い、タクミを森から出すために、樹海の中を歩く。
その途中、なぜタクミは樹海から出たいのか、アーサーは知る事に。
タクミはある事がきっかけで生きる事が嫌になり、樹海へやってきた。
しかし、タクミはその途中で考えなおし、残した妻子のところへ戻ろうとしているのであった。
樹海の中でサバイバルを続けていくうちに、アーサーはこれまでの人生を見つめなおす事になる。
いつしか、アーサーの心に「死」という思いが消えているのだった。
果たして、アーサーは、無事にタクミを樹海から助け出す事ができるのだろうか?
『追憶の森』は、映像化されていない製作前の優秀な脚本を集めた「The Black List 2013」(ブラックリスト)に選出された脚本のひとつです。
生きる目的を見失い、後悔を引きずり、死に場所を求めて青木ヶ原樹海にやって来たアメリカ人男性が、自殺を思いとどまり樹海からの脱出を試みる日本人男性と出会うことにより、人生を見つめ直す様子を、過去と現在を交錯させながら、ガス・ヴァン・サント監督が鮮やかに描写します。
主演は『ダラス・バイヤーズクラブ』『インターステラー』の演技派マシュー・マコノヒー。
共演に『インセプション』『ゴジラ(2014)』など国際的に活躍する渡辺謙、ハリウッド版『リング』や『インポッシブル』のナオミ・ワッツ。
物語のほとんどを、この三人で紡いでいく演出とストーリー構成は素晴らしいですよ。
確かに「ブラックリスト」入りしたのも頷けます。
激しい起伏のない物語ですが、それでも盛り上がりはちゃんとあります。
樹海で迷うところから始まり、川を見つけたり、崖から転んで怪我をしたり、大雨が降ったり、冷気にさらされたり。
アーサーとジョーンの場面でも、飽きさせないように、小さいながらも事件が起きたり、謎をさらりと提示したりしています。
淡々としたストーリー進行ですが、それでも、ドキドキハラハラしてしまう映画です。
役者のお芝居だけで映画を観る事できる人、さらに風変わりな映画が好きな人には楽しめる映画となっています。
ストレートな人間ドラマを期待したら、確実に肩透かしを喰らってしまう事でしょう。
私としては、このようなエンディングになるとは想像もつきませんでした。
『追憶の森』の結末とは、アーサーの立ち直りと、渡辺謙演じるタクミの正体。
タクミの真相については、かなり曖昧な感じで提示しています。
ジョーンが姿を変えてアーサーの前に現れたのか、タクミが偶然ジェーンの魂と出会いアーサーに言葉を伝えにきたのか。
これは観客の解釈に委ねるかたちで終わります。
鑑賞後、一緒に映画を観た人たちと、この映画について盛り上がれる、そんなラストです。
個人的には、曖昧なこの結末が『追憶の森』という映画にふさわしく、とても綺麗だと感じました。
Filmarks
映画.com
Movie Walker
樹海を舞台にした<愛>について描かれている珍しい映画です。
ネタバレなし感想でも書きましたが、ちゃんとしたエンターテインメント作品になっています。
以前鑑賞した『セッション』に似た印象があります。
『セッション』も、感動人間ドラマかと思いきや、新手のスリラータッチの映画でしたしね。
淡々としている割には、クセのある映画なので、なかなか他の人におすすめしにくいですが、興味があれば、ぜひ、鑑賞してみてください。
という事で、今回は『追憶の森』のネタバレあり感想でした。
そんな訳で、今日はこの辺で。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
映画好きな四十郎のおっさんでした。
それでは、しーゆー!
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今回は、2016年4月29日に公開した映画『追憶の森』のネタバレあり感想を書いていきたいと思います。
まだ本作を鑑賞していない方は、今回の記事はスルーしてください。
ネタバレなし感想
『追憶の森』のあらすじ
ある出来事がきっかけで、深い後悔に苛まれていたアーサー。「理想の死に場所」を求め、日本・富士山麓の青木ヶ原樹海を訪れる。
歩道からはずれ、樹海の中へ入っていたアーサーは、ある岩場に座り込み、睡眠薬を一粒ずつ飲んでいく。
そんなアーサーの前に「助けてくれ」と力なく森の中をさまよう男が現れる。
どうするか悩んだ挙句、彼を助ける事にしたアーサーは、水を持って、その男の元へ。
水を与えたアーサーに男は「タクミ」と名乗り、森から脱出したいと伝える。
アーサーは自分の来た道をタクミに教え、自分のいた場所に戻ろうとするが、ふらふらしているタクミは、なぜか、アーサーと同じ方向に歩いていた。
いつしかアーサーも森の中で迷い、タクミを森から出すために、樹海の中を歩く。
その途中、なぜタクミは樹海から出たいのか、アーサーは知る事に。
タクミはある事がきっかけで生きる事が嫌になり、樹海へやってきた。
しかし、タクミはその途中で考えなおし、残した妻子のところへ戻ろうとしているのであった。
樹海の中でサバイバルを続けていくうちに、アーサーはこれまでの人生を見つめなおす事になる。
いつしか、アーサーの心に「死」という思いが消えているのだった。
果たして、アーサーは、無事にタクミを樹海から助け出す事ができるのだろうか?
『追憶の森』の概要
アカデミー監督賞にノミネートされた『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』、マット・デイモンとケイシー・アフレックが共演した『GERRY ジェリー』、カンヌ国際映画祭のパルム・ドールと監督賞を同時受賞した『エレファント』、ゲイの政治家ハーヴェイ・ミルクを描いた『ミルク』、加瀬亮が出演している『永遠の僕たち』などのガス・ヴァン・サント監督によるミステリー映画。
『追憶の森』は、映像化されていない製作前の優秀な脚本を集めた「The Black List 2013」(ブラックリスト)に選出された脚本のひとつです。
生きる目的を見失い、後悔を引きずり、死に場所を求めて青木ヶ原樹海にやって来たアメリカ人男性が、自殺を思いとどまり樹海からの脱出を試みる日本人男性と出会うことにより、人生を見つめ直す様子を、過去と現在を交錯させながら、ガス・ヴァン・サント監督が鮮やかに描写します。
主演は『ダラス・バイヤーズクラブ』『インターステラー』の演技派マシュー・マコノヒー。
共演に『インセプション』『ゴジラ(2014)』など国際的に活躍する渡辺謙、ハリウッド版『リング』や『インポッシブル』のナオミ・ワッツ。
物語のほとんどを、この三人で紡いでいく演出とストーリー構成は素晴らしいですよ。
ネタバレあり感想
淡々とストーリーが進行する『追憶の森』
途中でラストがわかるシナリオではありますが、それでもラストが気になるように上手にストーリーを見せている手腕は良かったです。確かに「ブラックリスト」入りしたのも頷けます。
激しい起伏のない物語ですが、それでも盛り上がりはちゃんとあります。
樹海で迷うところから始まり、川を見つけたり、崖から転んで怪我をしたり、大雨が降ったり、冷気にさらされたり。
アーサーとジョーンの場面でも、飽きさせないように、小さいながらも事件が起きたり、謎をさらりと提示したりしています。
淡々としたストーリー進行ですが、それでも、ドキドキハラハラしてしまう映画です。
役者のお芝居だけで映画を観る事できる人、さらに風変わりな映画が好きな人には楽しめる映画となっています。
『追憶の森』の結末について
『追憶の森』のラストについては、賛否の分かれるところだと思います。ストレートな人間ドラマを期待したら、確実に肩透かしを喰らってしまう事でしょう。
私としては、このようなエンディングになるとは想像もつきませんでした。
『追憶の森』の結末とは、アーサーの立ち直りと、渡辺謙演じるタクミの正体。
タクミの真相については、かなり曖昧な感じで提示しています。
ジョーンが姿を変えてアーサーの前に現れたのか、タクミが偶然ジェーンの魂と出会いアーサーに言葉を伝えにきたのか。
これは観客の解釈に委ねるかたちで終わります。
鑑賞後、一緒に映画を観た人たちと、この映画について盛り上がれる、そんなラストです。
個人的には、曖昧なこの結末が『追憶の森』という映画にふさわしく、とても綺麗だと感じました。
口コミレビューや評価
下記サイトで『追憶の森』レビューや評価をチェック!Filmarks
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Movie Walker
今回のネタバレあり感想のまとめ
夫婦や彼氏彼女と一緒に鑑賞しても良い作品。樹海を舞台にした<愛>について描かれている珍しい映画です。
ネタバレなし感想でも書きましたが、ちゃんとしたエンターテインメント作品になっています。
以前鑑賞した『セッション』に似た印象があります。
『セッション』も、感動人間ドラマかと思いきや、新手のスリラータッチの映画でしたしね。
淡々としている割には、クセのある映画なので、なかなか他の人におすすめしにくいですが、興味があれば、ぜひ、鑑賞してみてください。
という事で、今回は『追憶の森』のネタバレあり感想でした。
そんな訳で、今日はこの辺で。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
映画好きな四十郎のおっさんでした。
それでは、しーゆー!
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