今回ご紹介する映画:『殿、利息でござる!』
オススメ度:★★★★★(五つ星!)


予告編動画




『殿、利息でござる!』のあらすじ

江戸中期、財政の逼迫(ひっぱく)した仙台藩が領民へ重税を課したことで破産や夜逃げが続出し、小さな宿場町・吉岡宿は困窮し切っていた。このままではダメだと考える商人・穀田屋十三郎(阿部サダヲ)と同志たちは、藩に金を貸し付け毎年の利息を住民に配る「宿場救済計画」を考えつく。町の存続を図るため、前代未聞の金貸し事業を成功させるべく、彼らは私財を投げ打ち……。

by シネマトゥデイ



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先日、今、映画館で上映中の新作邦画『殿、利息でござる!』を鑑賞しに行ってまいりました。製作するというニュースを見て以来、ずっと楽しみにしていた映画です。『武士の家計簿』も、とても面白かったので、期待大で映画館へゴー!今回は『殿、利息でござる!』の感想を<ネタバレなし>で書いていきます。公開中の映画なので、参考にしていただけると嬉しいです。


『殿、利息でござる!』の概要

『武士の家計簿』の原作者・磯田道史による「無私の日本人」の一編「穀田屋十三郎」を、『予告犯』などの中村義洋監督が映画化。江戸時代中期の仙台藩吉岡宿が舞台の実話で、年貢の取り立てや労役で疲弊した宿場町を救うため、藩に金を貸して毎年の利息を地域の住民に配る「宿場救済計画」に尽力する人々の姿を描く。町の行く末を案じる主人公を、時代劇初主演の阿部サダヲが演じるほか、瑛太、妻夫木聡という実力派が出演している。

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『殿、利息でござる!』のスタッフとキャスト

スタッフ
監督・脚本:中村義洋
脚本:鈴木謙一
音楽:安川午朗
原作:磯田道史
主題歌:RCサクセション
製作総指揮:大角正、両角晃一
エグゼクティブプロデューサー:武田功、安達英雄
プロデューサー:池田史嗣、三好英明、鎌田恒幹
アソシエイトプロデューサー:稲垣竜一郎
撮影:沖村志宏
美術:新田隆之
照明:岡田佳樹
録音:松本昇和
編集:川瀬功
装飾:松本良二
スクリプター:小林加苗
演技事務:舟本佳子
助監督:佐和田惠
音楽プロデューサー:津島玄一
制作担当:小沼秀剛
仕上げ統括:佐藤正晃
ラインプロデューサー:湊谷恭史
協力プロデューサー:丸山典由喜、楠本直樹

キャスト
穀十田屋三郎:阿部サダヲ
菅原屋篤平治:瑛太
浅野屋甚内:妻夫木聡
とき:竹内結子
遠藤幾右衛門:寺脇康文
穀田屋十兵衛:きたろう
千坂仲内:千葉雄大
早坂屋新四郎:橋本一郎
穀田屋善八:中本賢
遠藤寿内:西村雅彦
なつ:山本舞香
加代:岩田華怜
橋本権右衛門:堀部圭亮
八島伝之助:斉藤歩
忠兵衛:芦川誠
相模屋利助:中村ゆうじ
瑞芝和尚:上田耕一
ナレーション:濱田岳
音右衛門:重岡大毅(ジャニーズWEST)
伊達重村:羽生結弦
萱場杢:松田龍平
きよ:草笛光子
先代・浅野屋甚内:山崎努



『殿、利息でござる!』の感想

驚くべき実話を基に製作された『殿、利息でござる!』は、軽い感じのタイトルとは対照的に、しっかりとしたストーリーのちゃんばらのない見応えのある時代劇映画でした。面白かった!

見せるところもあり、笑いが絶えず、ときどきホロリとさせる秀逸な物語。「うそでしょっ?!」と思うような展開なのですが、荒唐無稽に感じないところは、脚本や演出の力、そして役者さんの演技力によるところが大きいでしょう。

ところどころでナレーションが入り説明があるので、時代劇が苦手な人でも、気軽に楽しむことができる、老若男女問わずオススメできる映画でした。



『殿、利息でござる!』の良いところ

とにかくわかりやすいように製作されているのが良いですね。ナレーションは濱田岳さんなのですが、とても聞き取りやすく優しげな口調で、すっと耳に説明が入ってくる感じです。

作品のテーマは「慎み深く、人のために尽くす」。こう書くと説教臭い映画かな?って身構えてしまいますけど、そうじゃない。映画は笑わせたりして、テンポよく物語が進む。その結末に、このテーマがずしりとくるんですが、ドラマ部分で魅せられているため、このテーマがするりと心の中に入ってくる、巧みな構成です。鑑賞後、思うは簡単ですが実行は難しいこのテーマについて、少し考えたいと思うようになっています。見返りばかりを求める昨今。様々な人に観て欲しい映画ですね。

そして、俳優さんたちがみんな素晴らしい!!阿部サダヲさん、瑛太さん、妻夫木聡さん、竹内結子さんをはじめ、芸達者な人ばかり。若手俳優さんたちも、そんな人たちに埋もれることなく、ちゃんとお芝居をしていて素晴らしかった。特に、羽生選手のオーラは半端なかった!役者さんのお芝居を存分に堪能できる作品でした。2時間9分の上映時間があっという間でした。



『殿、利息でござる!』の悪いところ

堅苦しい時代劇ではないので、若い人にもオススメできるのですが、劇中の登場人物たちの動機が、もしかすると、理解しにくいかもしれません。宿場町存亡の危機に立ち上がる人々ですが、自分たちの利益が全くないにも関わらず、宿場町のために、ないお金を捻出し奮闘する理由に共感ができないと、この映画は面白くありません。

また実話を基に構成されていますが、脚色も結構入っていると思います。純粋に史実として観てみたいという人には、不向きでしょうね。良くも悪くも、エンターテインメント作品です。



『殿、利息でござる!』のまとめ

ランキングでも上位に食い込んでいるし、邦画の良さがたっぷり詰まっている、おすすめの映画です。

町人の行動の意味がわからないという人。自分のためではなく、まだ見えない未来のために頑張るのは、とても難しいことなのですが、町の人々が一致団結して困難 に立ち向かう姿を目に焼き付け、自分だったら、どうするのかということを一度考えてみて欲しい。生きていたら、一度くらいは、そんな場面に直面するはずですからね。その時にパニックにならないようにするため、この映画をきっかけに、そんなことを考えてみて欲しいですね。


↓ネタバレあり感想↓



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