人類移住プロジェクト。乗客5000人。目的地まで120年。冬眠装置で到着を待つ安全な旅のはずだった。
だが、彼は目覚めてしまった。90年も早く。




今回ご紹介する映画:『パッセンジャー』
原題:『PASSENGERS』
製作:2016年アメリカ
上映時間:1時間56分
オススメ度:★★★★★(五つ星!)


予告編動画





『パッセンジャー』のあらすじ

近未来、5,000人を乗せた豪華宇宙船アヴァロン号が、人々の移住地に向かうべく地球を出発。到着までの120年、冬眠装置で眠る乗客のうちエンジニアのジム(クリス・プラット)と作家のオーロラ(ジェニファー・ローレンス)だけが、予定より90年も早く目覚めてしまう。絶望的な状況を打破しようとする二人は、次第に思いを寄せ合うものの、予期せぬ困難が立ちはだかり……。(シネマトゥデイ



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『パッセンジャー』は、昨年の終わり頃から、TOHOシネマズで予告編が流れていたものの、そこまで興味はありませんでした。今年に入って、じょじょに、映画の内容が明らかになり、興味はありつつも、クリス・プラット演じるジムが一人でいる時間がある事もわかり、鑑賞しようかどうか、迷っておりました。

で。

『キングコング』の方が観たかったのですが、109シネマズ エキスポシティで次世代IMAXで上映していることがわかり、『パッセンジャー』はIMAX上映がされておらず、吹き替え版で3Dやら、字幕版でMX4D版が上映。吹き替え版は嫌だし、MX4Dって映画でもないし。『キングコング』は人が多そうだと思い、ちょい気になる『パッセンジャー』をTOHOシネマズなんばで鑑賞して参りました。

原題は『PASSENGERS(パッセンジャーズ)』で、邦題も、ほぼそのまんま。意味は旅客や乗客。うん、そのまんまやね。

という事で、今回は『パッセンジャー』の感想を書いていくんだぜ?

ちなみに、歌手や日産の車、JR東海パッセンジャーズの事ではありません。あしからず☆




『パッセンジャー』のスタッフとキャスト

監督:モルテン・ティルドゥム
脚本・製作総指揮:ジョン・スペイツ
製作:ニール・H・モリッツ、スティーヴン・ハメル、マイケル・マー、オリ・マーマー
製作総指揮:デヴィッド・ハウスホルター、ベン・ブラウニング、ブルース・バーマン、グレッグ・バッサー、ベン・ウェイスブレン
撮影:ロドリゴ・プリエト
プロダクションデザイン:ガイ・ヘンドリックス・ディアス
編集:メリアン・ブランドン
衣装デザイン:ジェイニー・ティーマイム
音楽:トーマス・ニューマン

出演者
オーロラ:ジェニファー・ローレンス
ジム:クリス・プラット
アーサー:マイケル・シーン
ガス:ローレンス・フィッシュバーン
ノリス船長:アンディ・ガルシア




passengers




『パッセンジャー』の感想

期待していなかったのですが、個人的には、かなり面白かったです。綺麗な映像、丁寧なストーリー構成、役者さんのお芝居。トータルで、非常にクオリティーの高いSF映画でございました。

ただ、日本のポスターに描かれたキャッチフレーズに問題があります。これに釣られて鑑賞すると、そもそも内容が違うじゃんって感じになってしまいます。このフレーズを考えた人は、本当に映画を観たのだろうか。映画を観て、このフレーズを考えたのだとしたら、かなりおかしな考え方をしているなぁ。

わたしは、良い意味で裏切られましたけど、逆の人もいるかもしれない。このキャッチフレーズは、全くイケてないです。




『パッセンジャー』の良いところ

個人的には、宇宙船アヴァロンのデザインが秀逸でした。かなり斬新に映りましたね。今までのような宇宙船の造詣ではなく、漫画やアニメ、ゲームに登場するようなスペースシップで、すごく格好良い感じ。大好きです。

脚本については、かなり良く出来ていて、起承転結がはっきりしており、とても見やすい。普通なら、中だるみするような内容なんですが、途中で飽きる事なく、要所要所に大小の事件を挟み込んで、エンターテインメント作品として、ちゃんと仕上げております。

映画を鑑賞した人は、ジェニファー・ローレンスについて絶賛していますけど、わたしは敢えてクリス・プラットに注目。最初から最後まで出ずっぱりなのですが、その時の状況にマッチした演技を見せてくれます。まるでグラデーションのような、鮮やかなクリス・プラットの演技を楽しむ事ができる映画は、今のところ、本作だけのような気がします。

ジェニファー・ローレンスは可愛らしいし、途中、感情を爆発させるシーンについては、かなり迫力があります。クリス・プラットとは対照的なお芝居が良かった。

また、アンドロイドのアーサー役のマイケル・シーンが、すごく良かった。クリス・プラットとジェニファー・ローレンスの二人だけでは駄目で、このアーサーが二人の拠り所になっている事により、切なさと微笑ましさが演出されるという構成には感服でございます。

ラストも潔く、賛否は分かれるかもしれないですが、わたしは大好きなエンディングでした。




『パッセンジャー』の悪いところ

個人的には普通に映画を楽しめてしまったため、悪い点が、ちょい目につかなかったのですが、人によっては、主人公のジムの行動がわからないかもしれません。けど、これはとても幸せな事。わたしは、ジムの心理がわかってしまったのですが、彼の心や動きがわかる人は、本当の孤独とその怖さを知っている人なんですよ。書いてしまうとネタバレになってしまうので、詳しくは書けないのですが、ジムについて理解できないという人は、本当の意味での孤独を知らないので、今までの人生に感謝しましょう。わたしのように、ジムに感情移入できてしまう人は、うん、頑張っていこう。

意外性を期待してしまうと、これまた失敗してしまう映画。かなり素直な作品なので、変にうがった見方をしてしまうと、お金と時間のムダに鳴ってしまうことに。そういう鑑賞方法をしてしまう人には、オススメできません。

またイマジネーションに乏しい人にとっては、何を伝えたかったのかがわからず、悶々とする作品でもありますので、ご注意を。




『パッセンジャー』のまとめ

あまり乗り気ではなかったのですが、蓋を開けてみると、DVD・Blu-ray 購入候補の映画になりました。やっぱり観てみないと、わからないものですな。

SF大好きな人には、どう映るのか、予想できないですが、映画が好きな人には、普通にオススメできる、良い映画でございました。都合が合えば、映画館で、ぜひ鑑賞してみてください。




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『パッセンジャー』ネタバレあり感想

クリス・プラットとジェニファー・ローレンスしか登場しないと思っていたので、途中、ローレンス・フィッシュバーンが現れたのには度肝を抜かれました。相変わらず、重厚な雰囲気をまといながらも、気さくなキャラクターなのが良いですね。彼の登場により、物語が一気に加速していくとともに、彼の最期には震えました。彼が登場したからこそ、ラストのジムの決断につながり、感動的なラストを迎える事ができたんですね。

いろいろと計算されて書かれているシナリオに、ただただ呆然。非常に良い映画に出会えた事に感謝でございます。




『パッセンジャー』のレビューや評価

物語的には特に目新しくはないが、良くできたSF物。宇宙船の内外の造形が良くできており、リアリティーがある。途中イリイリさせる時間帯があるが、全体的には面白く鑑賞できた。

テンポが良くてとてもみやすいです。

ベタな展開で退屈だという人もいるかも知れません。だけど物質に囲まれて満たされているはずの人生には実は虚無感が漂っているという事やシニカルな表現がとても良かった。


YAHOO!JAPAN映画『パッセンジャー』