おまえはだれだ?

今回ご紹介する映画:『NECROFOBIA ネクロフォビア』
オススメ度:★★★☆☆(三ツ星)


予告編動画




『NECROFOBIA』のあらすじ

双子の弟が死んで以来、奇妙な幻想に取り憑かれた男。次第に幻想に悩まされるようになった男の周囲で、次々と人が殺されていく。犯人は誰なのか? もしかして自分なのか? 混乱に陥った男のたどりついた結末とは。


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Netflixでサスペンス映画『NECROFOBIA』という作品を視聴しました。「ネクロフォビア」と読みます。意味としては「死体恐怖症」という感じらしいです。屍に対して恐怖感を抱くもので、死に対して恐怖を抱く「タナトフォビア」と混同する事が多いらしい。症状としては、ちゃんと存在するもののようです。アメリカ映画ではなく、フランス?の映画です、たぶん。

さて、この映画、Netflixで『NECROFOBIA』というタイトルでラインナップしていまして、「これはDVDとかで出てないんじゃないかな?」って推測して鑑賞したんです。うん、ビンゴ。DVD発売されていない作品でした。『クリープ』『The Presence』と一緒ですね。という事は、わたし好みの作品のはず!

という事で、今回は『NECROFOBIA』の感想を書いていくんだぜ?

ちなみにこの映画について書かれているブログはひとつだけでした。



今回利用した動画配信サービス

Netflix ネットフリックス


『NECROFOBIA』のスタッフとキャスト

監督:ダニエル・デ・ラ・ベガ
キャスト:ルイス・マチン、ビビアナ・サコーネ、ウーゴ・アスタル、他



『NECROFOBIA』の感想

個人的には面白かったです。先の展開がすごく気になって、ラストまで観てしまった。74分という短い作品で、どちらかというと低予算で制作されている印象。演出がとても味わいあるもので、音楽はどこか懐かしく、不気味なものを使っていて、映画好きにピッタリ。

ただ、この映画、誰にもオススメできない。

というのも、最初から最後まで、意味がわからないんですよ。おそらく、こうなんだろうなぁというのは私自身の中にあるんですが、それが正解なのか、全くの見当はずれなのか。確かめようがなく、劇中の説明、種明かしがかなり不親切なんで、クセが無茶苦茶ある映画となっています。

おそらく、この映画が好きって人は、私のようにひねくれているですよ。主人公を演じている役者さん含め、俳優陣がいい雰囲気を作っているので、ストーリーがもう少し親切であれば、かなりの良作になったはずです。



『NECROFOBIA』の良いところ

タイトルを見るとホラーのような印象を持ちますが、殺人事件と主人公の幻想が入り混じるサスペンス映画になっています。シンプルな事件に、精神病をくっつけて、観客をぐっと惹きつける構成に仕上げていて好印象。続きが気になる、良い作品となっています。

音楽も最初はチープに感じるのですが、それが、だんだんクセになるというか、作品に合致してくるので不思議な感じ。一昔前の海外ドラマを彷彿とさせる、ちょっと懐かしさを感じるものになっています。

役者さんの演技も味わい深く、ストーリーがわからなくても、俳優さんで鑑賞できる点も良いですね。



『NECROFOBIA』の悪いところ

圧倒的なわかりにくさが、本作最大の、そして唯一の欠点です。ラストで種明かしがありますが、それを含めて、意味不明です。

というか、筋が通らないんですよね。

観念的な作品という訳でもなく、わかりそうでわからない、すごくもどかしい。そんな感じです。

とにかく説明が欲しい!って人には、絶対に向いていない映画。そういう人は本当に観ない方が良いかと。



『NECROFOBIA』のまとめ

ねたばらしでスッキリいくかと思いきや、そうでもないという、ある意味どんでん返しが待っている驚きの作品。Netflixでの評価は、確かに低かったです。

けど、わたしは嫌いになれない。むしろ大好きな作品ですね。

どこが良いのかと尋ねられたら、答えるのは難しいんですが、おそらく。

夢と現実がごちゃまぜになって、すごく幻想的なストーリーに、私は強く惹かれているんだと思います。最後まで、結局のところ、何だったのか。わからないのだけど、なんともいえない不思議な時間を体験できたという風に感じているから、この映画の事が好きなんだろうなぁ。

変わった映画が好きな人で、時間があるときに、一度チャレンジしてみてください。




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↓ここからネタバレあり。注意!↓





『NECROFOBIA』ネタバレあり感想

結局、主人公は精神病、おそらく多重人格を患っていて、主人公の知らないところで、別の人格が事件を引き起こしていたというオチなんですが、実はそれでは説明できない部分があります。

それは、同じ空間に、複数の主人公が存在するということ。

ひとつは自分の頭の中にある、もうひとつの人格だとわかるんですが、そのキャラクターを抜きにしても、明らかに同一空間に主人公が二人、しかも、それぞれ違う時間軸を持つ二人がいるんです。

片方はストーリー序盤の主人公、もう一人は全てを知った主人公。一体、これはどういうことか?

主人公の脳内だけの話という訳ではなくて、これはなんらかの理由で、時間の壁が壊れて、本来存在してはいけない人物が、その空間に現れてしまった、という事なのではないかと。

ちょっと文章ではわかりやすく書けないんですが、主人公の過去と未来の世界が一緒になったんじゃないかなぁ。いきなりSFになっちゃいますけどね、それだと。

そうでも考えないと、とにかく説明できないんです。「時間軸がバラバラでわかりにくい」なんてレベルではなく、本当に理解不能状態です。

観客の中に答えがあるという感じの映画。興味のある人は、一度チャレンジしてみてください。