雨に紛れて彼らはやってきた。



今回ご紹介する映画:『ダークレイン』
原題:『LOS PARECIDOS』『THE SIMILARS』
製作:2015年メキシコ
上映時間:1時間30分
オススメ度:★★★★★(五つ星!)




予告編動画




『ダークレイン』のあらすじ

記録的な豪雨が街を襲う夜。交通網は麻痺してしまい、ラジオや電話の状況も悪化の一途をたどる中、とあるバス停で、足止めされている人々がいた。外で降る雨は、どうやら自然発生的な雨ではないようだが、それを知る者は、ここにはいない。バスがいつまでもやってこない状況にイライラする人々の身に、やがて恐ろしい事が起き始める。不意に発作が襲いかかり一時的に気絶し、その後、肉体が変容するという謎の奇病がバス停に蔓延。彼らは無事、この状況から脱出する事ができるのか。



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映画ファンの間で話題となった問題作『パラドクス』の監督最新作である『ダークレイン』。「未体験ゾーンの映画たち2017」において上映されていた映画な訳ですが、残念ながら、期間中に上映館へ出かける事ができませんでした。しかし、早々にDVDがレンタルされたので、さっそく借りてきて鑑賞しました。

あの奇妙奇天烈な『パラドクス』を作った監督が、第二作でどのような物語を紡ぐのか。とてもワクワクしながら鑑賞。

という事で、今回は『ダークレイン』の感想を書いていくんだぜ?




『ダークレイン』のスタッフとキャスト

監督・脚本:イサーク・エスバン
製作:パブロ・グイサ・キャスティンガー
音楽:エディ・ラン

出演者
ルイス・アルベルティ
フェルナンド・ベセリル
ウンベルト・ブスト
アルベルト・エストレヤ






『ダークレイン』の感想

いやぁ、すごい。凄い映画です。『パラドクス』が衝撃的すぎて、あれを越える事はできないのではないかと思っていたのですが、個人的には、『パラドクス』を軽く越えてしまった感じです。素晴らしく面白い。

『パラドクス』は難解でしたが、本作はかなりわかりやすい映画となっています。であると同時に、スリラー映画のテンプレートに則ったストーリーになっているので、観やすい作品に仕上がっていました。

B級・Z級映画好きの方には、オススメ!




『ダークレイン』の良いところ

ホラー描写で恐怖や不安を煽るのではなく、雰囲気と物語でそれらを発生させる心理的ホラーの要素があって、個人的には、とても良かったですね。

前半は一体なにが起きているのか、全くわからない怖さを感じ、中盤からは予想を斜め上をいく展開に絶句。終盤は映画のジャンルを覆してしまう物語に改めて恐怖と不安を感じました。一体なにがなんなのか。終盤に提示される情報量の多さには圧倒されてしまいます。

物語のテンポは早く、早々に事件が起きたりして、続きが気になる上手なストーリー構成になっています。うまいこと、飽きさせないように工夫がされているところが良かったです。

映画の時代設定は、かなり古めなようで、映像も古めかしく仕上げているのですが、それが本作の雰囲気とマッチしていて非常に良かった。『パラドクス』と同じく独特の空気感と物語で、強烈に印象に残る映画。余韻が半端ありませぬ。




『ダークレイン』の悪いところ

主観的に映画を鑑賞する人にとって、この映画の怖さはわかって頂けると思うのですが、反対に客観的に映画を観る人にとっては、単なるギャグにしか見えないというのが難点ですね。コメディーに思えてしまったら、もうこの映画をラストまで観ることができないのではないでしょうか。

また視覚的な恐怖を求めてしまう人にも不向きです。『パラドクス』と同じく雰囲気スリラーとなっているため、この映画を支配する独特の空気感を楽しめないと、退屈な作品に映ってしまいますね。




『ダークレイン』のまとめ

『パラドクス』よりもわかりやすいストーリーになっておりますが、劇中で提示されるテーマについては、人によって解釈が異なると思いますので、『パラドクス』と同じくトークが弾む作品になっていますね。テーマがサラリと表現される点は良いですなぁ。

『パラドクス』と同じく好き嫌いの好みがハッキリと分かれてしまう映画。『パラドクス』が楽しめたのであれば、本作も気に入ると思いますよ。キワモノ映画を探している方、ぜひチャレンジしてみてください。




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↓ここからネタバレあり。注意!↓





『ダークレイン』ネタバレあり感想

いやぁ、まさか、顔が全員同じになるとは、夢にも思いませんでした。さらに子どもの超能力が全ての発端であり、さらに主人公の一人は、すでに感染しているとは。。。ラスト15分前くらいから結末まで、怒涛のどんでん返し祭りで、ビックリしました。

特に、今回の犯人である子どものお芝居が素晴らしく、終盤の彼の演技は不気味であり、満面の笑みにゾクリと背筋が凍りました。

ウィルスではなく、超能力が世界を変容させるというアイデアはありそうですが、それをこんな雰囲気のスリラーとくっつけてしまう、その発想は、本当に凄いですね。イサーク・エスバン監督にますます目が離せなくなってきました。次回作が楽しみ!

ちなみに、人面犬の尋常ではない造詣には驚きました。あれだけで一本の映画作れるんじゃね??って感じで、素晴らしく気味悪い感じでした。

また、最後の最後、少年が何冊かの本を取り出すシーンがあるんですが、その中に『パラドクス』というタイトルの本がありました。ということは、あの物語も彼の仕業なのか?というか、この少年、あの映画に登場しているのか??もう一回『パラドクス』を観なければ!!




『ダークレイン』のレビューや評価

久しぶりに、というか、はじめてホラーで笑いました。

怪奇現象を楽しめばいいのだろうが、ヒゲ人間、人面犬、化け物のような赤ちゃん
気持ち悪さの方が、勝る

怖いというよりかは奇妙。
結末が気になるストーリーで展開の仕方も良かったので最後まで飽きずに見れました。
全体的に退廃的な雰囲気とストーリーの奇抜さが混ざり合って芸術性のようなものも感じました。

斜め上を行く展開が待っていましたえええ~!?っていう展開です。
まさかそういう展開にするとは思わなかったです。
この衝撃はぜひ、ネタバレを見ずに観ていただきたいです。

ブラックユーモアたっぷりで大変シュールなかなり個性的な作品。


YAHOO!JAPAN映画『ダークレイン