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悪事をはたらくと、地獄へ落ちる。


今回ご紹介する映画:『地獄』
英題:『JIGOKU』
製作:1960年日本
日本公開日:1960年7月30日
上映時間:1時間40分
オススメ度:★★★★☆(四つ星!)



予告編動画




『地獄(1960年)』のあらすじ

婚約者がいて、順風満帆な未来が待っているはずの大学生、清水四郎。その婚約者・幸子とは、四郎の恩師である矢島教授の一人娘だった。幸せの真っ只中にいる四郎は、しかし、一方で悪友の田村につきまとわれ、辟易としていた。

矢島教授の家から帰る途中、寄り道の必要があった四郎は、車を運転する田村に行き先変更の旨を告げる。しぶしぶ承諾した田村は、途中で、酔っ払って道路の真ん中でフラフラしている男をはねてしまう。

四郎と田村はその場から逃げ、翌日以降の新聞やニュースでも、犯人が不明である事が報道される。安心する清水は、一方で、酷い罪悪感に苛まれる。ある日、四郎の下宿先に幸子は顔を出す。四郎は幸子に全てを話し、警察に自首する事を決める。

しかし、その途中で、四郎たちの乗る車は事故にあい、幸子は帰らぬ人となるのだった。




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先日、コメントをよく書いて頂いているベラデンさんから教えて頂いた映画『地獄』という映画を鑑賞しました。

1960年製作のかなり古い映画で、わたしはタイトルは辛うじて聞いた事がある、昔レンタルビデオショップでタイトルを見た事があるというような感じです。

「地獄」をモチーフにした映画はたくさん製作されていますね。この後だと、1979年と1999年に『地獄』というタイトルの作品が製作されているようです。最近だと、TOKIOの長瀬くん主演の『トゥーヤングトゥーダイ! TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』なんかが、印象に残っています。

地獄をどのように表現するのか。そこに興味もあり、また自分からすすんで1970年代以前の映画は鑑賞する事がないため、一体どんな作品なのか、ドキドキしながら鑑賞しました。

という事で、今回は『地獄(1960)』の感想を書いていくんだぜ?




『地獄(1960年)』のスタッフとキャスト

監督・脚本:中川信夫
脚本:宮川一郎
製作:大蔵貢
企画:笠根壮介
撮影:森田守
美術:黒澤治安
照明:石森造
録音:中井喜八郎
編集:後藤敏男

出演者
清水四郎:天知茂
矢島幸子、谷口サチ子(二役):三ツ矢歌子
田村:沼田曜一
清水剛造:林寛
谷口円斎:大友純
清水イト:徳大寺君枝
矢島教授:中村虎彦
矢島芙美:宮田文子
剛造の妾絹子:山下明子
草間医師:大谷友彦
赤川記者:宮浩一
針谷刑事:新宮寺寛
志賀恭一:泉田洋司
母やす:津路清子
情婦洋子:小野彰子
刺青の老人:石川冷
漁師:石川朔太郎
閻魔大王:嵐寛寿郎(カメオ出演)




jigoku_1960



『地獄(1960)』の感想

いやぁ、これ、カルト映画に分類されるんじゃないかな?っていうくらい、ものすごい独特の映画でございました。

声を大にしてオススメできる作品ではないのですが、わたしは、非常に楽しむ事ができました。

映画のストーリーよりも、役者さんの演技と映像美、演出などを楽しむような作品となっていて、けれどテーマを強く主張している訳ではないという、不思議な映画でございました。

ジャンル分けも難しいですねぇ。終盤だけみたらホラーですけど、それまでは、どちらかというと、スリラーに近い。なんとも摩訶不思議な作品でございました。




『地獄(1960年)』の良いところ

俳優さんの演技がすごい

この頃のお芝居というのは、今みると、わざとらしいと感じるかもしれないですね。本作も、結構きつめのお芝居を披露してくださる俳優さんがいますが、これが強烈に良かった。個人的には主人公の親友、というか厄病神みたいなキャラクターの田村がすごかった。目力もあるし、喋り方や所作がなんともいえない不気味さを醸し出していて、存在そのものが、個性的。主人公は控えめな感じなので、そのコントラストが鮮やかでした。

役者さんの演技によって、なんでもない人たちがなんとも不気味に見えるという点も気に入りました。本作は、とにかく不気味な人が多いです。



演出が独特

劇中の演出については、基本ラインはシンプルです。しかしながら、独特の演出を採用しているシーンもあります。色彩については、今の映画では見る事のない、奇抜な使い方をしています。『サスペリア』と似ている、そんな風に感じました。昔のクリエイターは、色というものをすごく活用していたように思います。改めて、色彩の持つパワーというものを感じました。

音楽も、なんともいえない、不思議なものになっております。また、カットについても、かなりユニーク。当時だと当たり前の手法なのかもしれないですが、ぶつ切りのようなカット手法は、すごく本作にマッチしていて、良かった。トータルで、本当に摩訶不思議な印象の作品でしたね。



終盤30分の地獄がエグい

ラスト30分の地獄描写がですね、なんともいえません。すごく生々しくて、気持ち悪い。生理的嫌悪感を伴うようなシーンの連続です。それまでは、抑え目の演出だっただけに、この地獄でのはっちゃけ振りは、凄まじいものを感じました。ちなみに、ここでのシーンは一部グロテスクな描写も登場します。苦手な人は注意!



『地獄(1960年)』の悪いところ

まるで死神のような主人公

もはや「生物兵器」とも言える江戸川コナン君並みに、本作の主人公である清水くんは、次々と人を死に導いていきます。もう何もしない方がいいんじゃないか?というくらい、周囲の人々を不幸にしていきます。この点において、もしかしたら、ご都合主義と映ってしまう可能性があります。理由のない物語展開と感じる事もできるし、そうなると、整合性に重点を置く人は受け入れる事ができない展開となっております。連鎖反応的に人々が死んでいくという、とんでもない物語でございます。


結局のところ、なにが言いたいの?

本作のテーマは、おそらくですけど、すごくシンプルです。「悪い事をしたら、それ相応の罰がくだる」。まぁ、因果応報ってやつですな。ただ、それを言いたいだけに、これほど奇妙奇天烈なものを作ったの?なんで??って思う人も、いるかもしれないですね。もっと高尚な哲学を求めて鑑賞すると、失敗しちゃいます。



『地獄(1960年)』のまとめ

個人的には、舞台演劇っぽいなぁとも感じ、最後まで楽しむ事ができました。なんとも言えない魅力のある映画でございます。

グロ描写と古い映画に関して耐性のある映画大好きっ子にはオススメしたい映画。

ベラデンさん、改めて、この『地獄』という映画を教えて頂き、ありがとうございました!ベラデンさんには、他にもいくつか映画を教えて頂いたので、近いうちにそれらの作品も鑑賞したいと思います。

ちなみに、Netflixオリジナル作品にハロウィンを題材にした2015年の洋画『地獄』という作品があります。最初に挙げた他の地獄モチーフ作品も含めて、そのうち、鑑賞したいですねぇ。




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『トゥーヤングトゥーダイ! TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』






↓ここからネタバレあり。注意!↓





『地獄(1960年)』ネタバレあり感想

妄想が捗る作品

わたしは、この映画、全編、地獄における描写があるのかと思っておりました。予想外にも最初は普通の人間ドラマだったんですが、実は、不思議な設定?が点在しているんですよね。一番印象に残っているのは、清水が橋から突き落としたはずの友人・田村の出現。田村は拳銃を持って突然現れます。その田村は幽霊かと思うけど、そうではない。物理的な接触ができるので、田村氏は、そこに存在している訳です。

そうなると、かなり高い場所から落ちた田村氏は、なぜ、頭を打ったにも関わらず生き延びたのか?という疑問が出てくるんですが、そのあたり、完全にスルーされています。しかも、この時の田村氏は、言葉を発しても、抑揚がなく、顔も青白い。やはり死者のようなんですよね。一体、これはどういう事なのか。

これは、個人的な解釈になりますけど、おそらく最初から実は地獄での描写だったのではないかと。終盤30分以降は、ひたすら責め苦を見せ続けているんですが、それまでのシーンは、主人公に「自分がどれだけ酷い事を、どれほどの罪をおかしたのか、という事を改めて認識させるためのフィルムだったのではないのかなぁ。だから、より罪の意識を感じるように、過去を再構成して、主人公に見せたのではないか。

そう考えても、解決しない疑問はありますけどね。鑑賞後に色んな話ができる映画であると思います。




『地獄(1960年)』のレビューや評価

確かにこいつは地獄行きだなと思うものもいれば、主人公なんかは殺したと勘違いされ
地獄行きになっている感じだし。映画より舞台でみたくなる作品。

独特なムードがありますね。それはテンポがスローなこととも関係あるのかも。ただそれは見ててじれったいことと表裏一体でもあると言うか。特に地獄のシーン。芸術性高いのは認めますが、かなり疲れました・・・

オープニングの“新東宝”のマークのギラギラ感から既に怖い作品で、“登場人物が全員罪人で、最後には全員地獄行き”という展開は、恐怖を通り越してシュールな感覚を想起させます。


YAHOO!JAPAN映画『地獄(1960年)』