地獄への入り口は3つある。
 1つは砂漠に。
 2つは海に。
 そして、もう1つはエルサレムに―。

   審判の日は訪れた。「タルムード」より



今回ご紹介する映画:『エルサレム』 / 原題:『JERUZALEM』 / 製作:2015年イスラエル / 上映時間:1時間35分
オススメ度:★★★★☆(四つ星!)


予告編動画




『エルサレム』のあらすじ

1年前に大好きだった兄が他界し、ひどく落ち込んでいたサラは友人のレイチェルとともに、傷心旅行へと出かける。飛行機の中で出会った人類学者のケヴィンと意気投合。ケヴィンはエルサレムへ向かうのだという。ケヴィンを気に入ったサラは、ケヴィンに付いていき、エルサレムへ到着先を変更する。

独特の空気と街並みに心を奪われる一行。だが、ケヴィンの様子が、徐々におかしくなってしまい、ついにはホステルの従業員であるオマールに連れられ、とある施設へ運ばれる。そして、贖罪の日。軍機による街への爆撃をキッカケに、エルサレムは炎と闇の使者が跋扈する<地獄>へと変貌するのだった。




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TSUTAYA DISCAS の動画配信で視聴した『エルサレム』という映画。本作はイスラエル映画という事で、おそらく、わたしは初めて観たんじゃないでしょうか。予告編を見る限りでは、かなり面白そうで、ワクワクしながら鑑賞しました。「贖罪の日」やエルサレム独特の宗教状況など、知識がないとあまり楽しめない、意外とハードルが高い上に、POV形式の作品なので、かなり敷居の高い映画。

ちなみに、POVというのは「ポイント・オブ・ビュー」の略で、一人称視点で描写される撮影手法の事。有名なのは『ブレアウィッチ・プロジェクト』や『ヴィジット』、『クローバーフィールド/HAKAISHA』などですね。ああいう映像の事をPOVと指します。

さて、本作の評価は、人によってマチマチで、両極端に分かれる作品のようです。かなり映画の趣味が反映する作品らしい。

という事で、今回は『エルサレム』の感想を書いていくんだぜ?



『エルサレム』のスタッフとキャスト

スタッフ
監督・脚本・製作・編集:ドロン・パズ、ヨアヴ・パズ
撮影:ローテム・ヤーロン
編集:ルート・ハーン
製作総指揮:ジェイクド・ベレンソン、パトリック・エウォルド

出演者
キャスト
レイチェル:ヤエル・グロブグラス
ケヴィン:ヨン・トゥマルキン
サラ:ダニエル・ヤドリン
オマール:トム・グラジアニ




JERUZALEM



『エルサレム』の感想

意外とよく出来たPOV形式の雰囲気ホラー。個人的には、かなり面白かったです。


『エルサレム』の良いところ

前半は事件などは特に起きないものの、エルサレムの街並みと雰囲気、独特の不気味さが出ていて、観ていて飽きませんでした。POV形式なので、観光している気分にもなって、かなり良かったです。後半は、他のホラーとは異なる恐怖があり面白く、そして楽しめました。

また、低予算でありながら、CGは頑張っています。人の背中から黒い翼の出るシーンは、かなり格好良くできていて、個人的には大好きですな。

スマートグラスという新しいデバイスを用いて映像を撮影するという設定は、本作独特のもので、このアイデアは素晴らしい。POV映画の弱点を克服していて、今後、POV作品のスタンダードになるかもしれません。スマートグラスは、早い話がスマホ機能のある眼鏡の事です。必要な情報を手軽に参照できますから、観客にも、さりげなく情報を補完する事ができるのです。

ほとんどがゲリラ撮影だったという本作。そのため、監督が意図していない異様な緊張感が全編通して包み込んでいて良かったですね。



『エルサレム』の悪いところ

題材がいいので、どうせなら、フェイク・ドキュメンタリーとして仕上げても良かったかもしれません。まぁ、これは「ないものねだり」のような気がするので、おっさんの戯言です。

後半に登場するクリーチャーについては断片的な映像でしか登場しないため、もっと、はっきり描写して欲しい人には、あまり向いていませんね。わたしは、チラリとしか登場しないという演出については、かなり好印象。イマジネーションによって、ストーリーを補完する事できて、大変楽しめました。

あと、主人公のサラが、かなり自分勝手で、イライラしました。



『エルサレム』のまとめ

アンフレンデッド』を彷彿とさせるような、独特の映画で、とても良かった。「ホラー映画はこうあるべき!」というものを持っていない人で、さらにPOV作品が好きな人であれば、鑑賞してみてはいかがでしょうか?

POV作品が苦手であったり、それほど好きではない人は、あまり楽しめないかな?




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『エルサレム』ネタバレあり感想

目新しいアイデアはないにも関わらず、映画の舞台をエルサレムにした事で、今までのホラー映画のアイデアに違った命が吹き込まれた、そんな印象を受けましたね。

地獄の門が開き、人々が悪魔になっていく。悪魔に傷をつけられたものは、自ら犯した罪を意識しながら悪魔にゆっくりと変貌していく。いろんな映画のアイデアが、エルサレムさながら入り混じり、独特の雰囲気を演出。ラストで悪魔に変わったサラが付けていたスマートグラスを通して、地獄の始まりを観客に提示する。

最初から最後まで、個人的には、すごく楽しめた映画。サラに対しイライラは募りますが、それでも非常に満足のいく作品でした。DVDが欲しいね!



『エルサレム』のレビューや評価

怖くもなければ何ともない。

全体の半分以上はエルサレム観光です、ダラダラと何も起こりません。後半、急に物語が動きますが、なんの説明もないので何が起こっているのか分かりませんでした。(映画紹介の解説読んで分かったくらいです)そしてクライマックス!暗闇の中で一瞬見える悪魔の姿を捉えるのに、私は動体視力を全開にしなくてはなりませんでした。暗くて見えない。速すぎて見えない。画像がブレたり荒れたりして見えない。そして極めつけ、ストーリーなんて全然ないです。

エルサレムの雰囲気を堪能できた。
ここは何がいようと何が起きようと不思議じゃない畏怖感を感じるな。
異形のものの造形もよかった。でかいのとか、もっとじっくり見たかったけどね。
けっこうスリリングでおもしろかった。
ヒロインのパニックぶりにはイライラするんだけど、こっちまでドキドキしてくる感じでした。


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