潜入開始。



今回ご紹介する映画:『ゴースト・イン・ザ・シェル』
原題:『GHOST IN THE SHELL』
製作:2017年アメリカ
上映時間:2時間
オススメ度:★★★★★(五つ星!)



予告編動画





『ゴースト・イン・ザ・シェル』のあらすじ

近未来。少佐(スカーレット・ヨハンソン)は、かつて凄惨(せいさん)な事故に遭い、脳以外は全て義体となって、死のふちからよみがえった。その存在は際立っており、サイバーテロ阻止に欠かせない最強の戦士となる。少佐が指揮するエリート捜査組織公安9課は、サイバーテロ集団に果敢に立ち向かう。(シネマトゥデイ


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日本の人気アニメ『攻殻機動隊』を実写映像化した『ゴースト・イン・ザ・シェル』。公開日の翌々日に109シネマズエキスポシティにて鑑賞してきましたよ。今回鑑賞したバージョンは、次世代IMAX 3D 字幕版です。実は、先日MX4D 3D 吹き替え版も鑑賞したんですが、こちらの感想は、後日、改めて。

今回は次世代IMAX 3D 字幕版の感想を書いていくんだぜ?




『ゴースト・イン・ザ・シェル』のスタッフとキャスト

原作:士郎正宗
監督:ルパート・サンダーズ
製作:アヴィ・アラッド、アリ・アラッド、スティーヴン・ポール、マイケル・コスティガン
製作総指揮:ジェフリー・シルヴァー、藤村哲哉、野間省伸、石川光久
脚本:ジェイミー・モス、ウィリアム・ウィーラー、アーレン・クルーガー
撮影監督:ジェス・ホール
衣装デザイン:カート・アンド・バート
視覚効果プロデューサー:フィオナ・キャンベル・ウェストゲイト
視覚効果スーパーバイザー:ギヨーム・ロシェロン

出演者
少佐:スカーレット・ヨハンソン
バトー:ピルー・アスベック
荒巻:ビートたけし
オウレイ博士:ジュリエット・ビノシュ
クゼ:マイケル・ピット
トグサ:チン・ハン
ラドリヤ:ダヌーシャ・サマル
イシカワ:ラザラス・ラトゥーリー
サイトー:泉原豊
ボーマ:タワンダ・マニーモ




ghost_in_the_shell



『ゴースト・イン・ザ・シェル』の感想

実は鑑賞するつもりはなかったんですよね、最初は。けれど、映画館で予告編を見た瞬間、「これは見なければいけない!」と感じ、公開を心待ちにしておりました。

いやぁ、不安はすごくありました。海外でも人気の作品ではありますが、どのような作品に仕上げるのか。

けどですね、そんな不安は杞憂でございました。なんですか、これは。むちゃくちゃ凄い作品ですよ!!

よくぞ、ここまで『攻殻機動隊』を実写映像にしたなぁ。悔しいですよ、ほんと。なんで、日本でこれができないんだ!!さらに悔しいのは、日本企業が出資しておらず、中国の映画製作会社が製作費を出資してくれている事です。日本の映画製作会社は、なにやってるんだって感じ。

この作品を否定すると、おそらく『ダークナイトライジング』やマーベル・シネマティック・ユニバースなどはもちろん、平成仮面ライダーや、今やってる戦隊ものも「ゴレンジャーではない」という事から、全て否定しなくてはなりません。それくらい、この作品のクオリティーは半端ではない。

撮影の最中、スタジオに行った押井守監督が太鼓判を押した理由がわかりました。すごく面白いぜ!




『ゴースト・イン・ザ・シェル』の良いところ

内容は無理のないように、映画版である押井守監督作品の『攻殻機動隊』と、TVアニメシリーズ『STAND ALONE COMPLEX』のストーリーを上手に融合させ、また初心者にも比較的わかりやすいように、解説が必要ない易しい物語に変換されていました。とはいえ、『攻殻機動隊』独特の哲学的な投げかけは、ちゃんと存在しており、派手なアクションはあるけれど、人の内面的な展開をメインに据えている、ちゃんと『攻殻機動隊』していた映画です。

また、キャラクターも無難に実写として再現されており、特に少佐は良かった。スカーレット・ヨハンソン演じる少佐は、強い面はもちろん、アニメの草薙素子にはない少女のような線の細い感情がチラチラ見え隠れしており、実写映画ならではのキャラクターとなっていました。トグサもバトーも、いい感じに再現されていましたよ。

敵キャラクターとしてクゼが登場しますが、このクゼ、最初はかなり不気味な造詣をしているんですが、後半になると、かなり格好良いキャラクターに変化しました。クゼを演じたマイケル・ピットの演技、わたしは大好きですね。正体がわかっても、なお、とらえどころのない、独特の雰囲気を漂わせていて、大好きなキャラクター。アニメ版とは色々と異なるキャラクター像なんですが、不思議としっくりくる事に驚きました。

シーンひとつひとつをとっても、実写映像にしたいシーンがはっきりしていて、「これだけは、なんとしても撮影しなければ!」という製作陣の強いパッションを感じる事ができました。アニメの名シーンたちが次々とスクリーンに実写映像として映し出される度に、鳥肌がたち、ニヤリとしてしまいます。『攻殻機動隊』という作品をとても研究されているんだなぁと同時に、すごく好きなんだなぁという事が伝わってきて、本当に素晴らしい映画でございました。

原作へのリスペクトが惜しみなく注がれている会心の一作です。




『ゴースト・イン・ザ・シェル』の悪いところ

実写映画オリジナルストーリーとなりますので、基本的に原作版しか認めないとか、アニメ版しか認めない人には辛いでしょうね。



『ゴースト・イン・ザ・シェル』のまとめ

はっきり言うと、この実写映画が許せない人というのは、漫画のアニメ化も含めて、全ての映像化が許せない人でしょう。それくらい、本作は『攻殻機動隊』を見事に実写映画として描いております。

さて、可哀想だなぁと思うのは、これから公開される日本で製作された実写映画作品の数々です。マーベル・シネマティック・ユニバースやDCエクステンデッド・ユニバースの作品は面白いはずで、ガッカリする事はないでしょう。けれど、『鋼の錬金術師』とかね、頑張っているのはわかるけど、そもそも予告編の画質が……可哀想です。

本作は、日本映画で例えると、10本以上は製作できるほどの製作費を投入されています。「そりゃ、いい作品できるわ」と切り捨てるのは誰にでもできる事で、危機感のある人はこう考えるはず。「逆に、そこまでのお金をかけなければ、実写映画はできない」と。

日本の映画製作会社の方々、漫画やアニメの実写映画を企画する時は、もっと真剣に考えないといけませんぜ。ぜひ、本作を鑑賞して、もう一度、最初から映画製作を学んで欲しいと思います。

個人的には、新しいシリーズとして、続編を製作して欲しい。次は「笑い男事件」かな??




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↓ここからネタバレあり。注意!↓





『ゴースト・イン・ザ・シェル』ネタバレあり感想

少佐が活躍した後に、少佐を救うのが、サイトーであり、ハンカ社長の前に現れたのが荒巻だったのが、とても良かった。サイトーはおそらくもっと活躍させたかっただろうけど、そうすると、ストーリーがぐちゃぐちゃになるので、最後の最後に持ってきたのかと。また、荒巻に幕をおろさせたシナリオには脱帽。本当に『攻殻機動隊』を愛しているんだろうなぁという事がわかって、この映画に関わった方々にお礼が言いたい。本当に良かった。

草薙素子という名前は登場しないというアナウンスがあったものの、最後に「草薙素子」の名前が登場するのには、背筋がゾクリとしました。よほど「草薙素子」という名前を出したかったんだろうなぁ。それくらい特別な意味を持つ名前であることを、シナリオを担当した人はわかっていたんですね。「草薙素子」の名前の登場の仕方に、「こんな方法があったとは?!」と映画館なのに、席を立ちそうになりました。

2回見たけど、あぁ、もう一回観たい。観たいぞぉ!!




『ゴースト・イン・ザ・シェル』のレビューや評価

ストーリーは素子誕生のプロローグでうまくまとめたと思います。スカヨハがなぜ素子なのか理解。その他の配役もよかったと思います。

攻殻ファンからは賛否両論ありそうですが、SFアクション好きの方や映像の美しい映画が好きな方にはオススメです。

オタクには、不評のようですが、普通に面白い。とても良くできた作品です。
映像の美しさは、格別でした。


YAHOO!JAPAN映画『ゴースト・イン・ザ・シェル