今回ご紹介する映画:フッテージ(SINISTER)
オススメ度:★★★★☆(四つ星!)

予告編動画


<あらすじ>
作家のエリソン(イーサン・ホーク)は、妻と子どもの一家4人で郊外の家に転居してくる。
そこは一家が首をつるという残酷な事件の現場となった家で、エリソンは事件に関する新作を書くために越してきたのだった。
その夜、エリソンは屋根裏部屋で映写機と8ミリフィルムを見つける。
フィルムには楽しそうな家族が、一転して首をつられていく様子が記録されていた。
by シネマトゥデイ

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今回はDVDで鑑賞したホラー映画「フッテージ」の感想を<ネタバレなし>で書きます。

この映画は続編の「フッテージ2(原題SINISTER2)」があるようです。日本での公開はまだ未定の様子。
主演はイーサン・ホーク。SF映画「ガタカ」「デイブレイカー」「プリデスティネーション」「6才のボクが、大人になるまで。」など、様々な映画に出演している俳優で、個人的には大好きな役者さんの一人です。世間では、いまいち受け入れられていない俳優。もっと売れても良いのに……。

監督は、スコット・デリクソン。異色のホラー映画「エミリーローズ」やキアヌ・リーヴス主演の「地球が静止する日」などで監督を務めている人です。どちらかというと、奇をてらう作品ではなく、定番・王道の作品を手掛ける人ですね。

プロデューサーにはジェイソン・ブラムが参加。彼は「パラノーマルアクティビティ」シリーズや「インシディアスシリーズなどに参加している人で、最近だと「ヴィジット」の製作にも参加しています。

出演者には、TVドラマ「LAW & ORDER」や映画「ダイ・ハード2」に出演していたフレッド・ダルトン・トンプソン、スタンリー・キューブリックの「フルメタル・ジャケット」や2015年に予想外のヒットを記録した「ジュラシック・ワールド」に出演したヴィンセント・ドノフリオなどが顔を出しています。

フッテージ(footage)とは、未編集の映像という意味。
このブログでもPOV形式で撮影されたファウンド・フッテージ作品を多く取り上げていますが、このフッテージの事です。
ちなみに、原題の「SINISTER」は、「不吉な」「邪悪な」といった、とても悪いものという意味。


「フッテージ」の感想

期待せずに鑑賞したのですが、いや、かなり面白い映画でした。
奇をてらうような脚本ではなく、最初に衝撃的な8mmフィルムを提示し、じょじょに怖くなっていくストーリーは、ホラー映画の定番で、とても良い作品。
ゆっくりと家の中が不気味に変化していく様子は、東洋的ホラーに通じるものがあって、恐怖心を煽ります。

展開そのものは、のんびり進行。次第に得体のしれない何かに日常が侵食される恐怖を描写しています。
起伏の激しい作品を好む方には、ちょっと退屈に映る映画かもしれません。


「フッテージ」の良いところ

主人公一家が引っ越しした家に、誰かが8mmフィルムを置いていました。その8mmフィルムに記録されている事件の数々は、果たして、狂人がおこなったのか。それとも、超自然的なものが起こしたのか。8mmフィルムの存在があるので、一体、どっちなのか不明なまま、物語が進行していきます。

「うーん、どっちなんだ、どっちなんなんだぁ!!」

こんな感じで、どんどんストレスが溜まってきます。ストーリーが進むに連れ、イーサン・ホークが憔悴していき、最後には、ある意味、定番の終わり方をしているので、そのフラストレーションはラストにパァン!と弾けます。

また、映画は事件の調査がメインになります。つまりミステリー要素の強い映画。そのため、ホラー映画としてみると「?」ってなるかもしれません。
しかし、見続けていくと、正体不明のなにかに日常が壊されていく怖さが描写され、やがて、8mmに収められている謎の男・ブギーマンの存在に恐怖を覚えるように仕掛けが施されています。

とにかく終始、不気味な雰囲気を醸しながら、進行していく物語。ホラー映画の王道ともいえる作品。安心して鑑賞できる映画でした。


「フッテージ」の悪いところ

良いところが悪いところという事も。
犯人が実際にいるのか、いないのか。幽霊的な存在がいるのか、いないのか。
この点をぼかしながら、ストーリーを進行させるので、はっきりしないと気が済まないという方には、オススメできないという弱点があります。

また、事件の犯行を収められた8mmについて、エリソンが何故、警察に連絡しないのか等の理由について、納得できないと映画に集中できないという脆さもあるかな。

事件の犯人は人か悪魔か。
この点がはっきりしないまま、最後まで突き進むため、ホラー映画が好きな人でも、今まで偏った系統のものしか観ていない人には、つまらないと感じるような作品でもあります。


「フッテージ」のまとめ

ネットでの評価は、好きか嫌いかに分かれているような気がします。
目新しい要素はありません。そのため、革新的なホラー映画を期待すると、がっかりします。

映画の空気を受け入れる事ができるか否か。言い方を変えると、この映画の雰囲気を楽しめるか。
そして、今まで鑑賞したホラー映画の趣味の広さを問われる。そんな映画。
いろんなホラー映画を鑑賞している人なら、楽しめる作品です。


↓ネタバレあり感想↓

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