今回ご紹介する映画:『ドローン・オブ・ウォー』(原題:GOOD KILL)
オススメ度:★★★★★(五つ星!)


予告編動画




『ドローン・オブ・ウォー』のあらすじ

アメリカ空軍に所属するトミー・イーガン少佐(イーサン・ホーク)は、ラスベガスの基地にあるコンテナにいながら、コンピューターで無人機ドローンを遠隔操作し、遠く離れた異国の地の爆撃を行っている。任務が終われば郊外の自宅に戻り、妻のモリー(ジャニュアリー・ジョーンズ)と子供たちと一緒に過ごすのがトミーの日常だった。

by シネマトゥデイ


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映画館で鑑賞しようと思っていたのですが、当時勤めていた会社関係のドタバタで、結局、鑑賞することができなかった洋画『ドローン・オブ・ウォー』。当時勤めていた会社ではラジコンをメインで販売してまして、いわゆる<ドローン>タイプのラジコンの話題で盛り上がったんですよね、社内的に。得意先のお客さんでも探している人がいて、でも、いろいろとトラブルが多発していて、良くも悪くも、世間では、<ドローン>という名前が浸透しつつあった中で公開された映画でした。

厳密に<ドローン>とは、無銭で……ちがう、無線で飛ばす無人機のことですね、簡単にいうと。厳密にはいろいろと定義があるみたいですけれど。

ツタヤディスカスの近日新作レンタルスタートをずっとチェックしていて予約リストに登録できるようになってすぐレンタル予約した『ドローン・オブ・ウォー』。

さて、今回は、『フッテージ』という玄人向けホラー映画にも出演していたイーサン・ホーク主演の映画『ドローン・オブ・ウォー』の感想を<ネタバレなし>で書いていきます。



『ドローン・オブ・ウォー』映画情報

アメリカ軍の対テロ戦争で使用されている無人戦闘機ドローンの実態を、『ガタカ』などの監督アンドリュー・ニコルと主演イーサン・ホークのタッグで描く戦争ドラマ。ラスベガスの基地で無人機ドローンを遠隔操作し、クリック一つでターゲットを爆撃する男の姿を通し、現代の戦争の知られざる真相を映す。共演は、『スター・トレック』シリーズなどのブルース・グリーンウッドや『マッドマックス 怒りのデス・ロード』などのゾーイ・クラヴィッツ。ゲームのように攻撃を実行する現代の戦争の異常性にがく然とする。(映画上映時間:1時間44分)

by シネマトゥデイ


『ドローン・オブ・ウォー』のスタッフとキャスト

スタッフ
監督・脚本:アンドリュー・ニコル
製作:ニコラス・シャルティエ

キャスト
イーサン・ホーク、ブルース・グリーンウッド、ゾーイ・クラヴィッツ、ジャニュアリー・ジョーンズ、他



『ドローン・オブ・ウォー』の感想

いやぁ、予想以上に面白い映画でした。監督と脚本を手掛けたのは、あの『ガダカ』のアンドリュー・ニコルという人で、SFじゃない作品なんて製作できるのか??とか思っていました。すんません!!とっても面白い人間ドラマが展開する重厚な作品でした。ネットでの評判もまずまず。

実に淡々とした映画で、クリント・イーストウッド監督の『アメリカン・スナイパー』とは、また違った戦争の怖さを『ドローン・オブ・ウォー』では描写されていました。主人公の置かれている状況は180度異なるのに、同じような心境と結末に至るというのは、本当に怖い。

『アメリカン・スナイパー』を面白いと感じた人には、ぜひ鑑賞して欲しい映画です。



『ドローン・オブ・ウォー』の良いところ

やっぱり主人公のイーサン・ホークが素晴らしい。主人公で航空機乗りだったトミーの静かな佇まいと、時折見せる脆さを上手に演じていました。じょじょに壊れていく自分の心を感じながら、どうすることもできない状況に苦しむ姿に、胸を締め付けられました。

『アメリカン・スナイパー』とは異なる心の壊れ方を丁寧に描くことにより、別の側面に存在する戦争の恐怖をうまく描写していますね。『アメリカン・スナイパー』では現地で生の戦争、極限の生と死のサバイバルを体験し、そこからスイッチが戻らなくなって壊れてしまう心が描かれていましたが、この『ドローン・オブ・ウォー』では、現地に赴くことなく、パソコンの画面で状況を把握し、ボタンひとつで命を奪う行為を通じ、命の重さを計る天秤が壊れてしまった心を描いています。テクノロジーの発達により、兵士は戦場に行かなくても良くなったのですが、その分、自分の命も含めて、命の重さがより軽く扱われていく事の違和感を、この映画では提示しています。

ドローンを操作してターゲットを攻撃するという単調なストーリーなのですが、意外と起伏のある物語で、ラストまで飽きることなく鑑賞することができます。戦争映画というと、割りと派手な映画が多いですが、『ドローン・オブ・ウォー』は、戦争映画なの??って思うくらい静かなシーンしかありません。ですので、物語は主人公の心理描写を用いて、起伏をつけています。このあたりの物語構成は、さすがだと感じました。

結局のところ、戦争において、現地で戦闘に参加している人も、はるか遠くから戦争に参加している人も、現場で動いている人間の苦痛は、等しく同じなのです。そして、その後の生活さえも脅かす。戦争はその最中もそうですし、終わってからも、ずっと人々を苦しめる最悪の政治的選択なのだと痛感しました。



『ドローン・オブ・ウォー』の悪いところ

『ドローン・オブ・ウォー』の良いところは、静かな映画であるという点なのですが、映画をあまり観ない人や派手な映画をメインで鑑賞している人には、地味なシーンが続く退屈な作品と感じると思います。これは、もう仕方のないところですね。映画が好きな人なら、最後まで、何の抵抗もなく鑑賞できます。


『ドローン・オブ・ウォー』のまとめ

命の駆け引きがないため、戦争映画独特の緊張感がないのかと思いきや、心が壊れるか否かという危ういバランスを描いている映画のため、違う側面での緊張感があって、結果、とても面白い映画になっています。

映画好きになら、おすすめできる、そんな骨太な映画です。腰をしっかり据えて映画を観たいという人は、一度チャレンジしてみてください。


↓ネタバレあり感想↓


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