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今回ご紹介する本:『カーミラ』(著:ジョゼフ・シェリダン・レ・ファニュ)



AmazonnのKindle Unlimitedを利用して、古典に時々ふれている、そんなおっさんです。

今回、Kindleアプリで読んだのは、『カーミラ』です。

『カーミラ』とは、『ドラキュラ』『ノスフェラトゥ』と並び、吸血鬼文学の代表作のひとつと挙げられる作品です。

しかし、『ドラキュラ』『ノスフェラトゥ』は度々映像化されているのに対し、『カーミラ』は、あまり映像化されていません。

そのため、それほどメジャーではない印象。

しかし、『ドラキュラ』にすごい影響を与えたとされているらしいです。

わたしは、てっきり『ドラキュラ』の後に『カーミラ』が発表されたと思っていたので、これにはビックリ。

古典に触れると、今まで知らなかった知識が入ってくるので、楽しいですな。

ということで、今回は電子書籍版『カーミラ』の感想を書いていくんだぜ?




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あらすじ

オーストリアにある城に、父とともに、ローラは住んでいた。ふたり以外には、使用人がいるだけ。

ローラは、小さい頃に、不思議な体験をする。

それは、夜に眠っていたときに目を覚ますと、自分の部屋に見知らぬ女性がいた、というものだった。

女性はローラの布団に入り、優しくローラを抱きしめる。安心したローラは再びに眠りにつく。しかし、その時、ローラは、胸に激しい痛みを感じた。

驚いたローラは泣いて喚いたのだが、使用人たちが駆けつけた時には、あの女性は姿を消していた。

しかし、女性のいた痕跡だけは、部屋に残されているのだった。

それからしばらくして、城の前で佇んでいたローラのそばで、突如、暴走した馬車が姿を現す。

馬車は樹にぶつかり横転。中から美しい少女が運び出されるのだった。




感想(ネタバレなし)

古典ならでは

1872年に発表された古典文学であるため、言い回しが独特です。

そのため、非常に読みにくい。

これは今の翻訳物にも関連しますけど、日本語に変換した時、上手に訳されていないと、何が書かれているのか、理解に時間がかかる場合が多いんですよね。

本作も、結局なにが言いたいのか、わからない箇所がちらほらありましてね。

最初は、かなり読みにくかったです。けど、さすが古典、中盤からドンドン引き込まれてしまいました。

スワイプする手が止まらない!

結果的には、満足感の高い本でございました。




評価わかれる書き方

本作は主人公であるローラの一人称で書かれています。正確には回想して手記にしたためたもの。

ですので、ローラの生死に関するドキドキ感と緊張感はありません。

しかしながら、一人称であるため、一体なにが起きているのか、起きたのか。

そういったものがすぐに解明されず、ラストまで引っ張っていくタイプで、あれこれ考えることができます。




これだけでも、結構、クセのある小説ですが、さらにクセがあります。

謎が謎のまま残されてしまうという点です。

読んでみるとわかるのですが、様々な謎が解明される事なく、作品が終わってしまっているんです。

これはローラの父親や使用人たちが、ローラに情報を伏せている事に起因しているからなんですね。

また、たまたまローラが知らなかったり、聴き逃したりしている事もあるようで、結果、色んな謎の解明がされない。

この点について、スルーできるか、もしくは考察して楽しめるかで、評価がわかれるですなぁ。




カーミラの造詣がユニーク

昨今の吸血鬼像とは、ちょっと異なるカーミラの吸血鬼像は、個人的に面白いなぁって感じました。

民族伝承にある「吸血鬼像」とつながる点と、そうではない点があって、吸血鬼って、色々な特徴を付け加える事ができる存在だからこそ、今でも人気なんだなって思いましたね。

だからこそ、吸血鬼はこうあるべき!って方には、不向きです。




今回の感想のまとめ

最初は読みにくくて挫折しそうになりましたけど、最後まで読み進める事ができました。

結果的に、印象に残る不思議な作品でしたね。

どうして、あまり映像化されないんだろう??

TSUTAYA discus で、昔の映画を探してみようかしら?




という事で、今回はKindle版『カーミラ』の感想でした。

それでは、しーゆー!




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★原著に忠実な訳本。最初に日本で発売されたバージョン。




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