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今回ご紹介する映画:『幕末太陽傳』
製作:1957年日本
日本公開日:1957年7月14日
上映時間:1時間50分
オススメ度:★★★★★(五つ星!)



予告編動画




『幕末太陽傳』のあらすじ

文久2年(西暦1862年)。江戸に隣接する品川宿。お大尽(お金持ち)を装い、遊郭旅籠の相模屋で豪遊した佐平次は、最初、店の者にも金があるように見せていたが、ついに金がないという事を若衆に打ち明ける。そして佐平次は、居残りと称して、なんと相模屋で働きはじめる。要領のいい佐平次は、次々と様々な仕事をこなしていく。最初、仕事を横取りされて憤っていた者たちも、次第に佐平次の器量に感服するようになっていった。みんなから慕われ頼られるようになった佐平次は、しかし、じょじょに体調を悪くしていくのであった。



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父親に勧められて鑑賞した映画『幕末太陽傳』は、白黒映画でございます。この頃の映画って、ほとんど観た事があいませんねぇ。ラストまで鑑賞できるかどうか、不安だったのですが、いやぁ、素晴らしい映画でございました。

という事で、今回は『幕末太陽傳』の感想を書いていくんだぜ?




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『幕末太陽傳』のスタッフとキャスト

監督:川島雄三
脚本:田中啓一、川島雄三、今村昌平
製作:山本武
撮影:高村倉太郎
音楽:黛敏郎
美術:中村公彦、千葉一彦
録音:橋本文雄
照明:大西美津男
風俗考証:木村荘八
特殊撮影:日活特殊技術部
監督助手:浦山桐郎、遠藤三郎、磯見忠彦

出演者:
居残り佐平次:フランキー堺
女郎おそめ:左幸子
女郎こはる:南田洋子
高杉晋作:石原裕次郎
女中おひさ:芦川いづみ
杢兵衛大盡:市村俊幸
相模屋楼主伝兵衛:金子信雄
伝兵衛女房お辰:山岡久乃
息子徳三郎:梅野泰靖
番頭善八:織田政雄
若衆喜助:岡田真澄
若衆かね次:高原駿雄
若衆忠助:青木富夫
若衆三平:峰三平
やり手おくま:菅井きん
貸本屋金造:小沢昭一
大工長兵衛:植村謙二郎
鬼島又兵衛:河野秋武




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『幕末太陽傳』の感想

とにかくテンションの高い映画でございました。ぐー拳で観客を殴りつけるかのような、圧巻の作品。別に暴力映画ではないですよ、時代劇コメディーです。

本作は物語の奇抜さがウリではなくて、品川という街に集まった人々の生活を描くというもの。ラストにすごい事件は起きますけど、それさえも、ちゃんと描写しておりません。

人々を描くという事に重点を置いている潔さが、とても良いですね。

映画好きであれば、楽しめる一作となっております。




『幕末太陽傳』の良いところ

すごい組み合わせ

フランキー堺さんと石原裕次郎さん。一緒に湯船に浸かっているシーンは、なんともすごいですな。とんでもない組み合わせです。昨今の俳優さんでは、ちょっと再現できないような、なんとも言えない重厚さと軽快さという、不思議な面持ちを抱かせる組み合わせでございました。

わたしは若い頃の石原裕次郎さんを知らない世代なんですけど、「あぁ、こりゃ、人気でるわなぁ。。。」っていうくらいの美青年でした。



やりとりが面白い

本作の一番の見どころ。それは、キャラクターたちによる掛け合いです。一癖も二癖もある登場人物たちがいろんな理由で衝突する展開は、盛り上がりがわからないという人もいるかもしれません。しかし、人々のやりとりに面白みを見出せる人であれば、これほど、楽しい映画はなかなかないのではないでしょうか。邦画はこの方向へ行く方がいいのではないか?と改めて思わせる、良作でございます。


役者さんのパワーがすごい

フランキー堺さん、石原裕次郎さんという二人はもちろんの事、脇を固めている人々を演じる役者さんも、とても上手です。ちょっとした台詞を発する時の所作や表情、会話の間などで、観客を楽しませてくれる映画です。


動きがもはや演劇

動きが計算されている、としか言えない演出が多々あります。長回しも多用しているんじゃないですかね?ワンカットで、複雑な動きをするシーンが結構あって、こりゃすごいってなります。言われなければ、見過ごすくらい自然なんですよ。これまた凄い。父親が「動きがとんでもない」と言っていたのですが、確かに複雑な導線による演劇的な演出で、改めてとんでもない映画だって思いました。


居残りさんのキャラがとてもいい

主人公のいのさん事居残りさんがすごくいいキャラクターなんですよね。基本的に、行動の動機はお金なんですけど、それだけではない事が、ストーリーが進むにつれ、判明していきます。最初、「なんじゃ、こいつ?」って思うかもしれませんが、だんだん好きになってきますよ。最初は煙たがられていたのに、最後には皆から頼られる、一目置かれる存在になっちゃう。王道の物語ですが、侮るなかれ、です。


『幕末太陽傳』の悪いところ

すごくせわしない

最初にテンションが高いと書きましたが、この映画、俳優さんさんの独特の動きもあって、かなり忙しい作品です。昨今のPOV映画のような手ぶれとか、そういうのではなく、画面のキャラクターたちがせわしなく動きまくっているんですよ。おまけに、マシンガントークのように台詞をまくしたてる、たてる。

個人的には、そういう点、嫌いじゃなく、むしろ大好きなんですけど、苦手な人もいるかな?そういう方は、ちょっと注意が必要です。



人々のやりとりをどう感じるか?

邦画が面白くないと感じる人の特徴のひとつとして、キャラたちの掛け合いに面白みを感じるか否か、があると思います。邦画は予算が海外の映画に比べて極端に少ないですよね。だからこそ、アイデアであったり、多少新鮮味のない物語でも、キャラ同士のやりとりで笑いや共感を想起させるような工夫がなされています。この工夫に面白みを感じる事ができなければ、本作は本当につまらない、退屈な映画になってしまいます。

というのも、本作は群像劇に近い作品で、主人公に特別な目的がないため、ひたすら「こんな事があったよ」というような映像日記みたいな部分があるんですよね。だから、すごい事件は起きない。小さな事件はしょっちゅう発生するんですけどね。

ストーリーにわかりやすい盛り上がりがないため、そういう要素がないと映画が見れないという方には、オススメできない映画でございます。




『幕末太陽傳』のまとめ

いやぁ、笑いましたよ。フランキー堺さんが、本当にいい感じに居残りさんを演じていらっしゃいました。DVDは結構高値で販売されているんですよねぇ。ここらで、改めて再販してくれないかしら?

ちなみに、本作、助監督に今村昌平さんがクレジットされておりまして、それにもびっくりしましたね。




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『幕末太陽傳』ネタバレあり感想

最後に居残りさん、死んじゃうんじゃないかって心配しましたけど、不安は残るものの、新天地目指して旅立っていきました。でも、短い命、なんでしょうね。結核を患っていた居残りさんは、一体、どのようにして現世と別れを告げたのかってところにも興味があります。なんともいえない結末で、いろんな解釈ができます。

群像劇であるが故に、いろんな発見や気づきのある作品でした。人々を通じて、縁や想い、愚かさ、浅ましさ、儚さ、家族愛などなど、様々なものを再認識させてくれます。

個人的には、超オススメの映画でございます。




『幕末太陽傳』のレビューや評価

フランキー堺さんの一挙手一投足に釘付けになりました。目の演技が素晴らしい。
これは永遠に色褪せない日本人なら観ておくべき不朽の名作です。

練りに練られた作品。役者も芸をきちっとやって、その結果として笑いが起こる。アドリブもあるかもしれないが”劇”なのだ。落語が元ネタだが、皆が知っているだけに料理の仕方がコケたらアウト。それを見事に料理しきっている。
だから、何度見直しても新しい発見がある。消耗品ではない、芸術品。


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