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映画好きな四十郎のおっさん999でございます。

今回の記事は、2018年9月11日に公開した記事を再編集したものとなっております。ご了承ください。



前回書いた映画のネタバレなし感想は『富江(1999)』というホラー系邦画でございました。

ということで、今回は『富江(1999)』のネタバレあり感想になります。




ちなみに、先程、ホラー系、と書いたのには理由があります。

厳密にいうと、本作はホラー映画ではないような感じがします。

演出やストーリーは間違いなくホラーではあるのですが、それをメインにしている訳ではない……海外のホラー映画『FOUND ファウンド』に近いものを感じます。



見る人によってジャンルが変容する風変わりな映画ですね。

ストーリーは、かなりグロい作品ではありますが。




他の方の感想を読んでみると、かなり極端に評価が分かれるのも、本作の特徴。

原作が伊藤潤二さんなので、原作マンガを知っていると、別ベクトルで「富江」を描写した本作を許容できなかった感じでしょうか。その気持ちは、わかります。

原作を知らないと、心地よい気味悪さを味わう事ができる作品。

原作未読の方には、そこそこ好印象に映る作品で、おっさんはこちらのタイプでした。




さてさて。

今回のネタバレあり感想では、わたしが気になった部分をフォーカスして、色々と書いていきたいと思います。

でも、原作を知らないので、かなり的はずれなことを書くかもしれません。

あくまで、本作を鑑賞しただけの映画好きなおっさんが抱いたものを綴るので、その点を考慮頂けると幸いです。




そんな訳で、『富江(1999)』のネタバレあり感想を書いていきたいと思います。

本作を鑑賞していない方は、ご注意ください。







ネタバレなし感想





ネタバレあり感想

結局、富江の正体は何だったのか?

一瞬、富江って実在しない、月子の別人格?とか思いましたが、違いますね。

富江の名前が警察の資料に残っているし、他の人の記憶にも確かに富江が存在する。

幽霊でもないし、であれば、富江とは一体なんだったのか?




劇中において、富江は、自分の事を「化物」と言っていましたので、そりゃそうなんでしょう。

しかし、本作では最後まで富江の正体が明かされる事はありません。

であれば、富江の正体というのは、観客の想像、イマジネーションに任せますよって事なのかもしれません。




ということで、おっさんが感じたのが、本作における富江という女性は、人のコンプレックスの集合体として描写されていたのではないかと。

男性であれば、誰でも美人な方に狂わされたい。

女性であれば、全てを魅了する、狂わせる者になりたい。




心の奥底では、そういう願望があるのではないでしょうか。

その全てを「不老不死の女性」というキャラクターに集約したような、そんな感じがしました。

そして、最後には、それらを必ず壊さないといけないという「ルール」。

結局のところ、自分たちは「富江」に至る事ができないから破壊するという、人の性を垣間見たような気がします。




月子は分裂した富江?

観念的な話は置いておいて、劇中では富江が月子に意味深な台詞を発しています。

「あなたは、わたし」と終盤に富江が月子に話すシーンで「うん?」と一瞬、首を傾げてしまいました。

二重人格とかではないから、一体どういう事なのか。

そもそも、なぜ富江は月子に執着するのか。




考えてみると、この「月子」と呼ばれている彼女もまた、本当に「月子」なのかが、わからないんですよね。

劇中では月子は高校での事件があって、記憶喪失になり、心配した母親が引っ越しさせたと、刑事さんが話していました。

しかし、月子は母親を邪険にしており、劇中で母親と月子は出会う事がありません。

つまり、今の「月子」を本当の月子であると断言できる人物が存在しないんですよね。

だから、もしかしたら、本当の月子は事件の時に死んでしまい、代わりに首がナッシングなボディが「月子」に変身したのかもしれません。




けど、なぜ月子になったのかは、わかりませんけどね。

ここで辻褄が合わなくなり、この考えも、結局、違うんじゃないかと思ったりしますね。

結局、このふたりの関係性が最後までわからずって感じでした。

そこが本作の良いところなんですけどね。




実は計算された不親切な演出かも?

考察していくと、意味不明な事態に陥ってしまう本作。

「Yahoo!映画」というヤフーのレビューサイトがまだあった時、そこで、本作のシナリオを読んだという方がいらっしゃいました。

調べてみると、『映画「富江」FILM STORY BOOK』という本が販売されていたようです。



その本には、本作の脚本が掲載されているみたいなので、おそらく、この書籍をお読みになったのではないかと。



で。

シナリオは、ちゃんとしていたらしいんですね。




視聴後、本作の脚本を一読して驚いた。
完成映像では訳がわからなかったシーンの意味を知り、
脚本の出来の良さが映像に反映されなかったことを知った。

最もダメだったのが、ラストシーン。
鏡を覗いている月子の隣に、
ニコニコした富江が顔を近づけるシーン。
これが脚本では「鏡を覗き、富江化した自分に驚く月子」
というシーンなのだ。



最後に月子が富江になってしまうという衝撃的なラストシーンなのですが、映像ではあまりにも情報が少なくて、真相に気付ける人はほとんどいないという状況です。

このレビューを書かれた方は、「脚本を上手に映像化できていない」と指摘されています。

確かに、その指摘には納得。




けれど。

もうちょっと変な方向に考えを巡らせると、映像にする時に、あえて情報を削ぎ落としたとも考えられるんです。

だって、脚本を書いたのは監督自身なのですから。

考察する人を煙に巻こうと、わざと、ずらした演出をした可能性もなくはないかな?というのが、おっさんの考えた結論です。

ただ、それが成功したかどうかは、別の話ですけどね。





口コミレビューや評価

下記サイトで『富江(1999)』レビューや評価をチェック!

Filmarks

映画.com




今回のネタバレあり感想のまとめ

考察すればするほど、意味がわからなくなる映画。それが『富江』です。

個人的には好きな邦画ではありますが、楽しむには独特のセンスが必要なので、他の方にはオススメできないという作品。

興味のある方は、体調が万全な時に鑑賞する事をオススメします。




という事で、今回は『富江(1999)』のネタバレあり感想でした。

そんな訳で、今日はこの辺で。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

映画好きな四十郎のおっさんでした。

それでは、しーゆー!




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