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少し前に話題になった小説「その女アレックス」。
翻訳小説は基本的に読みにくいと思っているので、友人に勧められるまで、読む気はありませんでした。

「なかなかおもしろかったよ」

という事で、今回は友人に借りて読んでみました。

おまえが死ぬのを見たい―男はそう言ってアレックスを監禁した。檻に幽閉され、衰弱した彼女は、死を目前に脱出を図るが…しかし、ここまでは序章にすぎな い。孤独な女アレックスの壮絶なる秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、最後に待ち受ける慟哭と驚愕へと突進するのだ。イギリス推理作家協会賞受 賞作。

第一部、第二部、第三部と三部構成になっていますが、まぁ展開がすごい。
第一部は翻訳小説特有の読みにくさがあり、また少々前置きが長いので読みにくいのですが、第二部以降、作品の魔力に引きずり込まれていき、一気に読んでしまいました。

魅力ではなく魔力。
この作品の賛否は、まさにそこにあるのではないかと思います。

私は映画でもアニメでもそうですが、作品の中に入りこんでしまうタイプです。
いうなれば、主観的に物語を楽しむ人間なんですね。
主人公の性別は関係ありません。
そういうタイプの人は、きっと最後まで読み切って、この本を楽しめると思います。

ですが、客観的に物語を楽しむ人には、前半部分が「粗」に見えてしまい、矛盾していると誤解してしまうかもしれません。
たとえば、句読点の位置を気にするタイプ。
また純粋なミステリーではないので、がっつり推理ものを期待すると、これまたはずしてしまいます。

どちらにせよ、すごく読み手を選ぶという点において、M・ナイト・シャマラン監督に良く似ています。
シャマラン監督の作品がすきなのであれば、一度読んでおいて損はないと思います。
Kindle本も出てますし。

シャマラン監督作品は合わないという事であれば、あまり楽しめないと思います。

他の作品も出ているので、読みたくなりました。


その女アレックス (文春文庫)
ピエール・ルメートル
文藝春秋
2014-11-28